あらすじ
リーマンショック後、莫大な資金がタックス・ヘイブンに流入した結果、「1% vs 99%」といわれる貧富の格差が世界中で進み、それは国境を越えて二極化している。グローバリズムの浸潤とともに、経済の軸はモノ作りから金融・情報が激しく行き交う「市場」に移っているにもかかわらず、日本は立ちすくんでいるように見える。しかし、一方で、それが深い闇に包まれていることもまた事実である。金融は世界をどう動かしているのか。マネー興亡の歴史を通観し、現代の深層に迫る。
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Posted by ブクログ
マネーの内幕というタイトルですが、表面的なことよりも歴史の裏側を探るような内容で、主張も強め。興味深い内容でした。
リーマンショック時の格付け機関と投資銀行、貧富格差とタックスヘイブンなどに多くのページを割いており、著者の正義感のようなものを随所に感じました。
Posted by ブクログ
国際通貨の政治的覇権を巡って、世界各国が競っていることがわかる一冊。
通貨の権力を中心に、国際政治経済のテーマを語っている。
イタリアからオランダ、英国、そして米国と中世⇒近代の時代の流れ中で覇権が移り、国際政治において情報とマネーが大事だということを覇権の歴史が物語る。
現代は、米英、そして米日、今は米中の時代。
いろいろな話が駆け巡って横断しているので、頭の中でまとまりにくかったのだが、それでも面白い国際政治経済の冒険書である。
Posted by ブクログ
マネーに限らず日本で世に知られている史実の裏側を知れる本。
テレビなどのニュースで流される内容はあくまでごくごく一部、断片の情報であり、その裏側にはさまざまな人や国の意図が含まれていることを知れる。様々な分野の本を引用しながら話を展開しているので、気になる話題については参考図書を知れて便利だった。
Posted by ブクログ
響に薦められて読む。
マネーの動きを知らずに、歴史も政治も、そして日々の社会生活も考えることができないということを、あらためて思い知らされた。
この本から派生していろんな本や映画にも出会えそうだ。
トマ・ピケティ、スーザン・ストレンジ、松本清張、チャールズ・ファーガソン(映画インサイドジョブ)などなど。
日本の知識人、評論家の情けなさも再認識。もちろん主流学者の体たらくは日本だけではない。
ピケティが、アメリカの経済学者たちが数学的モデルにうつつを抜かして現実から乖離している(コロナで数理モデルにだけ依拠して現実を見失った8割おじさんのように)有り様に失望してフランス本国に帰ったというエピソードは象徴的だ。
久しぶりに充実した読後感を味わった。
響、thanks!