あらすじ
フロイトやシュンペーターと親交を深めた世紀末ウィーン。世界が一変した第一次大戦。ファシズムの台頭でヒトラーに追放され、ロンドンでのエコノミスト生活を送る。そして米国へ。いつの時代にも多様性を愛し、時代と人を客観的に見つめてきた。ドラッカー自身が激動の半生を振り返る、唯一の自伝。
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Posted by ブクログ
ドラッカーさんの自伝書。
ドラッカー好きにとってはたまらない一冊だと思う。
ドラッカーさんは数多くの名著・名言を残しているが、どのような人生の中でそのような考えに至ったかを知ることができる。
その中でも最も印象的だったのは、ナチズムの中で悪について考えたとき「無関心が最大の悪」だという結論に至った点である。
接点があったかどうかわからないが同じ時代を生きたマザー・テレサも同じことを言っている。
<注目した箇所>
■ドラッカーが中年の将校の職案内をした時の話。プライドを傷つけることになったとしても、真実を受け入れなければならないことを示している。それが長い信頼関係につながる。p43
■少なくとも私にとって正しい学び方とはうまくいっているものを探し、成果を上げる人を探すことだということを知った。成功から学ばなければならないと思った。p71
■教えることは一種の才能である。技能や習慣によって得るものではなく、生まれつきの個性である。;p76
■ソクラテスは教えることのできるのは学ぶことについてであり、何かを学ぶのは生徒であるとして。p79
■公の世界では、芸術や研究活動と異なり、今年手の成果だけでは不足である。継続性が必要である。すると大物の後には大物が必要ということになる。ところが通常大物の後には空白が生じる。p176
■最大の悪は無関心。p200
■最も優れたビジネスマンは最も個別的、最も具体的なことから出発して一般化に達する。p238
■私のマネジメントと産業秩序についての仕事の中では職場コミュニティと責任ある従業員という考えが最も独特でありかつ最も重要だったと思う。p325