的場昭弘のレビュー一覧
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ネタバレ以前神保町で『マルクスだったらこう考える』を読んで、的場さんの存在を知り、興味を持った身として、現在の的場さんの思想を知りたくて読んだ一冊。
池上さんの知識量もさることながら、改めて的場さんの経済学的・哲学的・歴史的知見の幅広さに感銘を受けた。
ここからはネタバレだが、的場さんの思想は、地方分権型社会主義、らしい。詳しくは書いていないが、斎藤さんの脱成長コミュニズムに出てくるアソシエーショニズムやミュニシパリズム、シューマッハーの社会主義と大差は無いのだろうと理解した。
次は是非若手マルクス学者の斎藤さんとの対談本を出して欲しい。 -
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的場昭弘(1952年~)氏は、慶大大学院経済学研究科博士課程修了、東京造形大学助教授、神奈川大学短期大学部教授等を経て、神奈川大学経済学部教授。専門はマルクス研究、社会思想史。マルクス研究関連の著書多数。
本書は、19世紀のヨーロッパに始まった資本主義が、20世紀の社会主義との競争に勝利しながら、21世紀に入った現在、その限界に突き当たっているように見える中で、その歴史をまとめたものである。
私は従前より、世界に広がる格差と、それを生み出す資本主義に問題意識を持っており、水野和夫『資本主義の終焉と歴史の危機』、トマ・ピケティ『21世紀の資本』、ジョセフ・E・スティグリッツ『これから始まる「新し -
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[ 内容 ]
共産主義は悪魔の思想か?
世界的難問への最終解答か?
今21世紀の視点で問い直す。
[ 目次 ]
序章 共産主義の五つの問題
第1章 共産主義と社会主義とはどう違うのか
第2章 共産主義のルーツはどこにあるのか
第3章 共産主義にはどんなものがあるのか
第4章 共産党とは何か
第5章 共産主義社会を実現するのは誰か
終章 ネオ共産主義論
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参っ -
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廣松さんの本に比べるとベースになるはずの概念の説明がわかりにくく、そこだけはもういっそとゆうことでさっさか読んでしまった。
ただ資本論にそって解説していく本ってゆうのは初めてで、資本論一巻にどのようなことが書かれているかとか、どうゆう流れなのかとか、そうゆうことを知ることができたのはよかった。
また後半部の社会の実態の分析については、近代社会の底辺がどうだったのかとかを知るうえでも役に立った。
またマルクスが未来をどう見たかとゆうことも書いてあり、やっぱり細かいところはわからんけど大まかなところではおれはマルクスの予見に共感するところが多いことを再確認した。 -
Posted by ブクログ
色んなマルクス解釈を読みたいと思って、手にとったのがコレでした。
今まで読んだマルクス関係の本で一番読みやすかったです。新書でもわかりにくいのはわかりにくいけど。
的場さんの考案する21世紀型マルクス。
面白かったです。
この本を読んでも、他のマルクス研究の本を読んでも、マルクスの言う幻想の共同体がもし実現するとしても何百年先の話なのかなぁと思ってしまいます。
国境を越えた市民の連帯。
資本という概念自体をなくす。
ならば私たちは将来の子孫たちの幸せのためにその前提、前段階であるグローバル資本主義によって苦しめられるまま仕方ないのか。
まぁまだマルクス主義というものをきちん -
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Posted by ブクログ
池上彰とマルクス経済学者である的場昭弘の対談本。資本主義の行き詰まりから注目度の高まる社会主義。これらイデオロギーの問題点を追求する。
ネクタイをした単純労働のプロレタリアート。経済成長を原動力とする資本主義において、社畜たちはその歯車となり、労働に一生を費やす。商品はやがて成熟して凝り固まり、イノベーションを起こさずに定量消費の世界に行き着けば打ち止め。経営者と労働者の差のついた利益配分が蓄積する事で益々格差は拡大するのみで、救いがない。しかし、イノベーションが続けられるならば、常にそこには大貧民の革命可能性は残るはずだった。しかし、そうしたスタートアップにも限界があり、大多数は歯車のまま