あなたの幼いころの将来の夢は何ですか?もし叶わなかったのなら、その夢をあきらめたのはいつですか?「夢を持ちなさい。」、「夢を簡単にあきらめるな」と人は言うが、そう簡単に誰しも夢が叶うわけではない。一度現実を見てしまうと人は、夢を追いかけることを捨て「どうせ無理だ」とブレーキを踏んでしまうものである。
宇宙飛行士の弟・日々人を持つ兄・六太は、幼いころにした「二人で宇宙飛行士になる」という夢を果たせず、また一人先に宇宙飛行士になってしまった弟に対し嫉妬心を抱いている・・・。そんなある日、六太のもとへ新規宇宙飛行士選抜試験の書類審査通過の通知が届く。六太は兄として日々人に引っ張られることを嫌がりながらも、忘れたふりをし続けた「宇宙飛行士になりたい」という思いを抑えられずにいた。
立ちはだかる数々の試験を突破し、六太は無事宇宙飛行士になるという夢を叶えることができるのか!?挫折と苦悩が入り混じる、31歳無職の男の挑戦に目が離せない。
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人の見方
他人を受け入れる度量が器ってやつなのかなー。
試験終了後にライバルの評価を聞かれたとき、自分ならムッタみたいな見方を話せるかなー?
私情を挟みまくり、ジャッジしまくり、つまりは自分の基準ばかりを話すような奴だと思う。そうだったな。
今年は変わりたいものだ。うん。
善し悪しではなく、フラットに。
Posted by ブクログ
宇宙飛行士に相応しいと思うのは、と問われて
一番宇宙飛行士にふさわしいと思うのはケンジ、
なってほしいのはせりかさん、
なりたがってるのは俺 と答えるのがとてもむっちゃんらしくて
正直でとても良い答えだと思います。
死ぬ覚悟はあるかという問いへの答えも良いですし、
兄弟だな、という吾妻さんの感想も好き。
DVDを日々人に渡して基地に置いてきてもらう理由が
「数年後に必ず自分の手で持って帰るため」
というのも、言葉で決意表明するよりも
強く伝わります。
のんびりしていそうに見えて眠れないお父さんとお母さん。
お母さんがむっちゃんの部屋へやってくるのがすごく可愛いです。
新田くんが日々人のことを、羨ましいあんな弟がいて
とむっちゃんに言うのが、思えば伏線でもあったのですね。
犬好きとしては、アポを外に繋いでおくのも不用心だし
それを外した子供たちには怒りを覚えるのですが
ストーリー展開の為なので仕方ないとして。
アポのお蔭でアポロより前の時代の発射管制塔にたどり着くというのがとても素敵です。
Posted by ブクログ
おすすめ度:90点
日々人にとって吾妻は憧れの人だった。
日本ではJAXAのメンバーと南波両親が成田空港に集まっていた。
日々人たち宇宙飛行士は、ウイルス感染などを起こさないよう、NASAの隔離施設に入っていた。
一方六太は、ジョンソン宇宙センターの一室で、宇宙飛行士を選抜する最終試験を受けようとしていた。
審査員の中には日々人を妬んでいるという吾妻もおり、不安がよぎるのだが……六太の一番の心配はそのことではなかった。
先日のスクワットが原因で筋肉痛になり、座れなくなってしまっていたのだ。痛みをこらえ、なんとかイスに腰かけたまではよかったが――ガキンッ! とイスのネジがはずれ、六太は後ろに倒れてしまう。
本当は六太の実力を試したかった紫三世(むらさき さんせい)のイタズラだったが、そんなことは知る由もなく、六太はひたすら笑顔をキープするのだった。
あっさり終わった最終面接の翌日、六太たちはJAXA主催の親睦会に参加していた。受験者たちは知らないが、実はNASAでの面接はフェイクで、この親睦会こそが受かるか否かを決める場だったのだ。
そんな中、紫も六太に近づき、『みんなのことをどう思っているか』の質問をしていた。
正直に、新田は携帯の待ち受け画面がネコ、絵名はクシャミが変、森嶋は話す直前に必ず唇をひとなめするクセがある、などなど、仲間への愛情あふれる解答をする六太。
そんな六太を気に入ったのか、最後に『吾妻には話しかけないほうがいい』と忠告する紫。
しかしそれは逆効果で、六太は早々に吾妻に話しかけようとしており――?
しかしいざ吾妻に挨拶をしようにも、まったく会話が続かない。焦る六太に、吾妻は一つの質問を投げかけた。
「死ぬ覚悟はあるか――?」
六太は『当然ある』と答えたが――しばしの沈黙後、言い直した。
「本当は死ぬ覚悟、できてないです。多分、こりゃもう死ぬなって瞬間が来たとしても、ギリギリまで生きたいと思いそうです」
打ち上げ4日前。
六太たち家族は、月へ行く飛行士たちと最後の食事をするため、ケネディ宇宙センターへ来ていた。そこで六太は、日々人に一枚のDVD-Rを渡す。
打ち上げ直前。
そんな中、よりにもよって犬・アポがいなくなってしまう。
その後六太とアポは、怪しくもNASAの職員と名乗る明るい老人・デニールの車に乗せられていた。そこはもう20年以上使っていないシャトル時代初期の訓練施設だった。
そしていよいよ、カウントダウンの大歓声とともに、日々人たちの乗るマルスワンが発射したのである。
六太は、その様子を棟の屋上で静かに眺めていた。この場所のおかげなのか、六太の中にはもう日々人を嫉妬する自分はいなかった――。
Posted by ブクログ
人間は天候には勝てない。。。この巻は前編通してこの法則に納得させられそうな話でした。
むっちゃんの「(宇宙飛行士に)一番ふさわしいと思うのはケンジ。一番なってほしいのはせりかさん。一番なりたがっているのは俺です」という返しがすごく気に入ってます。すごく正直な返事。
正直な返事と言えば「死ぬ覚悟・・・できてません。ギリギリまで生きたいと思いそうです」もそう。
ええこんなこと言っていいの?と思いましたが
「死ぬ覚悟なんていらない。大切なのは生きる覚悟」
「NOと言えるやつがいたら信じていい」
とあって、ちょっとほっとしました。
さて。
日々人が月に旅立ちました。
7巻からの話も楽しみです。
良い
どんどん面白くなってきて続きが気になる。
日々人はとっくに宇宙に行くことが決まっていたのに、ムッタを最終面接まで導いてしまったなぁ。
日々人の心残りもひとつだけあるが、ムッタがなんとかするのか…?
Posted by ブクログ
最終試験は、なるほどって思うけど、今後の選抜試験では、同じ方法つかえんね、まぁ新しい方法は考えるんだろうけどなぁ。
そして、とうとうヒビトが打ち上げ。お気楽そうに見えるお母さんもやっぱり心配してるんだなぁ
Posted by ブクログ
人間って、弱くてもいいんだなぁと思った。正直で人間味のある人が信頼される。しかし、ヒビトのタフさはいい。あんなふうにさらっと、軽やか。一緒にいる人を和ませる。それを素でできている感じがいい。いよいよ、月へ出発したヒビト、そして、結論出てない最終試験。少年のように宇宙に憧れるムッタも月に行かせてあげたい。どうなるのか楽しみ。