【感想・ネタバレ】報復連鎖 警視庁公安部・青山望のレビュー

あらすじ

大間からマグロとともに築地市場に届いた氷詰めの死体。麻布署警備課長に異動した青山は、同期の築地署刑事課長・龍に協力して情報収集するが、見えてきたのは新宿で凶暴化する「半グレ」元暴走族グループ、チャイナマフィアが絡みつく裏社会の報復……。日本社会の隙を世に問う、インテリジェンス警察小説シリーズ第3弾!

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昔の刑事ドラマで凝り固まった警察像の崩壊!
実際に警視庁公安部で勤務した著者が、最新かつリアルな警察を描きます。主人公の青山望を中心に、ノンキャリアだけど大卒(体育会出身)でキレキレの同期4人が、ヤクザ・政治家・IT長者・半グレ・芸能界・宗教団体が複雑に絡む難事件を、様々なIT技術で解決。ビッグデータの解析力と分析力は圧巻で、地道な職務質問(もちろん重要だと本書に書いてあります)やパンを食べながらの張り込みといった旧来のものとは全く異なる捜査方法に感動。
1巻は日韓利権、2巻は病院経営と選挙違反、3巻は半グレと中国マフィア、4巻は原発とカジノ、5巻は仮想通貨ビットコイン…まるでニュースを見ているかのようなリアルタイム感。一般教養書としても使えます。次巻のテーマは何でしょうか?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

日本はスパイ天国だとよく言われる。
日本における最高刑は言うまでもなく死刑だ。
けれども刑法における条文のほとんどには「死刑又は〇〇に処する」か、「死刑若しくは〇〇に処する」と明記されている。
「外患誘致罪」のみが「死刑に処する」と言い切った表現になっている。
では「外患誘致罪」とは何か。
外国と通牒して日本国に対して武力を行使させた者に対する処罪である。
他国の人間が日本においてスパイ活動を行うのとは根本的に違う。
似た例は過去にもある。
戦時中に現在の中国において中国人李香蘭として活動していた山口淑子さんは、漢奸容疑で捕らえられたが日本人であることが証明され国外追放処分となった。
同時期に日本人川島芳子として活動していた愛新覺羅顯しは、戦後に漢奸として逮捕され銃殺刑となった。
いずれの国も祖国に害を及ぼす人間に対しては厳しい態度をとるということだろう。
ニュースなどで国益を損なうような行為…キャッチオール規制に抵触するものを輸出した企業がたまに話題になることがある。
利益優先の企業が実際に存在するということになる。

物語は冷凍マグロとともに男の遺体が築地に運ばれたことから始まる。
登場するグループの描写に、「あれ?これってこの間までテレビで騒がれていたグループのことじゃ…?」と連想したくなる場面も多かった。
日本の犯罪は年々凶悪化しているような気がする。
短絡的に命を簡単に奪っていく。
何の抵抗も感じることなく他人を傷つける人たちが増えているのだろうか。
ほんの一部の人たちだけなのだと、特異な存在なのだと思いたい。
中国マフィアが登場し、さまざまな中国に対するエピソードが語られる。
社会情勢、経済構造など興味深かった。
とても近いはずなのに、とても遠い国。誰かがそんな表現をしていたことを思い出す。
著作権が守られることもないし黄色いガンダムには心底笑ってしまった…不思議な国といった印象だ。
事件は一応の結着をみる。
しかし真の解明には至らない。
次作「機密漏洩」ですべてが明かされるのだろう。
すっきりとしないまま本を閉じた。

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2017年03月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『半グレ』『中国マフィア』と今時の裏社会が一目で分かるキーワードが沢山。リアルで一気読み。シリーズ第3弾。

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2013年03月30日

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