小林登志子のレビュー一覧

  • シュメル―人類最古の文明

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    最古の文明にしてその後の人類史の縮図となっているシュメル文明。シュメールではなくシュメルなのは、天皇=「すめらみこと」がシュメルのみこと、だとか、高天原はバビロニアにあったといった俗説が戦時中に横行し、学者がわざと音引きを入れたためらしく、アッカド語の原音にも正しくはシュメルだからとのこと。
    シュメル文明はティグリス・ユーフラテスの賜物だが、当時から鉱物どころか石も木材もなく、泥と灌漑農業ばかりの世界。不毛だからこそ農業が必須で、家畜も取り入れた高度な文明だった。泥は無限にあるため粘土板はいくらでもあり、パピルスや羊皮紙と違って戦火で焼けても保存されるため、大量に記録が残っている点が興味深い。

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    2025年08月18日
  • シュメル人

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    時は今から5000年前、場所はメソポタミア。ここにこんなにも豊かな都市国家があるなんて、この本を読むまで知らなかった。
    麦が豊かに実る大地で家族もあり、文字の読み書きもしていた。知的、精神的レベルは現代人と何ら変わらないだろう。
    もちろん今の時代と比較すると不便だとは思う。が、そこには楽園を思わせる雰囲気がある。気候もさぞ暮らしに適していたのではなかろうか。
    これが、1000年前ではなく、5000年前なんだ。
    因みに日本でざっくり1000年前というと、源氏物語の時代。5000年前と言うと…
    5000年前のメソポタミアの地は人類のパラダイスというと言い過ぎかもしれないが、憧れてしまう。
    わずかな

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    2025年07月23日
  • 古代オリエント全史 エジプト、メソポタミアからペルシアまで4000年の興亡

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    久々に古代史、しかもオリエント!を手にとって読んでみました。
    まず読みやすかったです。そして時間も地域も幅広く網羅しております。オリエントの入門書によろしいのでは。
    メソポタミアからはじまり、シリア、アナトリア、エジプト、ペルシアと古代のロマンに浸れます。しかも、教科書できいたことのある名前や出来事もチラホラと……。学生時代の記憶力がためされます。
     
    この本の数千年の流れを読み終えたあと、ふとここ最近(特に産業革命以降)の近現代の急激な変化に恐ろしくもなりました…。

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    2025年05月23日
  • 古代メソポタミア全史 シュメル、バビロニアからサーサーン朝ペルシアまで

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    メソポタミアがどこなのかボンヤリしてたのがだいぶ分かったような気がする。金や銅や鉄などの産地や宗教の発達も興味深い。

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    2025年05月10日
  • アッシリア全史 都市国家から世界帝国までの1400年

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    2025.04.24
    アッシリアという普通の日本人には馴染みのない地域の歴史を大まかに把握できる一冊。最新の知見を反映していることが良い。

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    2025年04月24日
  • アッシリア全史 都市国家から世界帝国までの1400年

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    紀元前2000年に誕生した小さな国が、やがてティグリスからナイルまで支配する大帝国になり、前609年に静かに瓦解する。
    約1400栄えた国の中心はメソポタミア。
    どうもこのあたりの歴史に心惹かれる。不思議な魅力に溢れている。

    それにしても、いつも思う。小林登志子先生の著書はどれもとても面白い。

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    2025年03月30日
  • シュメル―人類最古の文明

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    文明歴史の最初の主役、シュメル。
    彼らの生活が鮮やかに甦っていた。シュメルといえば、メソポタミア文明の創立者であり、ウルク、ウルの都市文明で栄華を極めていた知識はあった。アニメでもギルガメッシュやイシュタルが取り上げられたりしている。
    ウルク、ウルだけが、この文明の主役ではなく、ラガシュ、ニップル、ウンマ等、多くの都市が王を中心に攻防を続けていた。シュメルは言語民族としては不明だが、サルゴンのセム語族アッカドとは関係が良好で、グティ人にアッカドが滅ぼされた後、ウル第三王朝をたてている。その後、エラムの進行でシュメルとしては歴史から消えていくが、この本は古バビロニア、新アッシリアまで網羅している

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    2024年09月28日
  • 古代オリエントの神々 文明の興亡と宗教の起源

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    筆者の専門であるメソポタミアからギリシア、エジプト、まで古代オリエントの幅広い部分で神々の習合の流れや歴史を、日本の神々も参考に出しながら説明されていてとても分かりやすかった。
    古代オリエントを見渡せる良書。

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    2023年10月06日
  • 古代メソポタミア全史 シュメル、バビロニアからサーサーン朝ペルシアまで

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    小林登志子氏による、古代メソポタミアの歴史解説。冒頭、高校生や一般向け、と述べているが、中々どうして細かいところまで触れている(と思う)。同じ筆者の古代オリエント全史と重複するところが多いが、メソポタミア(正しくはバビロニアとアッシリア、今のアラビア半島北部)を舞台に勃興した各文明と民族を紹介している。ローマ帝国の支配以降、土地に根付いた文化/民族はなくなり、イスラムの支配下へと食い込まれていくが、諸行無常の感がある。
     読み物としては、氏が知っていることを一生懸命伝えようとしているのが伝わってくるが、伝えよう感が強すぎるきらいもある。しかし、逆に、着飾らずに知っていること、今わかっていること

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    2023年10月05日
  • 古代オリエント全史 エジプト、メソポタミアからペルシアまで4000年の興亡

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    現在、シュメール文化研究の第一人者(と言っていいと思う)、小林登志子氏による、古代オリエントの歴史解説。歴史を丹念に追っている一方、語り口が読みやすく、また最新の研究の観点から、様々な学説に対しての解説も十分揃っており、入門編としては十分だと思う。
     氏も書かれているが、我々日本人がオリエントについて知っているのは、大半がエジプトとギリシャの歴史書に基づくものである。四大文明発祥の地なのに、斯くも知識が浅い。
     ペルシア戦争など、ヘロドトスの歴史に基づくギリシャ史観によると悪の帝国の侵略となってしまうが、ペルシャ側からすれば辺境の反乱を誘発する外国への懲罰的示威行為となる。事実、ペルシャ帝国に

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    2023年09月22日
  • シュメル―人類最古の文明

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    シュメールの始まりからウル第三王朝までの歴史を書いた本。
    シュメールについての書籍は限られているので貴重です。
    シュメールは地政学的に紛争が尽きない場所なため、現代の戦争や移民問題などのヒントが詰まっています。

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    2023年07月03日
  • 古代オリエント全史 エジプト、メソポタミアからペルシアまで4000年の興亡

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    「(アレクサンドロスの)征服を過大に評価、正当化することで現代に至るまでヨーロッパ勢力のアジア侵攻を正当化する歴史観に、本書は与しない」

    淡々と記述される大枠の「古代オリエント史」でこうした意思を持った言葉に出くわすと、少し胸が熱くなる。

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    2023年06月25日
  • 古代メソポタミア全史 シュメル、バビロニアからサーサーン朝ペルシアまで

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    メソポタミアの文明興亡。

    いかに"紀元前"というくくりが主観的な整理学か、認識できると思います。

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    2023年04月28日
  • 古代オリエント全史 エジプト、メソポタミアからペルシアまで4000年の興亡

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    古代オリエントの全体像が把握できる。しかし、土地勘がないと出てくる土地名がピンとこないので、地図と首ったけにならざるを得ない。
    それにしても、4000年史と言っても紀元前にくくられてしまう歴史の壮大さにはクラクラしてしまう。

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    2022年12月29日
  • 古代メソポタミア全史 シュメル、バビロニアからサーサーン朝ペルシアまで

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    はじめに、に記載されている内容が興味深い。

    古代メソポタミア史から得られることは何か、と問われ
    日本は日本人の人口減少に伴い外国人の数が増えている。将来、旧日本人と新日本人(外国人)と呼ばれるようになるかもしれない。そのような国の移り変わりはメソポタミア史ですでに何度も起きている。そこから学べることがある、
    とのこと。

    実際、
    日本の統治の形は変わらざるを得ないだろう。その運営方法は古代の知恵を借りることができるかもしれない。

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    2022年11月07日
  • シュメル神話の世界 粘土板に刻まれた最古のロマン

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    ネタバレ

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    ティグリス.ユーフラテス流域に栄えた最古の都市文明シュメル。粘土板に刻まれた楔形文字群が伝える神話の数々、ギルガメシュ叙事詩や大洪水伝説など‥。旧約聖書やギリシア神話に連なる祖型としての神々が詳述される。

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    2022年10月20日
  • 古代オリエントの神々 文明の興亡と宗教の起源

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    相関図を別に書き出さないと記憶に残らないほど多くのオリエントの神々がでてくる。
    印象に残ったのは復活するドゥムジ神がイエスの話に影響を与えたこと。復活するドゥムジを嫌った旧約聖書とは違い、戦争で夫や息子を亡くした多くの女性が信じたキリストの新約聖書に生き返りを綴ったことは普及に意味を残したのでは。
    さらにウトゥ神などの太陽神、ナンナなどの月神、エレシュギガルやギルガメッシュなどの冥界神。これは日本のアマテラス、スサノウ、ツキヨミの三柱に似てないか。一説には彫りの深い縄文人はメソポタミアから流れ着いたと。彼らがオリエントの神々を日本に当てはめたのかもしれない。
    世界中の神々は相互に影響しあって変

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    2022年01月18日
  • 文明の誕生 メソポタミア、ローマ、そして日本へ

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    各章の繋がりは薄く独立していて、読みやすい古代メソポタミア雑学本のよう。後、とにかく著者の競馬愛は伝わった。

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    2021年12月09日
  • 古代メソポタミア全史 シュメル、バビロニアからサーサーン朝ペルシアまで

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    紀元前五千年から都市文明はすでに始まっていて、この時に出来た社会制度が現在の社会に繋がっていく。壮大な歴史。

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    2021年08月19日
  • シュメル神話の世界 粘土板に刻まれた最古のロマン

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    今もなお有名なものとして「ギルガメッシュ叙事詩」や「大洪水伝説」があるが,シュメル神話は他にもたくさんあり,この時代から既にここまでの物語の豊穣を成していたとなると驚きである。
    本書はシュメル神話の研究と解説の本であり,ギルガメッシュ叙事詩のみならず幅広くシュメルを知りたい人にちょうどいい。

    主な神話:
    「エンキ神とニンマフ女神」ー創造神話
    「大洪水伝説」
    「エンキ神とニンフルサグ女神」ー楽園神話
    「イナンナ女神とエンキ神」ーメの争奪
    「エンリル神とニンリル女神」ー豊穣儀礼
    「イナンナ女神の冥界下り」
    「エンメルカルとアラッタの君主」
    「ルガルバンダ叙事詩」
    「ギルガメッシュ叙事詩」ー古代オ

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    2021年01月24日