【感想・ネタバレ】新しい国境 新しい地政学のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2022年10月01日

ー 係争の対象となった国境は、不安と痛みに満ちている。国境は、「属する者」と「属さない者」を分けようとする民族主義者のイデオロギーや思想に、基盤と力を与える。 ラジオ放送や新聞のコラム、架空のドラマ、SNSの投稿動画などが、毎日のように、国境の必要性や英知に関する情報と意見を私たちにぶつけてくる。こ...続きを読むれは大衆的な地政学、あるいはポピュリスト的な地政学とさえ言えるだろう。なぜなら公教育や市民教育の枠外で行われているからだ。 国境の物語やテレビ放送はどの民族にも共通のものなので、世界中の視聴者が、たとえばウクライナ人不法移民の越境を阻もうとするポーランドの国境警備隊の苦闘のドラマを見ることができる(2014年製作の『ザ・ボーダー』)。こうした日々の実体験や架空のドラマから見てとれるのは、国境が、ある者に対しては機会を生み出し、別のある者に対しては生死に関わる危険をもたらすという単純な現実である。

けだし、国境紛争の政治的な意味合いは多岐にわたるが、私たちはそれが人間に及ぼす帰結のことを忘れてはなるまい。世界のどこかで国境線が引かれたり、引き直されたりすれば、必ずそれに巻き込まれる人々が出るのだ。 英領インドの分割やパレスチナの例で見てきたように、国境紛争がうち続く中では、人の暮らしが激変し、命が失われることさえある。一方、それらとは別の形で人々が国境管理の強化に巻き込まれ、国境地帯の鮮烈な暮らしが良くも悪くも浮き彫りになるケースもある。 ー

動く国境、水の国境、消える国境、ノーマンズランド、承認されざる国境、宇宙、、、と国境についてさまざまな角度で考察した作品。

2021年に出版されるなんて、何というタイムリーなタイミングだろう。とは言え、国境問題は常に世界中で起きているので、いつでもタイムリーなのかもしれないが…。特にイスラエルの…。

まさにウクライナの4州が論点になっている今だからこそ、読む価値があると思う。

国境が無ければいい、というお花畑な話ではなく、国境の合意形成が如何になされるべきか、という話。そこに議論は踏み込んでいないけれど、それを考えるための作品。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年03月14日

ともかく大きいことはいいことらしい。権益は拡大したいらしい。コストはそれほど見ないことにするらしい。うー。

0

Posted by ブクログ 2022年04月24日

境界線は 人間の発明
「動く国境」 
 山脈 天然の国境
  氷の変化で分水界が動き 国境も動く
  シアチェン氷河 外国人登山家へ登山許可を出し地政学的な仕事をさせる
  氷河からの水に依存する人世界で20億人
 河川
  タルウェグ原則 水路の最深部の中央線
  メコン川上流 中国ダム建設 水力...続きを読む発電と洪水防止 下流の水不足と生物生態系
 海
  海面上昇 気候変動難民

「ノーマンズランド」
 公海
 国連海洋法条約 UNCLOS 海洋の国境線
 国際海底機構 公海の探索ライセンス発行 
  植物プランクトン 酸素の50%を供給
  環境保護・生物多様性 > 国家の排他的主権

 南極
 領有権 英国 オーストラリア
  アルゼンチン、チリ、ノルウェー、フランス、ニュージーランド、
 1959年 南極条約 50か国へ 環境保護(鉱物採掘禁止)、生物資源探査と観光へ

スマートボーダー
 伝統的な標識+データ収集機会としての存在  生体認証と顔認証
 シェンゲン協定 EU内自由に移動  2016年 国境管理再導入

宇宙
 1967年 宇宙条約 100か国以上 宇宙は国家の保有を超えたもの
 1979年 月協定 人類の共同財産 いかなる国家の所有にも帰属しない
 
ウイルスによる国境閉鎖
 コントロールできないもの
 自国の利益の確保に動くにつれ同盟関係に無理が
 Quarantine =検疫,隔離 14世紀のイタリアの40日間の隔離 から由来

「開かれた国境」 ジョゼフ カレエンズ
 国境は自由な移動を否定、出生地の特権の固定化、安全や貧困の軽減の妨げ  

国境紛争4つの類型
  アイデンティティ政治
  宿年の対立と遺恨
  囲い込みと私有化
  収容所としての国境への反動 

0

Posted by ブクログ 2022年04月12日

多様な国境問題がふんだんに取り上げられている。あまりに事例が多いので、メタな概念提示が欲しくなった。

0

「社会・政治」ランキング