あらすじ
「私は、産科に戻ってもいいのかなーー」産科医として、救命医として歩み続けた下屋カエに、選択の時が来る。シリーズ「救命の未来編」完全収録!
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出産は、奇跡である──。
出産には、保険がきかない。なぜなら、出産は病気ではないから。
しかし、絶対に安全な出産など、この世には存在しない。
産む側も産まれる側も常に命懸けで、2020年には全世界で20万人以上の妊婦が出産で命を落としている。
そんな“命を授かる奇跡”と“命が誕生する現場”に関わる人々を真摯に描いた『コウノドリ』。
主人公のサクラは、生まれてすぐ母を亡くし、乳児院と児童養護施設で育ちながら「生まれてきたすべての赤ちゃんに”おめでとう”と言いたい」と願う愛情深い産科医。その一方で、情熱的な演奏をする謎多き天才ピアニスト・BABYの一面も持ち合わせた人物である。
そのミステリアスなサクラが、出産のリスクやアクシデントに直面しながらも、お母さんと赤ちゃんの命のために奮闘して、真剣に寄り添う姿に何度も心が揺さぶられる。
2015年、2017年のテレビドラマ化でも話題を呼んだ、奇跡の物語。
母から生まれたすべての人に、読んでいただきたい。
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劇症型A群溶血性連鎖球菌
・溶血性連鎖球菌:「鎖のように、青い球菌が連なっている」から連鎖球菌。「赤血球を溶かす」から溶血性。いろいろいる。
・B群は、膣や直腸などにいる常在菌。
妊婦の5人に1人は持っているが、赤ちゃんが産道を通る時に、赤ちゃんが感染することがある。
新生児髄膜炎や肺炎を起こす。そのため、妊婦が臨月になったら検査して、菌を持っているか確認する。
菌を持っているなら、陣痛が始まった段階で、念のため抗生剤を投与し、赤ちゃんへの感染を防ぐ。
・A群は細菌性急性咽頭炎の「ほぼ唯一の」原因菌。皮膚軟部組織感染症として、猩紅熱、丹毒、蜂窩織炎を起こすことも。
・感染後、自己免疫疾患も引き起こす。糸球体腎炎やリウマチ熱など。
・劇症型のA群溶血性連鎖球菌が起こすのが、壊死性筋膜炎。俗称「人喰いバクテリア」。筋膜を毒素でどんどん溶かす。
・初めは風邪や胃腸炎のような一般的な症状。
よくある溶連菌(溶血性連鎖球菌)は、感染しても数日でよくなり日常生活に戻れる。
ただ、その溶連菌が何らかの理由で血液の流れに入ってしまうと、劇症型となって、あっという間に命を奪う。
本来、溶連菌自体、血液中には存在しないはずの菌だから。
・溶連菌は子供が罹りやすい。上の子がいるお母さんは感染しやすくなる。
・敗血症:細菌が血液に入り込み、血管内炎症を起こした状態。放置するとショックを起こす。
・敗血症を疑うには、検査が必須。体温、心拍数、バイタル、白血球数、血液中の二酸化炭素濃度(呼吸)など→
治療前に検査用に血液を採る→どこの臓器が障害されているか確認する→緊急なら検査結果を待たずに抗生剤投与で治療開始
・A群溶連菌なら、100%ペニシリンが効く。
・妊娠中は免疫力が低下する=感染症に罹りやすくなる→
子宮への血流量も劇的に増えるため一気に細菌が全身に回ってしまう。
Posted by ブクログ
インスタ映え妊婦
劇症型溶血性レンサ球菌感染症。加瀬が以前救急で対応したときはあれよあれよと対処しているうちに患者は亡くなった。下屋が今回気づいて緊急帝王切開と子宮摘出を行い、母体致死率50から60%の中、どちらも救う。
緊急搬送されてきた人がまさかの妊婦でおそらく未受診。周産期なんとかでヤバかったけど、そ下屋を中心に両方救う。
下屋産科に戻る。
Posted by ブクログ
大きく成長して、頼もしすぎるくらいになっていた下屋先生。あの間近で見てベイビー=鴻鳥先生と分からないのは重症。救命の部長は言い方がイチイチ嫌味なんだけど、時折見せる男らしい言動が胸に刺さります。下屋先生もスッキリと産科に帰れそう。冒頭のインスタしか頭にない母(妊婦)は本当に一回痛い思いをすればいいと思う・・・私もインスタ使うけれど、実際こういう人がいて本当に痛々しい(´-ω-`)次で完結。きっちり追いかけられて良かった。