【感想・ネタバレ】イン・ザ・ルーツのレビュー

あらすじ

大法螺吹きでラッパ吹きのじーちゃんが遺した精緻なミニチュア。この中に、過去の殺人事件を解く鍵と深い物語が込められているらしいが……。青春小説の名手が描くハートウォーミング家族小説。

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Posted by ブクログ

とある家族のルーツとそれを紐解く鍵となる根付についての物語。
根付:ポケットのない和装の時代によく使われていた、
   現代で言う携帯ストラップに近いもの。

ジャズトランペッター、サニー多々良はある日、孫3人を集め、
生きているうちから彼らへ自分の形見分けをすると言い出す。
冷静で堅苦しい父と違い、奔放で遊び心溢れる祖父が大好きな彼らは
差し出されたトランペットケースの中に集められた「根付」の中から
それぞれひとつだけ形見を選ぶことに。

3人が形見を選ぶ際、祖父は「それぞれの根付には物語がある」と言い
彼らにゆくゆくはそれぞれの物語を見つけてほしいと願う。
そして、アメリカへの旅行中に飛行事故で本当に亡くなってしまい…
孫達は10数年かけてそれぞれの根付にまつわる物語を追うのだが、
それが多々良家のルーツを追う事にもなり…といったお話。


根付って初めて知ったなぁ^^;
この目で見てみたいなー。美術展があったらぜひとも行こうっと。

お話自体は、「根付の物語」を追っている間は面白かったけど、
終盤の多々良家が絡んだある事件の話はちょっと微妙。
それなりに根拠はあるものの推測ばかりになってしまっているからなぁ
孫達のそれぞれの生活(恋・青春・仕事)の方にもう少し比重が
置かれていたらもっと面白かっただろうなぁー

0
2014年04月21日

Posted by ブクログ

戦後をジャズトランペッターとして自由奔放に生きた祖父は、何処か「東京バンドワゴン」の我南人を思わせます。
600ページ近い長い物語は、祖父から3人の孫たちに生前に形見分けされた根付を通じて祖父の祖父の代まで遡り、5代にわたる家族の年代史であり、孫たちの10数年わたる成長記でもあります。

なかなか良い話なのですが、やや冗長感があります。
それは家族以外の人物造形がやや浅いこと、ミステリー仕立てで同じような推理が何度か語られることによるものと思います。
もう少し整理して、孫たちの周辺人物をきっちり造形できれば、もっと良い物語になったとちょっと残念。

0
2016年05月15日

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