あらすじ
北町奉行所の町方同心見習い組では、不破龍之進ら若者たちが、江戸で狼藉を働く「本所無頼派」の調べに精を出している。上司の目を盗んでの張り込みで、無頼派と関わりがありそうな辻斬り事件の尻尾を掴んだが…(「本日の生き方」)。一方、伊三次は、無頼派の押し込み事件の証言を船頭から聞き出す(表題作)。伊三次とお文のいまの楽しみは、少々弱気な一粒種、伊与太の成長だ。伊三次と不破からその息子たちに、ゆるやかに代替わりする、人気シリーズの第7弾。
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Posted by ブクログ
話が次世代に移って、伊三次たちも年をとったような気になってしまうのがちょっと寂しい。でも「おれの話を聞け」は胸が熱くなり、鼻の奥がツーンとした。人生捨てたもんじゃないぜ。
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目次
・薄氷(うすらひ)
・惜春鳥
・おれの話を聞け
・のうぜんかずらの花咲けば
・本日の生き方
・雨を見たか
今作は伊三次より、不破友之進の息子・龍之進とその同心見習い仲間の活躍が中心。
数えで15歳の龍之進は、心身ともにまだ成長途中。
多少の禄も与えられるようになったこともあり、仕事に対する真摯な姿勢はいよいよ増し、大人の事情でどうとでもなる犯罪の取り扱いに憤り、伊三次のちょっとしたミスにもこだわり、弱者を救えぬ自分の限界に唇をかむ。
要するに青いのですな。
そして余裕がない。
大人の事情の裏をかくようなしたたかさを、他人のミスを赦し、手下に対して厳しくもあり鷹揚でもあれるよう、これから成長していくのでしょう。
父親よりも懐の大きな人物になりそうで楽しみ。
伊与太のあどけなさが、本当に可愛らしくて和みます。
Posted by ブクログ
収録作『おれの話を聞け』では、あのメロディー? フレーズ? が頭の中をグルグルとしていました(笑)。話は龍之進の同僚の姉が病により嫁ぎ先から実家に戻ってきていたのですが、その夫に早くも新しい嫁を迎える話がでて…、という展開でその時に「おれの話を聞け」と。話が決着してから龍之進が伊三次に「おれの話を聞け」と言ったことがあるかと聞いていたのが微笑ましい。
『のうぜんかずらの花咲けば』表題作『雨を見たか』等、龍之進が成長していっている姿が見られる巻でした。
Posted by ブクログ
見習同心の龍之進たちは、本所無頼派を追い詰めていく。
その成長していく姿がすがすがしいし、
捕り物要素が多くなっているのも楽しい。
ただ、伊三次がたばかれた話が少し悔しい。
Posted by ブクログ
今回は、不破龍之進とその見習い同心仲間の「八丁堀純情派」と、最近江戸を騒がしている「本所無頼派」の対立が軸になっています。緑川平八郎の息子鉈五郎は親譲りの皮肉なやつだけど、勉強というか調べ物が得意な西尾左内が良い味出してますね。龍之進が、伊三次を尊敬してた少年から、伊三次を同心の手下として見るように変わっていくのが、伊三次には寂しかったのね。
ちょっと….….
伊三次というよりは、見習い同心として出仕している不破龍之進を中心とした話だった。登場人物も、段々年を取り、このまま、若者達中心の話に、なっていくのだろうか?それ、ちょっと寂しいような….….
Posted by ブクログ
不破友之進、いなみ、長男龍之進、長女茜。伊三次、お文、伊与太。宇江佐真理「雨を見たか」、髪結い伊三次捕物余話シリーズ№7、2009.8発行、連作6話。シリーズ全体を貫くテーマ: 幸福は平凡な日常の中にある。今回は不破龍之進15歳が中心、伊三次とお文の出番は少なかったw。