竹内真のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ前半は本にまつわるちょっとした謎を解決する、プチ推理モノ。
1章ごとに1つの謎が出てきて、かつ1冊を通して主人公の成長が垣間見えるという構成が袖木麻子さんの「ねじまき片想い (~おもちゃプランナー・宝子の冒険~)」を思い出しました。
後半は登場人物たちがブックトークをしているのですが、そのイベントに参加しているような気持ちになれました。
主人公は高校の図書室で働くことになった”なんちゃって司書”。
学生時代から図書室が好きだった私にとってはある意味「憧れの存在」です。
自分の通っていた高校の「司書さん」(←今となっては学校司書だったのか、司書教諭だったのかわかりませんけど)をふと思い出しました。
図書室の間取りも勝手に母校の図書室のようなところを想像しながら読んでいました。
また作品に出てくる登場人物たちと私との共通点がたくさんあったので、余計に自分が高校生に戻ったかのような感覚になりました。
中でも翻訳家を目指している「楓ちゃん」は、今も英語の勉強を続けている私にとっては「仲間」でもあり、「ライバル」のような存在に感じました。
その彼女がブックトークで話していたことがとても印象に残っています。
「もともと受験勉強のために始めた英文和訳なんですけれど、最近は翻訳自体が楽しいです。極端な話、大学に入れなくたって翻訳を続けてたらいいかなって思う。受験なんてどうでもいい、っていったら言い過ぎだけど、受験って目的じゃなくて手段なんだなって実感できた気がします。大学に入って翻訳の勉強ができたらいいと思うし、そのために勉強も頑張るけど、あたしにとって大切なのは翻訳が好きだってことで、受験勉強はその好きって気持ちに気づくためのものだった気がします。」
高校時代、その好きなことをみつけたいってどれだけ思ったことでしょう。
それがわかればその道を目指して、がんばれるのに!って思っていました。
なのでこんな風に語る「楓ちゃん」をとっても羨ましく思いました。
「私もそうなりたかったのに!!」って。
でも人を羨ましがっていても仕方ありません。
自分もそうなりたいなら、今からでも頑張るしかないのです。
私は「楓ちゃん」のように強い動機をもって英語の勉強をしているわけではありませんが、
彼女の目標を達成しようとする姿勢を見習って、もっと努力しなきゃいけないなという気にさせてくれた作品でした。 -
Posted by ブクログ
素人の学校司書と言いつつ、すごい読書量と豊富な知識を持つ主人公。さらには特殊な能力も効果的に活用して、あっという間に司書としての存在を確立していく。
竹内真さんのサクセスストーリーは元気のない時にパワーがもらえる話が多いので、今回もそれを期待して読んで、それなりに楽しめた。
図書室に来る生徒だけでなく、友人つぐみ、元夫、校長先生、若森先生、永田さんなどとの関係にもう少しふくらみがあるかと期待したけど、本によって成長する高校生が主役ならばこれもありかと納得。
巻末付録として、文中に出てきた作品の解説があったが、残念なことに手に取ったことのある本がほんのわずか…私の読書なんて、本当に一部の一部なんだとわかってはいるつもりだったけど、突き付けられた。
まぁでも、数少ない楽しみで細々続いている趣味の読書なので、こんなことで嫌になったりあきらめたりはしなくていいか…など、何を中途半端に影響受けてるの?と笑われそうな読後感を持った本だった。 -
Posted by ブクログ
じーさんの体力、行動力、生命力ったら、人知を超えています。
あ、腕力も。
破天荒とはまさに、じーさんのためにある言葉。
若かりし頃、銀幕のスターだった婆ちゃんにひとめぼれ(もちろんスクリーン越しに)したじーさんは、撮影所から婆ちゃんをさらってしまう。
ことほどかようにじーさんは、思ったことを、後先考えずに行動し、なしとげてしまうのである。
戦死したはずのじーさんは、お葬式も納骨も終わった後、ぴんぴんして帰ってきた。
40歳以上も年下の新妻と新婚旅行を兼ねてサイパンへ行き、遭難してしまったじーさん。
鯨の群れに襲われ、嵐に巻き込まれ、何カ月も行方不明で…。
もちろんぴんぴんして帰ってくるのであるが、その冒険譚が、ホラ男爵のようでじつに痛快。
語り手の僕の父、つまりじーさんの息子は、じーさんの息子のくせにちゃらんぽらんで性根が座っていない。
ギャンブルや儲け話が好きで、でも、小心者。
会社の車で追突事故を起こした後、そのまま失踪したのだがじーさんに追跡され、散々殴られた挙句「家の敷居はまたがせん」と言われ、各地を転々としながらその日を送っている。
弟はまだ高校生だが、絵が上手で酒豪。
じーさんと父も酒豪。
僕は卒業を控えてもまだ就職先の決まっていない大学生で、家族で唯一の下戸。
僕の個性だけがあまり書かれていないのだけど、大丈夫。
ちゃんと最後に、僕の存在意義も用意されている。
語り手が僕だけに、登場人物はじーさん、婆ちゃん、オヤジ、母、弟と、家族関係で書かれているのだが、じーさんの再婚相手が僕の小学校の時の担任だったため、結婚後も山咲先生のままで、生まれた赤ん坊は叔父さんと書かれる。
ここがまた、おかしい。
眠くてぐずる叔父さん。すやすやと寝息を立てる叔父さん。
山咲先生に抱かれてご機嫌の叔父さん。
いや、ちょっと、おかしいでしょ。間違ってないけども。
鮫を蹴散らし、海賊組織を壊滅させ、アメリカの大統領を殴り倒すじーさん。
そばにいるとはた迷惑な気もするけど、じーさんの行動はいちいち痛快だ。
さくっと読めて面白かった~。 -
Posted by ブクログ
【本の内容】
あの日、僕は、親友の草太、伸男と、自転車で走り始めた。
生まれ育った南房総の風ケ丘から、目指すは大都会・東京。
新世界への旅立ちだ。
喜びや挫折を味わいながら、僕らは夢に向け、ペダルをひたすら漕ぎ続けた。
仲間と、東京から日本海を目指す自転車ラリーを完走した。
もちろん素敵な恋もした。
単行本版『自転車少年記』の構想を元に新たに書き下ろされた、爽快無比の成長小説。
[ 目次 ]
[ POP ]
自転車を軸にした、恋あり、笑いあり、涙ありの青春小説。
爽快感抜群で、面白い。
文体自体も平易で読みやすく、あっと言う間に読み切れ、気楽に楽しめる。
読後感は、人生順風満帆。
18歳旅立ちの日、昇平、草太、伸男の仲良し3人組は、南房総の風ヶ丘から東京西部まで100km以上ある距離を自転車でこぎ出した。
自分自身のちからで、人生と言う、道に踏み出す事の様に。
主人公の昇平の旅立ちから、大人へ、そして親へなる過程を軽快なテンポで描いている。
なかなか楽しい作品なのだが、コンプレックスや挫折が少しある方が人生には味がある等と陳ねた人間からすると、ちょっと御都合主義的な感じがする。
全体的に、登場人物の心理描写の掘り下げ方が物足りないので、余計にそう感じるのかも知れない。
蛇足もいいところだが…解説の書評家のつまらないギャグでガッカリ。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
とある家族のルーツとそれを紐解く鍵となる根付についての物語。
根付:ポケットのない和装の時代によく使われていた、
現代で言う携帯ストラップに近いもの。
ジャズトランペッター、サニー多々良はある日、孫3人を集め、
生きているうちから彼らへ自分の形見分けをすると言い出す。
冷静で堅苦しい父と違い、奔放で遊び心溢れる祖父が大好きな彼らは
差し出されたトランペットケースの中に集められた「根付」の中から
それぞれひとつだけ形見を選ぶことに。
3人が形見を選ぶ際、祖父は「それぞれの根付には物語がある」と言い
彼らにゆくゆくはそれぞれの物語を見つけてほしいと願う。
そして、アメリカへの旅行中に飛行事故で本当に亡くなってしまい…
孫達は10数年かけてそれぞれの根付にまつわる物語を追うのだが、
それが多々良家のルーツを追う事にもなり…といったお話。
根付って初めて知ったなぁ^^;
この目で見てみたいなー。美術展があったらぜひとも行こうっと。
お話自体は、「根付の物語」を追っている間は面白かったけど、
終盤の多々良家が絡んだある事件の話はちょっと微妙。
それなりに根拠はあるものの推測ばかりになってしまっているからなぁ
孫達のそれぞれの生活(恋・青春・仕事)の方にもう少し比重が
置かれていたらもっと面白かっただろうなぁー