的場昭弘のレビュー一覧
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資本主義をきちんと捉え直すにはとても良い本だった。ソ連の崩壊以降、世界中が資本主義に統一され、グローバル化が一気に進んだが、冷戦時代に比べて私たちの生活は苦しくなった。東側の人々が競争に参加したこと、そして無国籍企業が国民国家の利益を超えて跋扈するようになったため、先進国の産業は空洞化し技術移転は進む。
そしてウクライナ戦争のように常に戦争ビジネスを「正義」を語って推進する勢力がいる。もはや政治家の全てが資本家の手先となり、弱者の利益代表は世界中で限りなく消滅している。
確実なことは、資本主義は人類の未来の責任はとらないということである。正義を語った利益のための戦争は続くし、地球環境は破壊し尽くされるのだが、利益の収奪競争をしている人達がリーダーなのだから、利他を優先するのはポーズでしかないのだ。 -
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資本主義の歴史を駆け足で解説。
資本主義が、なぜアジアや中東でなく、ヨーロッパで起きたのか。農民を土地から開放できたこともですが、プロテスタントと資本主義の精神では、働くことを宗教と結びつけることで発展してきた部分もあるのかなと感じました。その後、資本主義が帝国主義と結びつき、2度の戦争を繰り返す。
戦後、アメリカの一強体制やリーマン・ショック、アジアの勃興などを通じて、資本主義の中心地は変遷を続ける。
日本も製造業が強かったバブルの時代もあったかもしれませんが、経済に勢いがある国は、自信に満ち溢れたひとが多い気がします。資本主義が人の豊かになりたいという気持ちを剥き出しにしてきたせいでしょうか。
ウクライナ情勢や、日本のこれからなど行く末は気になることばかりです。 -
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ネタバレ以前神保町で『マルクスだったらこう考える』を読んで、的場さんの存在を知り、興味を持った身として、現在の的場さんの思想を知りたくて読んだ一冊。
池上さんの知識量もさることながら、改めて的場さんの経済学的・哲学的・歴史的知見の幅広さに感銘を受けた。
ここからはネタバレだが、的場さんの思想は、地方分権型社会主義、らしい。詳しくは書いていないが、斎藤さんの脱成長コミュニズムに出てくるアソシエーショニズムやミュニシパリズム、シューマッハーの社会主義と大差は無いのだろうと理解した。
次は是非若手マルクス学者の斎藤さんとの対談本を出して欲しい。 -
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的場昭弘(1952年~)氏は、慶大大学院経済学研究科博士課程修了、東京造形大学助教授、神奈川大学短期大学部教授等を経て、神奈川大学経済学部教授。専門はマルクス研究、社会思想史。マルクス研究関連の著書多数。
本書は、19世紀のヨーロッパに始まった資本主義が、20世紀の社会主義との競争に勝利しながら、21世紀に入った現在、その限界に突き当たっているように見える中で、その歴史をまとめたものである。
私は従前より、世界に広がる格差と、それを生み出す資本主義に問題意識を持っており、水野和夫『資本主義の終焉と歴史の危機』、トマ・ピケティ『21世紀の資本』、ジョセフ・E・スティグリッツ『これから始まる「新しい世界経済」の教科書』、広井良典『ポスト資本主義』、『無と意識の人類史』、斎藤幸平『人新世の「資本論」』、大澤真幸『新世紀のコミュニズムへ』、柿埜真吾『自由と成長の経済学』、中村隆之『はじめての経済思想史』、荒谷大輔『資本主義に出口はあるか』、ブランコ・ミラノヴィッチ『資本主義だけ残った』、セルジュ・ラトゥーシュ『脱成長』等、幅広い分野、様々なスタンスの本を読んできたが、資本主義の200年の歴史を振り返ったものとして、本書を手に取った。
章立ては以下である。
序章:資本主義とは何か
第1章:資本主義という社会がそれまでの社会とどう違うか
第2章:資本主義の始まり――19世紀のヨーロッパ
第3章:産業資本主義から金融資本主義への移行
第4章:戦後の経済発展と冷戦構造――資本主義対社会主義
第5章:資本主義の勝利へ――グローバリゼーションの時代資本主義を読み説く
第6章:暴走する資本主義――ソ連・東欧の崩壊から金融資本主義へ
第7章:資本主義のゆらぎ――リーマンショック後の世界
終章:資本主義の後に来るもの
歴史を追うことに主眼を置いており、メッセージ性は強くないものの、資本主義のプラス面・マイナス面、更に、資本主義の将来、ポスト資本主義について考えるにあたって理解が不可欠な、資本主義を軸にした近現代史を再確認できる一冊である。
(2022年5月了) -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
共産主義は悪魔の思想か?
世界的難問への最終解答か?
今21世紀の視点で問い直す。
[ 目次 ]
序章 共産主義の五つの問題
第1章 共産主義と社会主義とはどう違うのか
第2章 共産主義のルーツはどこにあるのか
第3章 共産主義にはどんなものがあるのか
第4章 共産党とは何か
第5章 共産主義社会を実現するのは誰か
終章 ネオ共産主義論
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
廣松さんの本に比べるとベースになるはずの概念の説明がわかりにくく、そこだけはもういっそとゆうことでさっさか読んでしまった。
ただ資本論にそって解説していく本ってゆうのは初めてで、資本論一巻にどのようなことが書かれているかとか、どうゆう流れなのかとか、そうゆうことを知ることができたのはよかった。
また後半部の社会の実態の分析については、近代社会の底辺がどうだったのかとかを知るうえでも役に立った。
またマルクスが未来をどう見たかとゆうことも書いてあり、やっぱり細かいところはわからんけど大まかなところではおれはマルクスの予見に共感するところが多いことを再確認した。 -
Posted by ブクログ
色んなマルクス解釈を読みたいと思って、手にとったのがコレでした。
今まで読んだマルクス関係の本で一番読みやすかったです。新書でもわかりにくいのはわかりにくいけど。
的場さんの考案する21世紀型マルクス。
面白かったです。
この本を読んでも、他のマルクス研究の本を読んでも、マルクスの言う幻想の共同体がもし実現するとしても何百年先の話なのかなぁと思ってしまいます。
国境を越えた市民の連帯。
資本という概念自体をなくす。
ならば私たちは将来の子孫たちの幸せのためにその前提、前段階であるグローバル資本主義によって苦しめられるまま仕方ないのか。
まぁまだマルクス主義というものをきちんととらえられていないので色んなマルクスの本と解釈の本を読みながら考えていきたいと思います。
的場さんの本は他にも色々読んでみたいです。