あらすじ
「死者の国へようこそ、お嬢さん」
事故で命を落とした就活生のトアは、なぜか見知らぬエレベーターの中で目を覚ます。
混乱するトアの到着を乗降場で待っていたのは、自らを“昇降機守”と名乗る謎の青年・トウカ。
トウカは、トアが“次の世界”へ向かうためにはあることをしなければならないと語り……?
自覚なき死者の生きる国“終端街”へようこそ――。
結月さくらがいざなう、想い絡み合うヒューマン・ファンタジー。
(第1話収録)
事故で命を落としたトアが出会ったのは、昇降機守を自称するトウカ。
死者の乗降場でたくさんの人を見送ったという彼は「自分の背負ってきたものと向き合えなかった者は人ではなくなる」とトアに話すが…。
トアの後悔に寄り添うトウカの言葉に胸を打たれました。
そんなトウカが探し続けている友人はどんな人物なのか、トウカにとってどのような存在だったのか…。
トウカの言葉の節々からその友人への尊敬と執着を感じ、ますます気になってしまいます。
そして、昇降機が"生える"不思議な世界観に思わず惹きこまれました。
死者の国を舞台に、どこか冷たい雰囲気がありながらも、そこで生きる人たちの温かさも描かれており、何度でも読み返したくなる作品です!
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なつかしき日々の、忘れ難き宝物
荒れ狂う河のように流れてゆく過去の残骸、打ち壊されたものたちの中に、
かけがえのない思い出の欠片が浮かんでいる。
どうしようもなく捨てることができなかった記憶は、
「わたし」が「あなた」を思い出す道標となる。
人である以上、全てを持って行くことができないのならば、見送る者が必要だ。
終端街の在り方を知るトウカは、人と共に在る人でもある。
彼は誰もを見捨てるものかと、死者の手を取る。
「あなた」がいたことを忘れまいと言うかのように、
まるで星々の輝く夜に空を迷い見上げるように、
いずれ朝の光に溶けゆく彼らの、最期の輝きを憶えている。
無料の1巻を読みました。なかなか面白かったです。面白い設定ですね。すごく重いテーマなんですけど絵が爽やかなのであまり重さは感じませんでした。トウカさん自身が昔のお友達との件で思う事あって動けない…って事ですよね。トアちゃんはスッキリ忘れて楽しそう。トウカさんのほんのり切ない感じがなかなか良かったです。