あらすじ
洛陽から長安に遷都した董卓の暴虐は司徒である王允ですら止められず、その残忍さは日ごとに増していた。董卓誅殺を目論む王允は自らの野望を実現するため、董卓直属の中でも別格の精鋭である呂布軍を動かすべく画策し、呂布の妻・瑶に接近する。一方で黒山の賊と対峙する曹操は、その後に控える百万の青州黄巾軍との戦を視野に入れていたが――。命を賭して乱世に身を投じた英傑たちの生き様を描く「北方版・三国志」新装版第二巻。
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Posted by ブクログ
元になっている『三国志演義』がそもそもフィクションなのだから、それにフィクションを重ねてもいいのだろうけれど、あまりにも呂布のありようが、今まで読んできた『三国志』と違いすぎて戸惑う。
多分どんどん呂布を書くことが楽しくなってきちゃったんだろうなあ。
若くも美しくもない妻をひたすら愛し、尽くす、私利私欲とは無縁の呂布。
「徳の将軍」と世間では言われても、何らかの野望または欲を胸の内に深く隠している劉備。
このふたりの対比。
どう読んでも、呂布のほうがいいやつ。
貂蝉(ちょうせん・董卓と呂布が仲たがいするきっかけとなった美女)なんか出て来やしない。
逆に、鮑信の死、あっさりすぎ。
曹操も「そうか」と言っただけで、遺体を探させるなんてことはしない。
鮑信に助けられたとは思っていないから。
関羽も影が薄いかなあ。
劉備の持つ影の部分を具体化する汚れ役を張飛が担い、関羽は了承するだけなので。
これから活躍する場面が与えられるのだろうか?
こう設定にいろいろ変更が加えられると、話の展開が全く読めなくなる。
本来それほど長く出てくるはずのない呂布が、もう結構長いこと中心人物となっている。
全体で13巻なのだから、明らかに出すぎなのだが。