囲碁の盤面が織りなすは、白黒つける勝負の世界。
その棋士ひとりひとりには、数多の色に彩られた人生が見えてくる――。
主人公・進藤ヒカルは、囲碁などとは縁遠い活発な小学生。しかし、平安時代の天才棋士・藤原佐為(ふじわらのさい)の霊と出会い、囲碁の世界に身を投じることに。
同じ小学生にしてプロ級の腕前を持つ少年・塔矢アキラや、その父にして名人段位を持つ塔矢行洋(とうやこうよう)。
彼らを始め、数多の棋士達との邂逅を経て、ヒカルはその人生を大きく変えながら成長していく――。
20年ほど前に若者の間で“囲碁ブーム”というものが起きたのをご存じでしょうか?
その火付け役となったのが、この『ヒカルの碁』。
対局シーンでの鬼気迫る表情や額に浮かべる汗、互いの戦略を探り合う思考のせめぎ合いなどを見ていると、思わずこちらも力がこもってしまいます。心理描写を繊細に描くタッチはさすが小畑健氏、囲碁のルールを知らなくても全然違和感なく惹き込まれる…。
中でもメインとなるのが、ヒカルとアキラ、そして佐為の物語です。
子供だった彼らが大人に近づくにつれて、内面や顔つきの変化していく様がとても丁寧に描かれています。あんなに丸顔だったのにこんなにシュッとした凛々しいお顔に…そんなところも少年好きの女性にはグッとくるポイントかも。二人の少年の出会いが囲碁界を変えていく大きな渦となり、生涯のライバルになるまでの長い道のりが本作の軸となっています。
そして、ヒカルの成長を見守る佐為の存在は、彼の良き友人であり、師匠であり、親であるような温かさを感じます。そんな二人の重要な転機となるエピソードがあるのですが…これが涙なくして語れない…。
彼らに限らず、濃密な時間を過ごしたキャラクター同士の関係性があるからこそ生まれる“人間ドラマ”が、本作最大の魅力です!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2009年11月05日
数人の登場人物の番外編が収録されている。その中の一人は藤原佐為。
…と書いてあるのを見た時の私の心が想像できるだろうか。消えてしまったあの人の、新しいエピソードが見られるなんて、って心が躍った。
なのにそれがかつてジャンプフェスタで放映され、のちにジャンプの全員サービスで手に入ったビデオ映像...続きを読むと同じ内容の漫画化版だったことを知った時は…切なかったです、よ…。当然応募して、ビデオ持ってましたから…。
でも、原作の絵で見る佐為はやっぱり格別でしたが。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
今まで漫画に取り上げられなかった分野というだけでも画期的だけれども、碁のルールが分からない読者をも魅了するその構成がさらに凄い(碁がまったく一般的ではないタイでも、タイ語のヒカ碁は大人気です)。ちなみに僕が一番好きなシーンは、「くらいついて来るしかねェな」という森下九段の言葉に、ヒカルがぐっと扇子を...続きを読む握り締める部分(20巻)。
小畑健の画の一番の力は「眩しさ」の表現の仕方だと思いつつ、実はヒカルたちの成長こそが眩しいです。そうそう、数年前にとあるきっかけでお会いした監修の梅沢由香里さんは、絵に描いたような素敵な女性でした〜。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
キャラ読切シリーズ6本を一挙に収録した番外編登場。塔矢アキラ・加賀鉄男・奈瀬明日美・三谷祐輝・倉田厚・藤原佐為という、本編を盛り立てる6人の魅力が一段と輝くストーリー満載。お馴染みのキャラの、意外な一面も!?
Posted by ブクログ 2017年03月18日
1冊まるごと番外編の短編集。
久しぶりに和んだ。
佐為が楽しそうにしてる~!
倉田さんの話、囲碁部ふりだしの話が好きだったな。
三谷はあの後こらしめられたのかな?
どの話もその先を想像してしまうような終わり方で好きだなぁ。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
キャラ読切シリーズ6本を一挙に収録した番外編登場。塔矢アキラ・加賀鉄男・奈瀬明日美・三谷祐輝・倉田厚・藤原佐為という、本編を盛り立てる6人の魅力が一段と輝くストーリー満載。お馴染みのキャラの、意外な一面も!?
Posted by ブクログ 2013年04月21日
各キャラ主人公の6話から成る番外編。
アキラや三谷の話は、その前の話が描かれていて、これ読んでから該当巻読むともっと楽しめそう。
三谷と佐為の話が好きです。
修さんは三谷を孫みたいに思ってるんだなと本作からも3巻からも感じた。
だからこそ、ダケさんを呼ばなければいけなくなった修さんの気持ちを考える...続きを読むと切なくなった
佐為の話はコミカルな感じで、ヒカ碁っぽくて面白い。