【感想・ネタバレ】探花―隠蔽捜査9―(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

※本作品は、2022年発売の単行本版「探花―隠蔽捜査9―」を文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。

横須賀基地付近で殺人事件が発生。竜崎は米海軍犯罪捜査局からリチャード・キジマ特別捜査官の参加を認め、異例の日米合同捜査が始まった。その一方、同期キャリアで腹の内を見せぬ男、八島圭介が警務部長として県警本部に着任。八島には前任地福岡での黒い噂がつきまとっていた。合同捜査が生む軋轢、殺人事件の波紋。神奈川県警刑事部長・竜崎伸也は、頭脳と決断力で難局を打開してゆく。(解説・宇田川拓也)

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同じキャリア警察官の主人公「竜崎」と、幼馴染「伊丹」の物語。
とにかく「竜崎」のキャラ設定が秀逸!万事の『原理原則』に忠実で、しがらみの多い警察機構の中、ただひたすら『正論』『理屈』を武器に超合理的に全てを進めていく姿が痛快になってくると、あなたは立派な「竜崎」ファンです。堅物過ぎてヤな奴なのは否めませんが、対照キャラの「伊丹」が、それだけじゃないことを読者に説明してくれます。
的確な判断と部下への指示。こんな上司なら一生ついていきたいっす(かなり堅苦しいけど)。
ドラマ出演者が形容したのは「警察版 半沢直樹」。主人公のキャラは全く違えど、組織内の権力争いとスッキリする読後感は確かに似ているかも。1巻ごとの完結ですが、続巻も読みたくなること必至!そして続巻も期待以上です。(書店員・ラーダニーバ)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

横須賀基地付近で殺人事件が発生。竜崎は米海軍犯罪捜査局からリチャード・キジマ特別捜査官の参加を認め、異例の日米合同捜査が始まった。その一方、同期キャリアで腹の内を見せぬ男、八島圭介が警務部長として県警本部に着任。八島には前任地福岡での黒い噂がつきまとっていた。合同捜査が生む軋轢、殺人事件の波紋。神奈川県警刑事部長・竜崎伸也は、頭脳と決断力で難局を打開してゆく。

探花とは科挙の第三位を表す。一位は状元、小説上では八島、二位は榜眼、小説上では伊丹、竜崎が探花にあたる。

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2025年03月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

隠蔽捜査シリーズも短編集あわでて11作目です
クオリティーがまったく落ちないです
神奈川県警2作目で、米軍を絡めてきて、今後も活躍の予感がある登場人物が出てきています
原理原則で動くのは大事ですと、毎度気づかされます

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2024年11月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

再読。舞台を神奈川県警に移してからの2作目。前作の中華街につづき、横須賀米軍基地を絡めた神奈川らしい設定。竜崎さんは変わらず正しさを貫いておりますし、ますますシンパも増えております。まだまだ続いて欲しいですが、このシリーズどうやって終局を迎えるんだろうかと、それも気になります。

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2025年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 『隠蔽捜査』シリーズ長編第9作。前作ですっかり神奈川県警に馴染んだ竜崎だが、また厄介そうな事案である。というより、厄介そうな現場だろうか。殺人事件の発生現場は、横須賀署管内にして、米軍基地の目の前だった。

 目撃証言によると、現場から逃走したのは白人男性だという。つまり、容疑者が米軍関係者である可能性があるのだが、捜査陣の前に日米地位協定が立ちはだかる。竜崎に丸投げしてしまう佐藤本部長。竜崎は協力要請のため米軍基地に出向く。

 現実に日米合同捜査など実現はしないだろうし、政府からの横槍も入るだろう。まあとにかく、米軍側からリチャード・キジマ特別捜査官を受け入れた。おそらく政府にも忖度しないであろう竜崎であるから、あまり突っ込まずに読み進める。

 ちょうど同時期に、竜崎の同期キャリアの八島が、福岡県警から神奈川県警に警務部長として赴任してきた。竜崎は、横須賀署の捜査本部に刑事部長自ら詰めつつ、部下には黒い噂が付き纏う八島の調査を命じる。本件に関りがあるようだが…。

 恒例の竜崎家の問題もあり、毎度毎度の複雑そうな構図なのだが、竜崎が原理原則を貫けば、なぜか解決に向かうという、これまた恒例の展開。とはいえ、事件の構図自体は、明らかになってみればやや拍子抜けであった。

 事件の解決に当たり、県警本部で八島と対峙する竜崎。この曲者からどうやって証言を引き出すのかと思いきや、直球勝負かよっ! この後、別の人物にも直球勝負する龍崎だが、キャリアらしく清濁併せ吞む面も見せるのは、ちょっと驚いた。

 自ら捜査本部に詰める刑事部長も珍しい(普通いない)が、現場の捜査員に素直に謝る刑事部長も珍しい。佐藤本部長は、八島警務部長共々、自身の在任中には便利に使いそうだ。今回もめでたしめでたし。いつも通り楽しく読み終えたのだが。

 日米合同捜査という設定が、あまり活きていないのが正直なところ。リチャード・キジマは、竜崎という人物に興味を持ったようであるが。竜崎の息子のエピソードも、必要不可欠ではなかったような。偉大なるマンネリの悩みと言える。

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2024年11月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

202409/ワンパターンではあるけど毎回手が止まることなく読ませる力は流石。今回のサブタイトルである『探花』のエピソードも良かった。息子の事件は展開もオチも微妙でむしろないほうがよかった。

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2024年11月16日

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