あらすじ
空爆でも傷一つつかぬ
幽霊屋敷「双亡亭」。
父を双亡亭に喰い殺された緑朗と
謎の少年・青一は、
強い復讐心を胸に道を急ぐ。
一方で、総理が懸けた
莫大な報奨金の元に集う破壊者達…
凧葉や紅、軍、対超常現象のプロらによる
「双亡亭破壊作戦」が始まる!!
震撼のスペクタクル・モダン・ホラー、第二巻!!
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
悪意と怪異の巣窟・双亡亭を壊さんと異能者たちが集う第二巻である。
この巻では巻頭に、政府の説明会で集う異能者たちが描かれていて、いよいよ双亡亭を壊すべく物語が動き始めている。
その脇を固めるのが緑朗と青一の二人の総理との会談だろう。双亡亭の闇を説明する総理と同期するように、物語は暗澹たる壊滅へと向かっている。
それにしても、実にスマートな物語運びだと思う。
集まった異能者たち、それは堕落した修験者であったり、米国の調査チームであったり、あるいは全てを見通す占い師三姉妹であったりするのだが、そんな彼らを緑郎の姉・紅や凧葉の視点を通すことで、彼らの儚い運命を予見している。
その上で、とり憑かれた人々との攻防を描くことで、彼らの退魔の能力の高さを見せつけた。
だからこそ、物語巻末における壊滅の模様は実にスマートに我々に「バカな……はやすぎる……」という感慨を催させるのである。
異能者たちのキャラの差別化や、青一を守る緑朗の覚悟など、随所にストーリーテリングの巧みさが光っている。
この巻も続いて星五つで評価したい。物語上での各所のインパクトというより、ダイナミズムで魅せていただいた一巻だった。