あらすじ
総理が懸けた莫大な報奨金の元に開始された「双亡亭破壊作戦」。
奇怪な屋敷に立ち向かう“破壊者達”は、
不自然に飾られた自らの肖像画に取り込まれる。
彼らを待ち受けていたのは、耐えがたい絶望の世界…
恐怖に呑まれた者達が次々と己を失ってゆく中、
凧葉と紅の運命は…!?
震撼のスペクタクル・モダン・ホラー、第三巻!!
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
屋敷の魔の手が異能者たちを襲う三巻である。
この巻ですべてが説明されているわけではないが、事実上の壊滅だろう。先の巻での引きがそのまま絶望的な展開を導いている。
この巻の肝は、絵の中で見せられる絶望と、それに対抗するための手段だろう。
異能者たちや自衛隊員が取り込まれる中で、同じく絵に取り込まれた凧葉は不思議な青年と会い、そしてその後の絵の襲撃を撃退している。
心強くあらねば、いかなる異能を持っていようとも何の役にも立たない。双亡亭の恐ろしさをまざまざと描いた巻だろう。
その悪辣さも特徴的だ。トラウマに直面させることで、催眠術で言う驚愕法のような手法で精神に空白を生じさせ、そこに逃れようのない悪意を刷り込む。
そうして生まれた隙を見逃さずとり憑く。実に凶悪である。
白眉はやはり紅の救出に向かった凧葉の力強さと、その言葉に背中を押されて自分を許すことができた紅。
彼女の言葉、弟と話すことを宣った彼女の姿は、腹の据わった力強さがあった。
こうしたシーン描写の力強さは、この物語を一段とエモーショナルにしてくれている。お見事だった。
今回も変わらず星五つで評価したい。
壊滅的状況と、それが相手の戦力を増す行為だと気づいた凧葉。
一方で、同様の敵を相手に制圧した青一は、緑朗と共に歴代総理と面会し、頭を下げられている。双亡亭と戦うためのすべを教えてほしいと。
こうした「日本のトップだった人たちが頼んでくる」というのもまた、子供への訴求力が高い物語展開じゃないかなと思う。
ただ、このホラーテイスト全開の作品を子供が読んで楽しめるのかは未知数ではあるが。(笑)
Posted by ブクログ
ここに来て一気に面白くなってきました。
久しぶりに藤田ワールドに引き込まれた感じです。
ツライ「過去」に…負けんな…
ツラくて弱かった「自分」に負けんな…
ゼンブ引き受けて…
そいで…
自分をゆるしてやんな…
大きな声で…
Posted by ブクログ
いや、面白い。
1・2巻の導入部の「え?家一軒が舞台?何かスケールが...」という不安が一掃されるかのような3巻でした。
....入り口が狭いからこそ内部は無限の可能性を秘めている?
...鏡の中の世界ように絵の額縁の世界が繋がっていたら...そして憑依して表に現れるものの目的は...
...あの「戻ったらまた会おう」といった絵描きの人物は...
うーん、今後を想像するのが楽しすぎます。
本作は映画好きな藤田先生の色々な作品へのオマージュが表現されているのでホラー映画好きにはにたにたが止まりませんねw
(「パラダイム」「ランゴリアーズ」...今後「ゼイリブ」とか「ゴーストハンターズ」とか出てきたら身もだえしそうですw)
そして藤田先生の漫画にしては珍しく凧葉は「自分の弱さを認める強さを持つが戦力としてはからっきしw」という体力面で劣る主人公(の一人?)なのでちょっと新鮮で今後が楽しみです。
....さすが藤田先生....ハズレないなぁ。