あらすじ
矯正施設の地下深く、点在する洞穴に潜む人影。聖都市≪NO.6≫ができるずっと以前から、この地に暮らす人々がいたのだ。立ち竦む紫苑(しおん)の前に現れた謎の男「老」が明かす、≪NO.6≫の酷い過去。そしてネズミが己の出自を語るとき、真実は鋭い刃となって紫苑を苛む。僕らが本物の自由を得るには……「破壊」しかないのか。(講談社文庫)
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
ネズミの過去が明らかになりつつある巻。
紫苑がサソリに「魔である」と言われるけれど、最終的にサソリにも好意的ととれる感情を抱かせる。
紫苑の人たらしぶりは、えげつないほどだな。
読み返しだから感じる紫苑の「魔」と「ひとたらし」の両極端な面。
紫苑はこれからどうなってしまうのだろう。
Posted by ブクログ
No.6の成り立ちに関わっていた「老」。
ネズミの過去が徐々に明かされていく。。。
一方、イヌカシは、紫苑とネズミが生きて戻れる道を作る為、必死の駆け引きを仕掛ける。
月薬って莉莉ちゃんのパパですよね。無事でいられるのかしら(-ω-;)ウーン
そして沙布はいったい、どんな姿に変えられてしまったのか。
No.6の『聖なる祝日』に起こった悪夢。
あぁ、早く続きが読みたい!!!
Posted by ブクログ
ここまで一気に読みました。
全体を通して描写が少ないな、とずっと思っていましたが、少ないがゆえに行間を読む自由さが与えられているような気がします。
ここまで読んでいると、No.6は悪の権化である、という風に単純に思ってしまいがちですが、わたしはそう単純なものではないと思いました。
ネズミが西ブロックの象徴として描かれるのは当然のことながら、紫苑はあくまでNo.6の象徴、として描かれているのが本当に上手いと思います。紫苑は理想主義で夢見がちのお坊ちゃんですが、自分の大切な人のため、といいながらも自分の欲とエゴのため、あっさりと、純粋がゆえに迷いなく、他者の命に手をかけようとしてしまう危うさも持ち合わせています。
No.6もまた、理想を求めて求めすぎて、それを周囲に押し付けているうちにまるで反作用のように裏側にエゴを膨らませ、いつかエゴと理想が逆転し他者を犠牲にすることを厭わなくなってしまった、そんな都市であります。同じではないでしょうか。紫苑もまた、選択を誤るとむしろ以前よりもっとNo.6の本質に近い姿に向かってしまうように思います。紫苑を天使のようだと思うのは、No.6の「綺麗な」部分だけを見てそれを理想だと言ってしまうのと同じような気がしてしまいますね。
しかし、彼の傍らには西ブロックの象徴であるネズミがいます。No.6が目をつぶり排斥してきた、もう一つの現実が紫苑には見えています。お互いがお互いに誤った選択を踏みとどまらせ、正しい道へともに歩いていく。No.6と西ブロックの融和がこの物語のテーマなのでしょうが、紫苑とネズミ、この二人が象徴するものには深くて複雑な、勧善懲悪の二色に留まらない深い色合いが、書かれていない行間に滲み出るようですね。
最終巻が楽しみです。
Posted by ブクログ
この巻で進んだこと、なし。
この巻でわかったこと、ネズミは《NO.6》に焼き滅ぼされた森の人々の生き残りであったということ。
以上。
ネズミが地下深くに隠れ住んでいる人々のもとを出て、現在の生活をしているわけなどはまだ明かされず。
っていうか、今後も明かされないような気がしてきた。
これは少年たちの成長物語であるとともに、サスペンスやパニック小説でもあるはずだったのに、あさのあつこの文体ではテンポよくストーリーは進まないし、多分作者が都市を破壊するという大きな出来事よりも、紫苑とネズミのふたりを書きたくなってしまったのだろう。
栗本薫の「ナリスさま」を彷彿させるな。
『バッテリー』でも思ったけど、彼女の書く少年たち、うだうだ考えすぎ。
今、この状況では、考えるな感じろ、と言いたい。
その感じた描写で、読者がうだうだ考えるからさ。
登場人物たちがあちこちに分散した現在、どこのパートも煽りで終わる。
紫苑とネズミ以外のパートは短いので、情緒面だけ語られて状況はほとんど変わらず、煽りで終わる。
この構造に飽きてきている。
”温暖化による新たな感染症の広がり、予測不能な異常気象、そして国家間、民族間の尽きぬ争いと、核の仕様……。”
2007年に刊行されたことを考えると、この一文の精度がすごい。
それとは逆に《NO.6》の成り立ちを読んで思ったのは、都市についての描写の粗さ。
私は最初、アメリカ合衆国とかユーラシア大陸とかの平面の中で6つの都市国家ができたと想像していたのだけど、今回初めて地球上に人類が住めるエリアが6ヶ所と記載されたのを読んで、それでは人類が生存できる地域の緯度と経度と標高くらいはざっくりわかるように書いてもらいたいと思った。
結局作者の目は人物に向いているのであって、その背景はぼんやりしていてもかまわないということなのだな。
私はどちらかというと、世界の骨格によって人のありようって変わってくると思っているので、この辺がモヤモヤするんですよねえ。
Posted by ブクログ
2019/04/01 再読。
2023/03/14-16 再再読。
・溝鼠を手懐けまくる紫苑。プリンセスか。サソリに対してバッチバチに強気で出る紫苑いいな~。なんというか、紫苑は本当に豪胆だな。いや、言葉通りの豪胆ってわけじゃなく変なとこで胆が据わってるよなと思う。
・イヌカシが月薬に仕事もちかけるとこ好き! ネズミと紫苑にもう一度会いたいとしっかり噛みしめるとこも良い…… これも紫苑が来てこそだったよな、力河は顕著だけどさ……
・この辺、だいぶアニメでカットされてたような気がするんだけどそこそこ記憶ある気もして、どこまではやってたんだか?? サソリは出てなかったような気がする。
・NO.6の過去やネズミの過去が明らかにされて、一気に見える範囲が広がったな~と思う巻。あとやっぱりネズミは紫苑に甘い。ちょうやさしい。
・紫苑に会いたい気持ちと自分の姿を見せたくない沙布の二律背反が切ない。なんか沙布はほんとに……被害者……
・は~~矯正施設の中に入っちゃったよ~。紫苑覚醒編だ(そうなの?)
Posted by ブクログ
今回はNO6が出来るきっかけと変わっていく過程が話され、祝祭からの悲劇が内部でとうとう起こり混乱へと変わるようで。沙布を助けるための一歩がやっと踏み出されたところで終わってしまったので大変続きが気になります。文庫はあと7巻までしか現状出ていないので次を読んだら単行本に走りそうです。紫苑はサソリよりも上の鼠遣いになれそうですね。やはり天然が似合います。
Posted by ブクログ
ネズミって最初から闇の住人ではなかったんだ…^^;
色々判明してってるみたいだけどあんまり理解出来なかった…;
そして時間の流れ的には全然進んでないからもっと早く進んで欲しい…!
Posted by ブクログ
1冊がすぐに読み終わってしまう…orz
この巻ではついにネズミの名付け親、老が登場しました。
No.6の成り立ちとかが少しずつ明かされていきそうです。
あと子どもを押しつけられたイヌカシがほほえましい。笑
やっぱりイヌカシは女の子なんでしょうね。