皆さん、「倫理」の授業の記憶はお持ちでしょうか?
私は比較的鮮明で、当時ほどには無いにせよ、大まかに記憶はしています。私が教わった倫理の先生も、このマンガの高柳先生ほどでは無いですが印象的な人でした。
主人公は題名にある「倫理」を教える教師、高柳。クールで、特に目立った印象を受ける人物ではなく、生徒からの覚えも普通。そんな彼が、生徒と向き合い、問題を解決していくという作品。
高柳は熱血教師でもなく、また面白い授業をするタイプの教師でもありません。そんな彼ですが、きちんと芯を持っており、生徒に向き合って諭していきます。
個人的には、「合コン」のくだりの先生が人間くさくて魅力的。
「倫理」の記憶がある方も無い方も、今一度「倫理」の授業、受けてみませんか?
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非常に良質な学校まんがですね
作品に関しての予備知識もないところで読み始めましたが、すぐに引き込まれました。
私も某私学の附属男子校にいましたので、高3の時には選択科目があり、その時は思想1・2等を採りました。
こういうのを選ぶんなら文学部に進むべきだったのかも、とも思いますが、まぁそうもなりませんでした。
倫理の選択授業を担当する高柳先生の視点を中心に、色んな問題を抱えた生徒たちの群像劇が続きますね。概ねこの授業を選んだ生徒さんたちの話で、お互いの話が緩くリンクしたりしています。
授業内容や教師に反発したり、周囲を見下したり、今の生活に不満があったりとか、こういうのっておそらく多くの読者も共感するような話ですよね。
作者は、この単行本のあとがきにもあるように、個人的な辛い経験もふまえて、そんな悲しみに寄り添った作ひんを紡いでいるのだろうと思います。
非常に良いので、続き、読みたいですね。果たしてどんな着地点が待っているのか、まだ連載中ですし、大いに期待しています。
とても好きです
漫画だからって都合の良すぎる展開はなくて、でも生徒ひとりひとりが先生に救われます。
彼らの悩みは特別なものではなくて身近に存在するものです。
だからこそ読み手も先生の言葉で何だか少し楽になれるのかもしれません。
作者さんはきっと先生のように素敵な方です。
このあやふやに満ちた世界
答えはあるような、ないような。
世界はそれに満ちている。とおもう。
それでもじっとそれに対してゆきたい。と思わせるきっかけになりそうな作品です。
今の自分だからこそ心に刺さる言葉がいくつかあって、時間をおいて読んだら、また違う引っ掛かりがありそうな気がします。(読んだ時の心理状態によって)
他者からみればほんのちょっぴりの傷であっても、本人にはその受けた傷しか見えなくなる時って本当にあるんですよね。
皆さんが云うように、合コンのくだりの先生は本当にかわいかったです。(笑)
Posted by ブクログ
4巻までは特に面白かった。
はじめは無表情系のスーパー教師モノかと思っていたが、意外にも高柳先生は泥臭く、完璧な人間でもなかったし、常にかっこいい回答ができるわけでもなかった。
しかし、「なにが“善”なのか」を必死に考え、葛藤しつつも生徒を思い対話を重ね、ときに大胆な行動をとる高柳先生の様子が丁寧に描写されていて、とても面白かった。
また、必ず問題が解決するわけでもないところがリアルだった。
「恋に破れても⋯
家族が死んでも いじめられても
就職に失敗しても 仕事がイヤでも
お金がなくても
人生が⋯退屈でも!!
それがどんな理由でも
命に換わる程
重い絶望になるんです!!」
この言葉が腑に落ちる人は多いと思う。
生徒たちも、ただ一心に先生の言うことを聞くようになるわけではなく、自分たちで考えて、悩み、その結果先生の言うことを聞くこともあれば、先生とは違う答えを出すこともあり、そこがとても魅力的だった。
その過程もしっかりと描かれているので、最終的にどの生徒も応援したくなる。
5巻は少し倫理要素が少なくなった気がする。
この作品の持ち味は“教える”だけではなく“対話する”ことで生徒と心を通じさせようとする部分にあると思うが、5巻では生徒の対話シーンが減ったことで、高柳先生がちょっと偉人の名言を引用しながら生徒を言い負かすだけの装置になってしまっているように感じた。
先生も生徒も、これまでに比べて魅力を感じなかった。
Posted by ブクログ
いい噂は聞いていましたが。
とても良かった。
色んな偉人の名言とかもあって勉強になる。
一番心に残ったものが、
「何を聞かされようと、
自分の理性が受け入れたもの以外信じるな」
押しつけがましくない、いい言葉だ。
こういう倫理だの道徳だのの話は、総じて「押し付ける」
傾向にある。
或いは、読む側が、押し付けられてもいないのに
押し付けるな、憤る場合とある。
だから、上の名言がとても心に響いたし、
ラクな気持ちで読めるのだと思う。
倫理を学べるのが羨ましい
学生時代に倫理の授業が無かったため、授業を受けられる生徒が羨ましいです。
生徒も個性的だったけど、教えてる先生もなかなかキャラが濃くて面白かった。
星4は、序盤のアダルト要素が強すぎたためです。
独特の空気感
広告で見かけて気になって購入しました。
穏やかで感情の起伏が少なめの高柳先生が、時々見せてくれるかわいい表情のギャップがとても素敵です。
ただ生徒の問題をバッサバッサと解決していくスーパー先生ではなく、先生側の葛藤も描かれておりグイグイ引き込まれす。
Posted by ブクログ
暗い内容なのかなと思いながら読み始めたが
確かに明るい話では無いものの
無闇に嫌な気持ちになるような描写はなく
読み応えのあるストーリーだった。
先生がどこか醒めていて、
昔よくあったような熱血先生とは違う
一歩離れた冷静なスタンスから、
しかし生徒の為を思って即座に動いてくれる。
生徒のしていること自体は否定せず
自殺を無理矢理止めるというようなやり方ではなく
理解し対話することで本人が自分で光を見いだせるような、
この姿勢がすっと胸に入ってくる。
物語本編は勿論のこと、この漫画を描くきっかけになったことが書かれている
あとがきの内容も素晴らしかった。