あらすじ
斬新な発想に視界がクリアになる
人気作家の書下ろしエッセィ。
思いついたことを話すと、「それ、書いちゃ駄目だよ」と言われる/
「自分との戦い」って何なの? そういうものが本当にあるわけ?/
ロシアがウクライナに侵攻したときに僕が思ったこと/
世間知らずのままでいたいし、誰かの友達になりたいと思ったことは一度もない/
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
サラっと読めて、新しい知見が得られるのが森エッセイの魅力。
海外ではMacが文系、Winが理系という立ち位置はなるほどと思った。
役所からの手紙の話はよくわかる笑
単語の意味はわかるけど、くっついた時とか、それが何を指すのか、どの条件なのか、自分は当てはまっているのかが全然わからない。
スバル氏のキャラも相変わらずで面白い。イメージが簡単に湧くのが親しみやすいところ。
クリームシリーズは小説以外だと1番好きだからぜひ続いてほしい。
つづく。
Posted by ブクログ
森博嗣氏の年いちのエッセイ集。
コロナ後に何かを感じたのか、少し変化した日本という国、世界を、理系的な独特の視点とシニカルな表現で綴る。
聖火リレーが近所に来たら、見に行ってしまう。これって、いった人に限ってスマホで撮っているので、実際に見たということは何が定義するのだろう。相変わらずの森さん節である。「○がしたいんだけれど、△なのでできない」と言うのは、△が理由になっていて、○が不可能な状況にあること。しかし、実際は理由を排除しても実現しない。お金がないから、時間がないから、と言うのが例だが、実際にはやりたくないからなのである。
日本でコロナが抑制された理由を、日本の個人主義に求めている。他人と関わり合いの多い、パーティー大好き系民族とは違って、核家族だけで過ごすことが多い。褒めて伸ばすと言うのも科学的には否定されている。どちらかというとメリハリこそが大事で、なんでもかんでも褒めまくる必要はない。愛情こそが大事だし、それを感じることはできるんだ。
全体にわたって、新しい価値観を感じているのは、日本人、日本という国が特殊であると言うことだ。他のコラムでも言われているが、孤独であること、孤独に強いことが挙げられている。また、アメリカ、ヨーロッパでは普通のことが普通ではない。アレルギーがあるので食べないのはチョイスであって、頑張って食べるとか、我慢して食べるという類のものではない。住民票、マイナンバ、いるのか?ということを考えていないので、まず作る、作った。あとはどう使うか、は別の人だろう。免許証、時々ソーシャルセキュリティナンバーでなんでもできる、アメリカの凄さ。一度も使ったことがないマイナンバ、システム代金を大量に払ったこと以外に、効果がなかったとしたら、悲しいなと思った。一方で、マイナンバー制度を導入することで、アイデンティティとなる1つのIDが決まる。税金、社会保障、安全保障の観点では意義ありと見るが、使い方次第か。
なぜ小説家、物書きになったのか、と言うのが垣間見えて面白い。科学者は、3度の飯よりも理が好きだ、真理を追求したり、なんで?を追求することで、将来それが何かの役に立つ、世界の中で一番最初に到達できるかもしれない、そのロマンが科学だとある方が本気で言っていた。きっと、そういうものが無かったことに、気がついたのかもしれないし、小説という世界で探究していく新しい文体がそうさせたのかもしれない。英語と日本語の違いからエッセイを組み立てるものも多い。I am sorryとお気の毒とか、Just Before、寸前、直前、間際。NYだと、reach outが本当に印象的だったが、ワールドカップ時期に、footballとsoccer という言い回しの違いを、chipsとcrispsの違いをベッカムとアメフト選手が言い合うLaysのCMは秀逸だった。言語は、非常に面白い。まだまだ、英語が真の意味まで理解できるところまで行っていないのだけど、コミュニケーションしながら学ぶことが非常に多い。直接的な表現ではない日本語の話が分かりにくいという森さんのショートもそうだなと本当に思うけれど、英語の表現も決して単純ではないことがわかった。
ストレスに感じることとして、「逆に言えば」と言いつつ、逆のことを言っていないというのがあった。これはそうだよね、と思う。私自身は、「変な話、、、」というのが本当に気になる。「変な話、部長に相談しながらやった方がいいと思う」とか、変でもなんでもないので、なんぜ変な話を持ち出しているのか、と思うならから。まあ、そういう意味、というか意味はないんだよねと聞き流すのだけど、言葉を大切にしている人にとっては、絶対音感のように気持ち悪さを感じるのだろう。