あらすじ
なすといんげんと豚肉の煮物、キムチチゲ、卵とアスパラ入り海老チリ、うどんすき、デミグラスソースのオムライス、鶏のから揚げ、かぶとベーコンの豆乳スープ、ミルクティーのシャーベットetc.……
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私もシロさんのごはんが待ってる家に帰りたい…。
堅実を絵に描いたような弁護士・筧史朗とお気楽に見える美容師・矢吹賢二は、「シロさん」「ケンジ」と呼び合う40代のゲイカップル。そしてシロさんは、近所のスーパーマーケットの底値を把握し、無駄なお金を使わずに日々の食事を栄養バランスよく作ることを楽しんでいる。そんな二人の日常が食生活を軸にして描かれた作品、と聞いたらもしかすると、自分とは似ても似つかぬ人生なのかなぁ?と思う人もいるかもしれません。作品の中では実際、カミングアウトに対するシロさんとケンジの考え方の違いやゲイコミュニティならではのお話も出てきます。でも、体形の変化や老眼に加齢を実感したり、親の病気に直面して改めて親に対する感情が揺さぶられたり、美味しいごはんを好きな人と食べたりするような、誰にでも起こり得る日常も、大げさでこそないけれど、淡々と積み重なっていくのがこの作品のじんわり素敵なところ。おまけに、お話としてもおもしろい上に、レシピ本を超越したメニュー決定本でもあるのです。しかも、気取りのないおうちごはんにぴったりなものばかり。単品料理は作れるけど、一汁三菜を用意するとなったら途端にどこから手を付けていいかわからなくなるあなたに絶対おすすめです。
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匿名
両親
ケンジがシロさんの実家訪問!
ドキドキ緊張が伝わってきました!
いろいろ複雑な思いもあるかとは思うが、シロさんのことを理解できてなくても拒絶せずに受け入れてくれるご両親がすごいと思いました!
Posted by ブクログ
コツコツと地味に続くこの連載も、今や7巻です。基本的には、レシピ漫画。
シロさんは、しっかり者の弁護士(美人だし料理は上手いし貯金がっつりで性格いいし、カンペキですね)。ケンジくんは、ちょっとオネエ入ったやさしい(というか乙女な)美容師(ヒゲで長身だけどさ)。
堅実で地味な中年ゲイカップルの、ささやかな日常を丹念に描くこのマンガ。(二人とも、40代後半です。)
派手なラブシーンもドラマチックな展開もないけど、ほのぼのじんわり心に来ます。
※男性誌掲載なので、そもそも非常に抑制の効いた、BLらしくないBLです。
ずうっといいなあ、こういうのって幸せだよなあ、って思っていたけれど、今回はシリーズ最高潮です。今までで、確実に、いちばんいい。指輪を買ったあたりから、徐々にここに向かって来たんだなあ、という感じです。
テンションが高い、といってもあくまでこのマンガ基準でってことですが、とにかく心が熱くなります。火傷しそうな熱さじゃなくて、寒い夜を心地よくすごすための湯たんぽみたいに。
最初の話でいきなり、天然のろけ爆弾を炸裂させるシロさんに、目が点。あまりに予期しない出来事で、びっくりしました。シロさんは普段そういうキャラじゃないからこそ、あの発言にはぐっと来ます。やられた、という感じ。
もうひとつ別の話でも、シロさんの変化、というか進化?が見られます。人目をはばかることが最優先だったこの人が、ケンジくんと暮らした時間が長くなるにつれて、徐々に変わって来ている。ケンジくんの気持ちを汲む余裕、みたいなものが見え隠れします。実にさりげなく、さらりとね。
※これ以降、若干のネタバレを含みます※
いよいよお正月。
両親に約束した通り、シロさんは初めてケンジくんを連れて実家に帰ります。普段はカジュアルな格好一辺倒のケンジくんが、かっちりスーツにネクタイ、トレンチコート。ギクシャクしつつも、そこは(一応)大人の対応で迎えるご両親。気まずさに耐えきれず、母親の手伝いにキッチンに逃げるシロさん。
(おいおい、アンタの男を見捨てるんかい・・・?)
間を持たせるため、父親はケンジくんに、シロさんの若いころのアルバムを見せる。ここでの二人の会話が秀逸。訥々と、じんわり、せつなくね。
(そして最後には、とんでもなくコミカルなオチつき。よしながさん、さすがの手腕です。)
あとはまあまあ和やかに、4人で食事。美味しいご飯のある食卓を囲む幸せが、このマンガのキモですもの。
その後、二人はシロさん実家を辞すわけですが。帰り道、まずは笑いのオチが炸裂。ご両親のあらぬ誤解に、失笑するしかないシロさん。変な誤解の犠牲者?になったケンジくんはまったく気にせず、ニコニコご機嫌なのね。
いいじゃないの、それでシロさんのご両親がイイ気分になるならって。
ヘタレに描かれがちなケンジくんですが、こういうときは大人だよなあって思います。けど、ものすごく乙女でもある(笑)。
恋人の家を訪問し、家族に紹介される。
―――ありきたりのようで、ゲイのカップルにはなかなかハードルが高い。そんな幸せな機会がいつか自分にやって来るとは、思ってもいなかった。万感の思いでそう呟き、涙をこぼすケンジくん。
「つき合わせて悪いな」くらいに思っていたであろうシロさんは、ケンジくんのリアクションに驚きます。でも、そっと頭を抱いてあげるんだよね。「もう、死んでもいい」なんて言われたら、そうなるよなあ。しょうがないなあという気持ちと、可愛いなあという気持ちで。
(どっちも40過ぎのオッサンですが、ケンジくんのほうが年下です。)
夜道とはいえ、天下の往来で。今までのシロさんでは、考えられない行動。
で、ここでもうひとつ、爆弾が落ちます。今度は笑いではなく、世間の冷ややかな視線、という残酷な爆弾。ぐさっと・・・来るよなあ。BLファンタジーが、世間のリアリティに触れた瞬間、みたいにも思えるから。でも、シロさんもケンジくんも、黙ってやりすごします。受け流すくらい、なんでもない。ゲイであることの痛みは、人生でさんざん経験してるでしょうから。
ふたり一緒だからね。だからやりすごせるのでしょう。
この二人は、世の中の偏見と戦ったりはしません。世界の中心で愛を叫んだりもしません。ごく普通の、平凡な社会人として暮らしていく、それだけ。
恋人がいて、おいしいご飯がある。
―――それが幸せ、って知ってるんですね。
いろいろ主張せずに、さらりと描くよしながさんの筆が冴えます。ホント、すごく面白いよ~。
Posted by ブクログ
1巻から全部持っているけど、ホントに良い作品だと思うし、よしなが先生うまい。
今回はシロさんがお正月にケンジを実家につれていく話し、佳代子さんの娘の結婚話しは特に好き。
今回もとても良かったですー!!シロさんの実家訪問もですが、お母さんのお友達の件での弁護士さんとしてのシロさんや、ケンジの欲張り(?)オムライスを嬉しそうに食べるシロさんも良かったです。年齢を経るごとに、今回のお母さんの件みたいな事は現実的に自分にも降りかかってくるような事だし、勉強にもなりました。
Posted by ブクログ
毎度おなかが減る漫画。間違って8巻を先に買って読んでしまっていたのだけど、ケンジを両親に紹介する回は思わず泣きそうになってしまった。やっぱり誰しも人として普通の事に憧れるのはあたりまえ、道を逸れてしまったからこそ男女のカップルにある当たり前の小さな幸せに憧れて日々想いを隠してきたんだなぁと思うとケンジの涙にうるっとさせられました。富永さんちの家庭の事情、時間ぐすり。本当にどんな幸せな家庭の中にもいろいろあるものだと思います。ウチにもいろいろあるし、他にもそういう風に思ったことが何度もある。でも時間ぐすりっていい言葉。そうだなぁと感じます。シロさんの自分の趣味ではないけど相手を思いやって喜ばせる付き合い(カフェに行くこと)は自分も見習おうと思った。興味ないから行かないじゃなくて相手を想いやるからこそできるんだなと感じました。そうだよね、その方が絶対ハッピーだよね。楽しめるよねって感じました。私も興味ないってはねのけないでじゃあ教えてと素直に相手を受け入れるようにしようと思いました。
Posted by ブクログ
読むのをわすれてた(笑)
ナイロンかぶったまま、本棚に会ったのを発見。
相変わらず、美味しそうな漫画です。
最後のオムライスによだれが・・・。
Posted by ブクログ
とうとうここまできた、という感じ。少し前から主人公に変化が訪れていたわけだけど。
正月に連れて帰ることは前に約束させられてたから、そろそろかなとは思ってたけど、無事にすんで良かった。帰り道でのケンジの反応にじわっときた。