天才と、天才のまわりの人たちの話。作品とは何の関係もないですが、大ファンだった芸術家の方と一緒に仕事をした際、その性格の破天荒さに、「この破天荒さだからこの芸術を生み出せるのか」と、ファンとして一定の距離を置くことの大切さを実感したことがあったな、というのを思い出す作品でした。周りに影響されない自分の世界を持ち続けていられることが、人とは圧倒的に違う芸術を生み出せる理由なのでしょうね。
というわけで、主人公は集団生活的にはかなり問題のある高校1年生の女の子・響。彼女が出版社に新人賞応募原稿を送るところから始まる、学園生活と出版業界のお話です。ぶっ飛んだ天才少女が世間とつながっていられるのは、いつも傍にいてくれる幼馴染の男の子の存在がとても大きくて、彼が響を理解してフォローを欠かさないでいてくれるから、この全体の関係性が成り立っているんだな~というところにも注目して読むと、私はなんだか世界っていろんなバランスでできていて、面白いなと思うのでした。
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Posted by ブクログ 2017年06月21日
【あらすじ】
15歳の鮎喰響は、文芸誌の新人賞に自分への連絡先を伏せて小説を送りつける。編集者の花井は、その小説を読み、この作者なら文芸に革命を起こせる、文芸の力で世界を変えられる、と確信。名前しか手掛かりがない中、響を捜し出そうとする。そうとは知らない響は、周囲とギクシャクしながらも高校の文芸部に...続きを読む入部。みんなと部誌を作るため新たな小説の執筆に取りかかる。
【感想】
今回の響ちゃんのラストにはちょっと胸がスカッとしてしまいました。リカちゃん先輩、空気が読めるしちゃんと才能ある分、すごくしんどい立場だなんだろうなって思います。
響ちゃん、やっぱり嫌な人だな〜。
入るのを禁じられた部屋に入り込んで作家の原稿を勝手に読み、それが自分には当然と言わんばかり。
天才だから仕方ないとかじゃないよね。