【感想・ネタバレ】一鬼夜行 鬼やらい 上のレビュー

あらすじ

厄介な「居候」が百鬼夜行に帰って以降――再会した妹に「共に暮らそう」と言い出せず、むなしく日々を過ごす喜蔵は、多聞と名乗る男と馴染みになる。 優雅な声音と物腰で女性を虜にする多聞だが、喜蔵が営む古道具屋で買うのは、なぜか付喪神の宿る品ばかり。 同じ頃「女性だけを狙う妖怪が出没する」との噂が浅草を賑わせており・・・・・・。 閻魔顔の若商人と可愛い小鬼が妖怪沙汰を万事解決? シリーズ第二弾!!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

続きものである、ことの魅力がふんだんに鏤められた2作目!

1作目で、おそらく最強の人物だろうと見受けられた深雪。
今作でもまさに「無双」といった風の強さで素晴しかった。
彼女の同僚は、彼女を「強いばかりじゃない」と言った。
それは、そうだ。
しかし彼女は、そんな面も含めてやっぱり強いのだ。
次作からの活躍も楽しみだ。

ちなみに彼女をひっそり見守る天狗殿は、
主人公である兄よりも彼女を助けるべきポイントをおさえていたと思う。
今回、兄は本当にがんばったのだけれど
一番のおいしいところは奪われてしまったね。

……と、主人公以外の人物の感想から書いてしまったけれど
このシリーズ、主人公以外の人物がとても魅力的なのだもの。
今作で言ったら、多聞、そして硯だ。

硯の辿って来た数奇な年月、
硯の想い、
さらには
墨をすられ硯として使われる感覚にすら、
ひきこまれ、同調し、感じ入ってしまった。

もちろん、主人公も好きだ。
ツンどころか、けっこう酷いことズケズケ言うし、
そのくせ臆病だし、
臆病かと思えば妙なところで思い切りがいいし、
そして、最後まで全くデレない。
ラストでやっとちょっと、といった程度。
そこがいい。

今作、また彼は一歩進んだというか、殻を剥いた感じ。
前作での「奇跡のような成長」の効果を
永続的なものとして描いていないところはとても魅力だった。

主人公の幼なじみは、相変わらずの残念っぷりだったけれど
相変わらずイケメンだった。
彼は本当に残念な人なのだけれど
大事なものを大事にする、
まっすぐさや芯のしっかりしたところを持っている。
魅力的だ。
彼の家族もまた魅力的でいい。
次巻以降、どこかでじっくり読めることがあるだろうか……
ぜひ、期待したい。

彼の馴染みの岡場所のメンツも、
主人公のじいさん・ひいじいさんについても、ぜひ!!


そして今回、キーパーソンになるのが多聞だ。
今作以降、しばらくはメイン登場人物の1人になってくれそう。
彼もまた、魅力的なのだ。
誰よりも謎。
誰よりもカオス。
けれどちらっと見せる一面は誰よりも「人間らしい」ような気もするのだ。

彼が秘密を抱えていてくれることで
読者としては「あ、この作品また続きが出てくれるのね☆」と
安心できる。
多聞、GJ!!!!

小春については、
もう、何も言うことはない。
実は主人公以上に不器用で素直じゃないヤツなのではないかと思うのだけれど。
小春にはもう、魅力しかなく
感想を述べたくなる、よりは
ひたすら見守っていたい存在。
愛おしい。


さて。

登場人物が増えたことで、物語に広がりができた。
と、いうこともあるけれど……。

もともとこのシリーズは、とても多面的だ。
人間の世界と妖怪の世界。
主人公の生きる時代・主人公の祖父や曾祖父の生きる時代。

今作から、それに加えて多聞の登場で
現実・幻、という軸まで出来てしまった。
読みながら「これはどっち…?」と、私も惑ってしまったし
むしろ多聞の見せるそれは「どちらも本物」でさえある。

このシリーズはそんな、
いろいろな軸が交差して、重なり合って、混じり合って、
そうして滲んでしまうような場所が舞台となっているのだ。
舞台上の人物たちも、巻がすすみ
より深く・鋭く、個性がエッジをきかせてきている。

みんなの感情も思惑も広がって、どこまでも多層構造な物語だ。

また、2作目の今作の特徴としては
「振れ幅がより広がった」こともあげられると思う。
もっとやさしく、
もっとせつなく、
もっとエグく、
もっとおどろおどろしく、
もっと気楽で、
もっと楽しく、
もっと鋭く、
もっとおもしろい。
……次巻以降、本当にどうなってしまうのだろう。

この作品とは、これからも末永く付き合って行きたい。

0
2012年11月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一鬼夜行二作目。
上巻なので、まだ解決はしてないのですが、小春がとってもよいですね。かわいい。
何より小春が出てくる前と出てきた後のテンポがまるで違います。これから敵の手中に向かいところ。がんばれー!

0
2012年08月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前回よりも人間らしい喜蔵さんがかわいらしい!
ストーリーは弱冠予想がつきやすいかんじでしたが下巻でのどんでん返しに期待。

0
2012年08月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

喜蔵と小春のコンビをまた読めることが嬉しい。一鬼夜行だけで綺麗に終わっているだけに、二人がどのような再会をするかと思いきやなんともデジャヴな再登場の仕方で微笑ましい。誰も彼もが相変わらずだけど、今作では硯の精がキーとなっているようで下巻が楽しみなところ。胡散臭いと思いつつ多聞のキャラクタが良い。

0
2012年04月22日

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