あらすじ
「名訳」を超えた完全現代語訳。林望源氏物語・全54帖――その第12帖。源氏26歳から27歳まで。朧月夜との関係が発覚し、源氏は須磨隠棲を決める。親しい人々や、女たちとの別れを悲しみながら、源氏は京を後にする。須磨の侘び住まいは久しく過ぎ、季節は巡る。頭中将が訪ね来て、短い再会を喜び合う。
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Posted by ブクログ
リンボウ源氏三、この巻は須磨から松風までです。
明石の君に対しての初めての描写が、
「とくに優れた器量というのでもなかったが、親しみやすく、気品も具わっていて、心の嗜みのある様子など、たしかに、高貴な生まれの人にもおさおさ劣るまじき人ではあった」
というものだったのが意外!と思っていたらそのあとの描写は私のイメージ通りの明石さんで、なんとなく矛盾を感じました。
当初の狙いから紫式部が方向転換したのかな?明石に親しみやすい印象はないし、器量良しかと思ってた。今後私のイメージでは六条系の女性に仕上がってくると思ってるのだけどどうなることやら。
あとは、蓬生の章が私のイメージ以上にコミカルに描かれていたことと、
絵合の章の勝負の日は圧巻!その日の様子が目に浮かぶようでうっとりしました。
それと、本文とは関係ないけど澪標の章で、六条が重い病を発して心細く思うシーンがあるのですがその時、伊勢の斎宮のような仏道から最も遠いところに何年も過ごし、その間後世を願うお勤めも怠っていたことを思うと死後が恐ろしく出家してしまった、という記述があるのです。
神道と仏教の関係を勉強したとおり、神仏習合でありながらそれぞれに求めることが違うことが物語上に反映されていて、とーっても感動しました!!