あらすじ
「一年前のお約束の品を受け取りに参ります」 ――強面の古道具屋の主・喜蔵の元に、奇妙な手紙が舞い込んだ。 喜蔵の脳裏に不思議な老女と交わした約束が蘇る。 そんな折「縄張りの視察だ」と嘯く小春が再びあちらの世からやって来た。 どうやら永遠の命を授けるという「アマビエ」なる妖怪に関わる事件が起きているようで・・・・・・。 明治人情妖怪譚シリーズ第四弾!
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序では謎だった言葉、読み返すと胸が温かくなりました。喜蔵の元に訪れる人間は決まっていて極小数だ。ある日のこと、珍しく長屋の大家がやってきてある物を渡してきた。それを見た喜蔵は・・・。妖だからこそ決して曲げることのできない一線がある。そういう人間と妖の柵や境界線や葛藤や超越するものを見るのは面白い。やっぱりキャラクターと世界感が好きだ。
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大好きな『一鬼夜行』シリーズ。
小春と喜蔵が大きく成長し、新たな展開を期待させてくれる。
人を一途に愛し抜いた老女の話には、感動した。
次回作が楽しみ。
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小春にも喜蔵にも大きく変化が起こる巻。
アマビエという妖怪を通して、主要人物達が抱える優しさと寂しさをみせてくれたお話。
最後は泣いた。喜蔵と小春の周りには優しい人ばかりが集まってくる。
ようやくそれに気がついた喜蔵と、判っているからふりほどけない小春がこれからどうなるのかとても楽しみ。
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終盤の、連判状にグッときた。
人付き合いを極力避けてきた喜蔵が、今まで騒動に巻き込んできた1人ひとりに説明して名前を書いてもらうなんて…!
喜蔵の成長変化が、凝り固まった偏角が少しずつ少しずつ丸くなるのがわかって、なんだか嬉しくなる。
それとは別に、素直じゃない捻くれた発言に気付かないフリしてボケてくる小春がなんともワザとらしかったな(笑)
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第三弾では主人公がぼやけるだの先が見えぬだの腐した、それがまるで著者の耳に入ったが如く今回はリクエスト通り小春、喜藏大活躍の王道人情絵巻に仕上がったようで…
そうなればエメルさんのペンは冴え渡り初期のドタバタの雰囲気を残しつつ時にしっとりと時に重厚に物語を堪能させていただきました。そしてやはり今回最大の収穫は話の行方がピシッと見えたこと、落とし所をどうつけるかやきもきさせられたが意外な方向性に「そうくるか!」と否が応にも期待は高まる。
シリーズ後追い故新刊を待つ焦ったさはまるでなし、いざ次巻へ!
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一鬼夜行シリーズ 4作目。
今回は枯れずの鬼灯、アマビエと永遠の命が大きな主題。アマビエめっちゃ可愛いなぁ。
毎回このシリーズは人を大事に想う暖かい気持ちにじーんとくる。目安箱だって結局喜蔵を気にかけてる、仲良くしたいってことじゃん。千代乃と藤波の話も切ない。
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明治初期を題材としたファンタジー。シリーズとしてややスケールアップし、海上での戦闘シーンや人気のない島など、舞台が東京浅草の街並みから飛び出していることが多い。
時代劇やホラーよりもアクションが重視されている。
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「一年前のお約束の品を受け取りに参ります」
小春が百鬼夜行から落っこちてきてからの
ドタバタ騒ぎでスッカリ忘れていた喜蔵だが
老女が求める「枯れずの鬼灯」は未だに店にない。
そんな時、アマビエなる妖怪の調査で小春が現れる。
アマビエを手に入れたものは永遠の命を授かるらしく、
それを巡って水の怪達の間で騒動が起こっていた。
小春の周りでも不穏な動きをするものがいたかと思えば
多聞だけでなく、一緒にいる四郎と勘助までが
喜蔵の前に現れる。
最後まで読んでから、序章を読んで泣けました。
切なさを引きずってしまいましたが、終わり方はよかった。
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今回のお話は思いがけない人がメインで意外だった。多門一味は敵というには憎めない不思議な魅力がある。しかし、ここで猫又の長者という分かりやすい「敵」が登場しそうなので、盛大な序章と言った感じか。連判状を集める喜蔵には目頭が熱くなった。本当に人間らしくなったなぁ。
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テンポは良かったと思うけど、なんかあっという間に読み終わってました。
面白くてというよりは、「あれ?終わっちゃった」って、いう感覚でした。
次巻への繋ぎの感じだったので、次はジックリ愉しみたいです。
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千代乃という老女とアマビエという不思議な生き物をめぐる騒動が複雑に入り込んだストーリー。
またもや多聞一行がからんできて、喜蔵も小春も心穏やかにいられるはずもなく…。
千代乃と永遠の命にまつわる話は、切なくて悲しいが、同時に人を思い続けることのすばらしさを教えてくれる。
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一鬼夜行シリーズ第四弾「枯れずの鬼灯」。
物語のキーとなる妖怪としてアマビエが登場するのですが、コロナ禍以前の2012年初版なので今ほど知名度高くなかったのではないかな。コロナ禍の妖怪界隈におけるアマビエブームは、熱狂というものだったように思います。あれで一気に認知度上げたと思います。真VVにも出演しましたし。
ただ、コロナ禍でのアマビエのイメージで読み進めると、なかなか面食らう役回りだと思います。
まあ、だいぶ真VVのキャッチーなアマビエイメージがついてしまっている自分なので、正常な判断ではないのですが、不穏さが漂っているんですよね。
ひょうきんな意味合いも感じられる妖怪という種族でなく、畏怖の存在を強く印象付ける悪魔や怪異寄りに感じました。
自分が出会ったタイミングがその事象や言葉の第一印象になってしまうということで、なんとも楽しく趣深い読書体験でしたね。
多くの場合は、その第一印象から抜け出せずに読書中の違和感となってしまうのですが、今作はその感覚を楽しむことができてよかった。
千代乃とご隠居の悲恋を主軸に、アマビエをめぐる物語の「枯れずの鬼灯」。
切なさと想いの強さが沁みるお話なんですが、思いがけず脱線してアマビエばかりになってしまいました。
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シリーズ4弾目。
久し振りに手に取った一鬼夜行シリーズ。
忘れていた人物や設定もあったものの、読み進めていくうちに思い出す。
小春やっぱり可愛い。深雪ちゃんは相変わらず料理の腕は上がらず。
読んでいる最中は、うーんイマイチかなぁと思うのだけれども、ラストの小春と喜蔵が別れるシーンになると、また二人のコンビが読みたくなり
続きを読んでしまう。
二人共もっと素直になれば良いのに!
Posted by ブクログ
とりあえず、表紙のアマビエがかわいいw
毎回ちゃんと成長してる喜蔵はキャラクターとして本当に好感もてます。
最後の連判状は喜蔵らしいけど小春に「心配してる」という意思をちゃんと伝えられるようになったところがすごい。
逆に小春は行き詰っているようなので、今度は逆に喜蔵が小春を精神的に助けるようになればいいと思う。