あらすじ
マチの死により順番が繰り上がり、次の操縦者となったウシロは、静かに戦闘の時を待つ。コエムシとの会話で自分と世界とのつながりを確認し、家へ戻ると、そこには父の姿が。これまで言えなかったことを語り合おうとする父子だったが、最後の言葉を聞き遂げる前に転送が始まってしまい…
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最後は最後で
ありだと思った。
マチがウシロに告白した後、帽子被ったチビに撃たれるのはマジかって思ったけどね。
最後の方にあった6p分くらい使ったみんなの絵はとても良かった。
賛否は別れると思うけど良作だと思う。
エンディング
アニメの方を先に見ていたので、原作の展開には驚いたが、原作のこの救いのなさの方が好きだった。救われない話ではあるが何故か読後に爽やかさがある。よく鬱漫画・鬱アニメなどと言われるが、鬱より切ないものだと思う。
Posted by ブクログ
最終巻。
最後のパイロットとなったウシロ。戦闘に勝利したかと思えたが、コックピットを開けてしまったがために、最後に重い決断を迫られる。
最後まで残酷な展開だった…。
たくさん、たくさんの人が死に、戦いはすっきりと終了したとは言い難い。
それでも、読後感はどこかすがすがしい。
結局ゲームは次元を変えて続いてゆき、何の意志によるゲームなのかは最後まで明らかにならない。
コエムシは言う。
「ただの自然現象だよ」
…たしかに、極端に残酷な例であるだけで、似たような現象は今のこの地球上でも絶え間なく続いているのかもしれない。
誰かの存在を生命を犠牲にしてほかの誰かが生きながらえていく、そしてその誰かも順番がまわってくればほかの誰かの犠牲となって死ぬときが来るかもしれない。それは確かにごく自然な摂理だ。
ごく個人的な世界と、宇宙規模での世界と、そのどちらにおいても命はとらえられている。ごく個人的な世界も、それだけで完結するものではなく、周りの人たち、一般社会、国、組織、世界と少しずつつながっている。
個人と、世界と、どちらが大事か、なんてわからない。
けれど私たちは世界の命の連鎖の中に存在し、それでも自分の目に見えるもの、手の届くものをただ大切に握りしめて生きていくしかないのだ。
そういうことを、静かに実感させられる物語だったと思う。
Posted by ブクログ
巨大な人型兵器「ジアース」に乗って、地球の存亡を賭けて敵と戦う。
戦闘に勝っても負けても、引き換えにパイロット1人の命が失われる。
過酷な運命を背負わされた15人の少年少女たちの物語もいよいよ最終巻。
小・中学生にとんでもないものを背負わせてます。
個人的には、幼稚な選民思想を振りかざす者の存在や性と暴力の描写でムナクソ悪くなる前半より、敵の正体がわかる5巻以降が、俄然話に深みが増すので好きです。
自分の死を前に、もうすぐ産まれる弟を思う阿野万記。
義理の兄に寂しさを感じさせないためにあえて虐待を受ける宇白可奈。
田中一尉、関さんの軍人魂を全うした死に様も立派でした。
最後のパイロット・宇白順の痛すぎる選択・・・・・・!!!
「あなたは好むと好まざるとにかかわらず、もうすでに生命の犠牲の上にある。だからそのことに感謝して、その犠牲の上にある自分を有効に使いなさい。」
「だからわたしの死が、悲しい話としてだれかの目にうつるのなら、他の子供の特別じゃない死にも、みんな想像力がはたらくといいなあって」
これはもうぼくにとっての忘れられないマンガのひとつです。
全巻読んでの感想
結局、全巻購入してしまいました。
1巻で書いた、主に絵の違和感は相変わらず。
キャラのデザインは最後はかなり慣れたものの、やはり丁寧な描画と適当っぽい描画が混じっている気がする。
また、戦闘シーンの動きが全くダメなのも相変わらず。
また、作者の趣味で無意味に凝った車や兵器のデザイン等、さらには反米的な思想がうかがえる点等、なんだかなあという思いも感じた。
ただ、これらに関しては、今にして思えば「この物語自体、現実とは少しずれた別の地球」という事なのではないかと思う。
そう考えると、微妙なズレも全てキレイに説明が付く。
主人公たちのキャラ設定、これも中1と言うのはやはり無理があると思った。
中3~高1くらいの設定であれば、いろんな面でつじつまが合うんじゃないだろうか。
で、肝心のストーリーだが、個々の人間描写がすごく深く、特に後半は戦いよりそちらの方がメインテーマとなってきている。
敵を倒す最後の瞬間と、操縦者が亡くなる瞬間の描写が、後半からはほぼなくなっているのもより情緒的。
残酷な現実を前に、様々な受け止め方をし、様々な反応をする子供達。
より残酷な事実が少しづつ明らかになるにつれ、心の葛藤なども含めた描写はかなり深い。
もっとも、中1ならもっと単純に現実逃避をする人の方が多いような気がするけれど。
色々突っ込む点も多いが、独特の世界観で、深層心理まで深堀りしている点は極めて個性的で、評価できる作品だと思う。
ただ、もう少し細部をブラッシュアップすれば、よりすごい作品になるだろうなとも感じたのも事実。