あらすじ
青春を迎え心悩ます子どもたち。
累計180万部突破の、人気シリーズ第13弾
松前藩主の嫡子・良昌からの再三の申し出に、側室になることを決意した不破茜だが、良昌の体調が刻一刻と悪化していく。
一方、才気溢れる絵を描く弟弟子から批判され、自らの才能に悩む伊与太は当代一の絵師、葛飾北斎のもとを訪ねる。
人生の岐路に立つ若者たちに、伊三次とお文はなにを伝えられるのか。
亡き著者の大人気シリーズ、いよいよ佳境!
解説・大矢博子
【目次】
「共に見る夢」
「指のささくれ」
「昨日のまこと、今日のうそ」
「花紺青」
「空蝉」
「汝、言うなかれ」
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えっ!?
作者、亡くなってたんだ!「ぶんこのためのあとがき」を読むのを、楽しみにしていたのに、癌を告白されて、前作から、無くなって、ここで、他の方の後書きで、知らされた。後少し、惜しみながら読もう。
Posted by ブクログ
目次
・共に見る夢
・指のささくれ
・昨日のまこと、今日のうそ
・花紺青
・空蝉
・汝、言うなかれ
収録作を書いていた頃はまだ癌告知をされていなかったそうだけれど、何か感じるものがあったのだろうか、生まれ来る者と死にゆく者の話が心に残る。
龍之進は父となり、ますます地に足の着いた仕事ぶりを見せるが、反対に友之進は、シリーズ当初持ち合わせた癇癪などどこへやら、すっかり孫バカの爺になっている。
しかし友之進の同僚の妻は、まだ40代になったかならぬかのうちに病死する。
人の命などはわからないものなのだ。
茜にしても、決して恋愛感情を持っているわけではないのだが、弱りゆく良昌を励ますために側室になることを受け入れるが、その直後の良昌の死。
茜の屋敷奉公はまだ続くのだろうか。
伊与太は才能あふれる弟弟子とわが身を比べて落ち込むが、北斎に話を聞いてもらって立ち直る。
人と比べるのではなく、客におもねるのではなく、自分が見たいものを自分で描く。
描いて描いて描くことでしか絵は上手くならんということを、すっきりと心に落として、これから精進していくと思う。
九兵衛も所帯を持ち、また伊三次の周辺が少しにぎやかになる。