【感想・ネタバレ】危機と克服──ローマ人の物語[電子版]VIIIのレビュー

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危機管理

一部ご紹介します。
・人間には、自らが生きた時代の危機を、他のどの時代よりも厳しいと感じてしまう傾向がある。ただし、興隆途上の危機とその克服は、さらなる繁栄に繋がるが、衰退期に入ると、危機は克服できても、それは最早さらなる繁栄に繋がらなくなってしまう。
・平時にも活躍できるタイプの人材でなければ、真の意味で戦時にも有益になり得ない。なぜなら、リーダーの第一条件が、彼に従う人々に対しての統率力であるからだ。
・「見たいと思う現実しか見ない」傾向は、人を不幸にする。異なる宗教、異なる生活様式、異なる人種であっても、共に生きていかなければならないのが人間社会の現実だ。玉砕は後世を感動させることはあっても、所詮は自己満足に過ぎない。
・純粋を至上の生き方と信ずる人々にとって、不純ほど許せないものはない。純粋であればあるほど、少しの不純も許せなくなり、より急進化してしまう。
・労働よりも略奪で生活の糧を得ようと考える者がいる限り、防衛の必要が消えることはない。
・防衛の結果が、話し合いよりも腕力で決する機会が多いのは、双方の持つ「考え方」「価値観」の違いによる。
・「考え方」を共有しない人々との関係では、心配は尽きることがない。
・民族間の衝突が「考え方」の違いによるとしてもよいのが現実である以上、敗者になりたくなければ防衛を忘れるわけにはいかない。
・施政者の二大責務は、安全と食を保証することだ。そして「食」の保証とは、「安全」を保証できてはじめて成就可能な目標でもあるのだ。
・国家の運営が任務の国政と、体力を競うのが目的のリレー競争。ローマの歴史が、リレー競争に似ているのは、現に権力を持っている者が、自分に代わり得る者を積極的に登用し育成したことにある。

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2022年09月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1年1冊のシリーズも西暦69年のネロ自死というローマの危機に始まり、軍人皇帝たちそしてヴェスチニアヌスによるフラビウス王朝の開始になりました。あまり知らなかった時代ですが、ボンベイの滅亡、ユダヤの反乱(マサダの砦)などで親しみのある時代でもあります。塩野さんの詳細な研究にはいつも圧倒されます。

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2013年08月24日

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