あらすじ
金軍総帥・兀朮が梁山泊の北に展開すると同時に、撻懶の軍も南進を始めた。戦いの幕がついに切って落とされた。呼延凌率いる梁山泊軍との全面対決となる激突だった。史進の遊撃隊の奇襲により、大打撃を蒙った金軍は後退し、戦いは収束。梁山泊は若い宣凱を単身金に差し向け、講和の交渉に入った。一方、岳飛は来るべき戦いに向け準備を開始する。それぞれの思惑が交錯し、血の気配漂う第三巻。
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Posted by ブクログ
本巻で何かが動き出したような気がします。
今まで探り探りだった若き梁山泊の後継者達は何かを振り切って、新しい道を見つける者、腹を括る者、恋に走る者?
岳飛や金国、南宋にも変化があった!
新しいムーブメントに乗り切れるのか?全登場人物達に良い道筋があって欲しいと思います。
個人的には秦容の農地開発の会が楽しみでたまりません!
Posted by ブクログ
史進は老いを感じるようになってきたし、呉用もいつ死んでもおかしくない状況。
呼延凌は軍の若返りを図り、着々と世代交代が進む三巻。
でも、もう舞台は梁山泊だけにとどまらない。
宣凱は呉用のあとを継ぐんだろうなあと思うけど、秦容(しんよう)は梁山泊を出て越なんのさらに南の地を開拓して甘藷をつくろうとしている。
王清は南宋水軍のために船を作り、王貴は岳飛軍のために兵糧を調達する。
敵ではない。味方でもない。
国の在りようは、物流が決めるということなのか。
子どもの頃から物事に動じない大物感を漂わせていた秦容が、梁山泊を出た。
彼こそが楊令亡き後の頭領になってもおかしくはなかったはずなのに。
特に大きなきっかけもなく、「甘藷をつくる」と言う秦容に、なんだかなあ…って思ったけれど、本人の気持ちよりも先に居るべき場所を与えられてしまい、義務と責任をひとり背負って死んでいった楊令を間近に見ていたからこそ、秦容は自分の居場所を探しに出たのかなあという気もする。
ところで、国対国の政治的駆け引きはあるけれど、国内政治の描写がないんだよね。
全てが行政レベルでクリアできているのだろうか
戦がなくなり、政治がなくて行政ばかりだから、ちょっとストーリーに華がない。
王清の恋(?)は、やたらと理屈っぽいし、相手の女性が扈三娘の劣化版みたいで魅力がないから、やっぱり華がない。
こんな感じで進んでいくのかなあ。