小林登志子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
メソポタミア周辺の歴史をざっくりと知れておもしろかったです。
地図や簡易年表もあり、ちょっと間があいてしまってから続きを読んでも問題なく読めました。
私は、メソポタミア史は高校時代に世界史でちょこっとやっただけで止まっていました。
なんとなく、メソポタミアあたりの歴史って複雑な印象だったので、あえて深掘りしてみようという気はなかったのですが、少し前にユダヤ教に興味を持ったことがきっかけで読んでみました。
あーこんな王朝名あったなーと思いつつ高校生時代を思い出しながら読み進めました。
ただ、やっぱりこのへんの歴史は複雑ですね。
かなりわかりやすくまとめられていると思います。
しかし、どうしてもあっちいったりこっちいったりしてしまう部分があるので(パルティアとか)、今度は各王朝ごとに特化してある本を見つけて読んでみたいなと思います。(アケメネス朝とかはあるのかな?)
エラム王国なんかは全然知らないので興味ありますね。
あとは、「ギルガメッシュ叙事詩」などもわかりやすい本あれば一度読みたいですね。
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Posted by ブクログ
シュメル神話についての予備知識はまったくないが
おとぎ話の詰め合わせとしてまずは読ませてもらえる。
ギルガメシュと言えばビッグブリッジの死闘か
怪しげな深夜番組かと思っていましたが、ここで出てくる
英雄の名前だったのですね。
半神半人の英雄は神話の世界ではありふれていて
王権の正統性の源泉をこうしたところに
持たせることができるので、ギルガメシュもそうした英雄の一人のようです。
ギルガメシュの冒険の話も面白いのですが、
個人的にはイナンナが戦いと愛と豊作の女神とされつつも、都市に着く神である
というのが一番のふむふむポイントですね。
というのも神は理念や現象に結びつくことが多いのですが、
それは不変であり普遍であるからです。
神が滅びてしまうかもしれない都市につく、その帰結としての物語も
ちゃんと用意されています。
都市が破壊されて異民族に占領されて嘆くイナンナに
「神々が合意して決めたのだから、その国を捨てなさい」と諭すのです。
そして、また別の王権の都市として復興するだろうと。
ここには政治とは別にそこに暮らす営み自体は
なくならないという諸行無常な都市住民の信仰心が見えるようです。
他にも黄泉の世界への冒険などお約束な物語も含めて
色々詰め合わせで、お得感のある本に仕上がってます。
(しかし、これもまたバチっとした理論はないのよね。
ケレーニイあたりとか読まなかんかね) -
Posted by ブクログ
古代オリエント史に起源を訊ねる、トリビア的な社会史。
「都市」「職業」「時(暦)」「交通網」「金属」「法」「為政者の身代わり」「女性」「まじない」「馬」・・・
といった、その後の現代も含むその後の文明にとって必須となった様々な文明の利器の起源を、古代オリエントに辿っていく本。
一章一テーマで完結していて、トリビア的に読み進められる。
著者は古代オリエント史について著作の多い専門家だが、本書の面白いところは、上記のような文物が古代オリエントでどのように登場し人々に扱われていたかを解説するだけでなく、それがその後、古代ギリシアやローマ、中国や日本では、いつ頃どのように受容されていったかについても折々に触れている点である。
オリエント史が専門とは思うものの、実に博識でその視野の広さに驚かされる。
この人の文章は淡々としていて、眠くもなる時もあるものの、時々「おっ」と思わせる面白い発見がある。
ただ、元々「シュメル――古代都市国家の成立と展開」と題打った講義を元にして書かれた本だということであるので、本書の帯に謳われている「われわれはどこから来て、どこへ行くのか」という深遠な問いについては本文内では殆ど触れられていないのが残念。
売るために無理に設定したテーマという観が否めない。
よって、個々のエピソードには興味深いものがあるものの、一貫して何かテーマ性をもって論が展開されているわけではない、トリビア的な書物というのが印象だった。 -
Posted by ブクログ
古代メソポタミアでは、複数の民族が入れ替わり立ち替わり文明を築いた。中でもシュメルは、最初期に栄華を誇った文明である。人類史上において「文字」の発明はたった一度の出来事ではないが、シュメル人が粘土板に記した楔形文字は、現時点では確実な最古の文字体系である。車輪やろくろ、その他文明の発展に大きく寄与したとされる技術のいくつかは、彼らの功であるとされている。本書では、そんなシュメル人の風俗、文学、行政システムなどの広範なテーマが取り上げられている。個人的には、旧約聖書の洪水伝説がシュメルの伝承を出典としていることが驚きであった。ただ、惜しむらくは、広範な内容を取り上げるにしては本の作りに工夫がなく、おまけに、この種の本の常として、われわれ日本人には馴染みのない固有名詞が矢継ぎ早に現れるので、よほど注意深く読み進めない限り、シュメル人の息遣いを感じることはままならないあろう。