あらすじ
あきらめてしまうのか? NO.6の治安局員に連行された沙布を救い出すため、矯正施設の内部への潜入に成功した紫苑とネズミだったが、そこには想像を絶することが待ち受けていた。まるで地獄。くじけそうになる紫苑……その一方で、沙布には妖しげな魔の手が刻一刻と伸び始める。彼らの未来はいったい? (講談社文庫)
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Posted by ブクログ
残酷な描写が多くなってきて読むのが少し辛かったです。
しかし、ただ残酷なだけではなく、私たちに対してのいろいろなメッセージが詰まっていると思いました。
Posted by ブクログ
とうとう矯正施設内へ。
計画的に入り込むものと思っていたけれど、わざと捕まって入り込むとは。これもネズミの計画?
沙布はいったい何をされたんだろう?作り替えられた?
ネズミの紫苑でいてほしい。という望み。
これから先、どうなるのか。
Posted by ブクログ
折返しまで来ましたが、全然話が進んだ気がしません。
相変わらずNO.6は謎だらけですし、人の命を大切にしません。
どういう運営をしているのか、全く見えてきません。
おかしいなあ。
紫苑とネズミは着々と計画を実行しているはずなのに。
沙布についても、どういう状況なのかがわかりません。
「沙布は美人」という台詞が何度も拉致した側から発せられますが、そもそも遺伝子的レベルで優劣を判断しているので、頭の良い人、運動神経の良い人と並んで、見た目の良い人だらけなんじゃないかと思っていたのですが。
NO.6という都市、というか組織への作者の精度が粗い気がします。
紫苑の母の火藍(からん)にしても、自分の目で見て耳で聞いたものを判断材料にしているのはいいけれど、危機意識が薄すぎます。
正論を年端のいかない少女に語るのは、NO.6のような管理・監視社会においては、自分にも相手にもリスクが大きすぎます。
なのに、あまりにも正面から正論を吐きすぎる。
もう少し大人になってうまく立ち回らないと、誰のことも救えないような気がして、不安でなりません。
Posted by ブクログ
2019/01/17 再読。
2023/02/10-12。再々読。
・火藍の近くに楊眠いるとハラハラしちゃうんだよな。
・捕らえられた沙布が紫苑との思い出を回想するとこ、す~ごく切ないんだけど、紫苑がほんとに沙布のことを友人としか思ってなくてめちゃくちゃ残酷というか…… 天然というか…… こりゃまたどうしようもない子だなと思う。
・しかもこのあとネズミに「おれにはあんたが必要なんだ」って言われて自分を奮い立たせるとこ、その言葉を「媚薬のような」と表すシーンなんだから本当にどうしようもないわな。なんかのインタビューか何かで紫苑がネズミに対して抱いている感情の話をあさのあつこさんがしてたような気がするんだけどな~…… どこだったっけな……
・あんまりよくない言い方だけど、紫苑はなぜ沙布ではいけなかったんだろうなと考えると、やっぱり沙布がNO.6内の人間だったからかなと思う。NO.6内の森林公園を森と呼ぶことに強い抵抗を示していたこととか、予測がつかない自然現象を好ましく思っていたこととか……
・しかもその前にネズミに「喉を掻き切る前にキスしてやる」って言われてめちゃくちゃ興奮してるし。これはなんなんだ? ネズミのこと、NO.6から連れ出してくれて真実を教えてくれる人、としてだけじゃなくふつうにネズミという人間が好きなんだもんなあ紫苑。
・あとね~。ネズミを殺されそうになって真っ先に絞首に踏み切る紫苑さん。ネズミドン引きしてるじゃん。
・「おれの知っている紫苑は、何が合っても断罪などしない」ってあまりにエゴすぎる。ネズミ、紫苑に紫苑のままでいてほしいと言ったけど、ネズミに危害を与える相手につかみかかる紫苑も紫苑でしかないよと思う。清純なままでいられるわけがないだろ…… あ…… あ…… どうしようもない……
・このあたりからのネズミの紫苑に対する理想と、ネズミと出会って変わっていった現実の紫苑とのギャップに惑わされるやつ、いいよね。紫苑はわりとピンピンしてるのに。
・力河に掴みかかった頃から紫苑のネズミに害を与えるもの絶対許さん精神が育ってきてた気がするけど、明確に変化し始めるのはこの辺なのかな、やっぱり。ネズミが乞うくらいになるまでの変化だもんなあ。まあ、これはネズミが紫苑のことを見る目が再会直後から変わってきているっていうのもあるだろうけど。
・この辺はアニメでざっくりカットされてるからほんとにあんまり覚えてない!たのしみだ。
Posted by ブクログ
人狩りのタイミングで強制施設に連れ去られた、否、侵入に成功した紫苑とネズミ。地獄のような現実と見つめ合うと自分を見失いそうになる。それでも愛する人がそれから目覚めさせてくれる、必ず。イヌカシは紫苑の化身を抱いて、力河は紫苑のために、No.6の崩壊のために動き出す。思っていたよりグロテスク。でも本当に映画を見ているようなシーンに引き込まれていく。
「だから喉を掻き切る前に別れのキスを。」
Posted by ブクログ
捕らえられ、矯正施設に入った二人が地獄から這い上がるたびに、人間ってどんな状況になっても結局生きる意志は消えないんだなぁと思わされます。一瞬もう諦めたいやめちゃいたい投げ出したいと思っても、体は次を生きる為の行動を起こしちゃってたり。今回は話としてはあまり進展はなかったように思えますが、みんなそれぞれの場所で思い思いに考えて、これからの方向を見極めようとしているので今後どうなっていくのか期待と不安でどきどきします。紫苑も変わりつつある自分が見え隠れ。それが元からあったものだとしてもネズミと同じ思いで変わって欲しくないです。
Posted by ブクログ
“「…虫けら同然に潰され、殺され、苦しめられ、なぜ安らかに逝くことなどできる?できるわけが、ないだろう。人狩りに捕まれば、ほとんどの人間が助からない。無残な死を強いられる。だとしたら、死んでいく者は、苦痛や怨みの言葉を撒き散らして息絶えるべきなんだ。せめて本物の思いだけは・・・・・・それが、怨嗟と呪詛だけであろうと、本物の思いだけは奪われちゃならない。安らかな死なんて、紛い物じゃないか。虫けらみたいに扱われて、虐げられて、笑って死んでいくだって?何が救済だ。そんなもの、ごまかしにすぎない。…」”
ネズミのこの言葉は虐げられ苦痛の中死にゆく者にとってあまりにも残酷で厳しい。けれど私達の社会でも、忍耐が美徳という思いが過ぎるあまり、「よく耐えたね」という部分ばかりフォーカスされる→「もう苦しまなくていいよ」とうやむやに終了ということが多々ある気がする。死ぬまでいかないことでも理不尽に虐げられた時、耐えてばかりいないで苦しい辛いと私達はもっと表現すべきだし表現できる雰囲気を作るべきなのだと思う。
Posted by ブクログ
「言葉を免罪符にするな。もっと、尊べ」
恐怖の矯正施設に入った2人。
表現が徐々に生々しくなっていく。
人間の残酷さも、その人間の命の尊さも同時に伝わる巻だった。