あらすじ
「──小説を書くときに私が書き忘れてしまったことを、上野監督やスタッフの皆さんがきちんと見落とさずに拾ってくれた──そんな印
象を持っています」(本文より引用)
2024年7月に放送を開始し、大好評の内に放送を終えたTVアニメ『義妹生活』。
その各話放送後に、Xで綴られた原作者・三河ごーすとの熱い想い。
それらのテキストを改稿したものと、読売栞の過去を彼女の視点で描いた書き下ろしの外伝小説──「グッド・バイ」を収録。
作品の奥深い魅力を増幅するための、ファン必携の一冊が登場!【電子限定!書き下ろし特典つき】
三河ごーすと×Hiten、人気作家&絵師タッグによる新感覚同居ラブコメ!
親の再婚により義理の兄妹となる読書趣味の陰キャ男子・浅村悠太と派手な見た目のギャル・綾瀬沙季。
フラットで常識的な距離感を保って同居生活を営む彼らだが、次第にお互いのことを知り、いつしか特別な感情を抱くようになる。
これは家族愛としての感情なのか、それとも恋愛感情なのか…。
家族なんだから好きになってはいけないし、なるはずがない。でもこのもやもやした気持ちは…。
基本的に悠太の視点から物語が進行するが、時折沙季の視点からも描かれ明かされるその心情は、読者をこれでもかという程もどかしい気持ちにさせる。
設定としてはありがちだが、この作品の特徴はラノベ的妹像やお約束の展開といったテンプレを排している点であり、いわゆる「妹」ラノベではないという点。
絶妙に現実味があり、何気ない日常を丁寧に描いた著者の意欲作。一読の価値アリ。
感情タグBEST3
アニメ版に対する原作者の長文の所見&解説、アニメを一話ずつ見直しながら読んでいくと、新たな気付きのある一冊でした。
そして読売栞さんメインの短編小説、悠太も沙季も知らない読売先輩の人生観、続刊の義妹生活で語られる事は無いと思いつつも、物語の深みを想う事が出来る内容でした。
Posted by ブクログ
作者のアニメ各話解説は細かい所まで語り尽くす親切設計。「だからあそこはああなのか」と納得。もう一度アニメ版を観返したくなった。
書店の先輩こと読売栞に焦点を当てた外伝の短編がとてもいい。どこかで読んだ文学作品を読んでいるようなノスタルジーに溢れている。悲しいのにどこか暖かい。船出、旅立ち、出会いと別れが交錯する春の日のような雰囲気がある。彼女が男をフる時の言葉が的を一発で射抜いていて思わず笑ってしまった。