【感想・ネタバレ】付添い屋・六平太 龍の巻 留め女のレビュー

あらすじ

時代小説界最後にして最強の新人!

主人公・秋月六平太は、かつて信州・十河藩の供番(籠を守るボディーガード)を務めていたが、家中の権力闘争に巻き込まれゆえあって浪人となった。いまは裕福な商家の子女の芝居見物や行楽の付添い屋(これもボディガード)で身を立てている。
血のつながらない妹の佐和は、六平太の再士官を夢見て、浅草元鳥越の自宅を守りながら、裁縫で家計を支えているが、本人にその気はない。相惚れの髪結い・おりき、音羽界隈を取り仕切る毘沙門一家の菊次とともに、浮き草な日々を過ごしながら、付添稼業を続ける日々だ。
その六平太のまわりには、幸せになりきれないが、一生懸命生きている人たちの悩み事が今日も迷い込むのだった。妹・佐和の祝言までを描くシリーズ第一弾。「雨祝い」、「初浴衣」、表題作「留め女」、「祝言」の四話を収録。人情話ここにあり!

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ネタバレ 購入済み

忙しい男だね〜

再婚した父の相手(母)が連れてきた妹が、5歳で、その時、六平太は、17歳……で、その妹が、20歳で、嫁に行ったんだから、今は、32歳か〜付添い屋を、生業にしてるらしいけど、とにかく、あちこちに、頭を突っ込んで、忙しい男だね〜

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2025年04月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 長く脚本家として活躍して来た著者らしい、どこまでも王道な、人情時代劇。想い人を探して江戸へやって来た女性がお金が無くて困窮したり、大名行列を横切って武士に突き飛ばされ、昏睡状態に陥った息子の為に復讐する父親の話などなど。現代にも通じる、江戸っ子達の悲喜こもごもが描かれている。全4編。

 最後の「祝言」で、血のつながらない兄・六平太へ複雑な想いを抱きながら呉服屋へ嫁いでゆく義妹・佐和の物語は、それまでの登場人物が勢ぞろいして、4編のまとめ的な意味合いであるのと同時に、一つの区切りにもなっていて、筋自体はとっても王道なのだけれど、佐和の姿に思わずホロリとした。

 勧善懲悪、ほぼ大団円の物語なのだけれど、自分自身のせいではなく、不覚にも浪人となっていまい、一時期荒れていた六平太の悲しみとか、最後の佐和のいない家の寂しさとか、所々悲しみが滲んだ物語。

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2014年08月18日

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