角田安正のレビュー一覧
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ネタバレ【まとめ】
1860~1870年代、自由競争の支配する資本主義が驚異的な発達を遂げた。20世紀初頭、恐慌によって自由競争的な旧来の資本主義に代わって、生産と資本の集中化が徹底的に進む帝国主義が現れる。銀行は資本集中と取引高の増加を果たし、産業資本との融合を始め、実質的に産業に対する支配を強めた。帝国主義は資本主義が高度に発展した段階であり、金融資本が支配的となった体制である。従来の資本主義では商品の輸出が行なわれたのに対し、資本主義の最高の段階としての帝国主義では資本輸出が特徴となる。そこで大衆の生活は依然苦しい。しかし独占から生まれる莫大な過剰資本は、資本家の利益のため、後進国への資本輸出 -
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著者の主張は日本人は恩と恥を最大の行動規範としている。
恥を知る。恥知らず。恩を忘れない。恩に報いる。恩を仇で返す。恩知らず。
確かに西洋人には理解できない日本人の特性なのかもしれない。
恥を重視するのは、日本人が自己主張が苦手であったり、同調圧力が強かったりする負の側面や、逆に協調性が高く秩序を保つと言う正の側面をうまく説明できる。
ただアメリカ人から見た日本人の持つ二面性や矛盾、例えば従順であり攻撃的である、礼儀正しい反面尊大な態度を取るなどを、子どもの頃のしつけに起因すると断定しているのは全く理解できなかった。
結論、この本の内容には同意する事ができないところが多いが、アメリカ人が日 -
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『リヴァイアサン』の第2部の訳本。
何とか読み終えました。
第1部は人間に対する考察本で、読んでいてかなり辛かったのですが(400年前の本ということもあり、科学のレベルが低く、読んでいて辛かった…)、第2部は、政治や国家に関する内容ということもあり、第1部と比べると読みやすかったです(科学と比べ、政治や国家の進歩は遅い、ということか…)。
とはいえ、「主権者のあり方」や「宗教と政治の関係」については、やはり400年前の本ということもあり、考察が不十分だと思われる点や、論理がおかしい点が多々あり、第1部ほどではないものの、読んでいて辛かったのは事実。
この本で最もよかったのは翻訳者による解 -
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社会科学を勉強していると、ちょいちょい『リヴァイアサン』の話が出てくるので、「読まないといけないかも」と思い、読んでみました。
が、正直言って、要約本があれば、それを読めば十分かも、と思いました。
原著は400年前の本ということもあり、仕方ないとは思うのですが、とくに理系的な素養がある程度ある人は、自然科学やそれに類する部分に関わる記述ではツッコミどころが多すぎて、読むのがつらいかもしれません。
ロジックも甘く、場合分けも粗いですし、エビデンスも希薄で、客観性に乏しく主観的。
「この本をたたき台にして、社会についていろいろ考えていきましょう」という位置づけであれば、読む価値はあると思います -
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長い。流し読みで気になったところだけ記録。
多くの東洋人と異なって日本人は、文を綴ることによって自分自身をさらけ出そうとする強い衝動をそなえている。
人間は日常生活の中で行動を学習する──。ある人の行動や意見がどれほど異様に見えようと、当人の感じ方や考え方は、経験してきたことと一定の関係を持っているのである。
「世界はひとつ」を唱道する善意の人々は、世界中の人々を自分たちの見方で染めることに期待をかけてきた。(八紘一宇)
日本は戦争の大義をほかの観点から見ていた。つまり、各国が絶対的な主権を持っている限り、世界の無秩序は一掃されない。日本は国際的な上下関係を確立するために戦う必要がある -
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君主が絶対的な主権を持つべきという主張をベースに、国家がどうあるべきかを演繹的に導いていきます。徹底してロジカルなので、まあそうなるよね、という当然の論理展開であまり面白みがない。そのうえ法律や宗教などの固い話が多かった。
君主が自然法を守って国民の平和を守ることが大前提なのに、その根拠が薄いです。そのせいでその先の演繹が不安定になっているのは、一巻でホッブズ自身が注意していることのブーメランではないか。
君主への要求が高すぎて、プラトンの哲人皇帝のような非現実的な主張になっているかもしれない。最後にホッブズがそう自戒しているのが面白い。 -
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とても興味深かった。
タイトルの『菊と刀』のことを、何となく皇室と武家?みたいな感じにとらえていたので、本文読み始めてびっくりした。私が単に常識知らずなのかもしれないけど思い込みってこういうことあるよな〜としみじみ。
ベネディクトが日本人論を著す必要に迫られた時代と現代とではずいぶん日本人も変わっていると思うし、色々と指摘されているとおり誤解や誤りも多々ある。また、ベネディクトの視点には、偏見をなるべく取り除こうという意識も感じられるけれど(レンズの下りなど……)、やはりアメリカについて語るとき「そのレンズは少し曇っていないか?」と思ってしまうところ(建国以来平等が人権の基盤とは?南北戦争のあ -
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世界を変えた一冊として、歴史教科書でも取り上げられることのある、言わば檄文の書。
第一章、第二章では、国家の役割の一般論から始まりイギリスの統治形態について、そして旧約聖書を引き合いに、君主制、世襲制の理不尽さを糾弾する。
「以下、私が示すのは単純な事実と平明な主張、そして常識である」として、著者は論を進めていく。
第三章では、イギリスとアメリカの関係に考察を進め、アメリカに対するイギリスの強圧的姿勢を批判するとともに、一時的な妥協ができたとしても、アメリカはイギリスの政治体制においては従属的な客体にすぎないと、その関係性を喝破する。
また、本章では、独立に当たっての見取り -
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全編通して、日本に対する外からの視点で語られているのは非常に面白かった。そのような特性から、これまで意識することのなかった日本の特性に気づけた。
一方で、刊行された時代と現在に隔たりがあることやフィールドワークなくして行われた研究であることなどから、誤りや現代にそぐわない内容も多く、歴史の勉強にはなっても現在の分析にはなり得ない箇所も当然散見された。
それでも、戦時中の慣行から、当時ほど過激ではないとはいえ、現代の日本にも通底する要素が見られた。それは例えば、精神論であったり、階級制度の絶対視であったり、恥の文化であったり、応分の場を弁えることであったりする。
「精神はどんな物理的なものにも勝 -
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山口周さんの本の中に出てきた「欧米人の罪の文化に対して、日本人は恥の文化」というのが気になって読んでみました!
第二次世界大戦中に米国戦時情報局の依頼を受けた文化人類学者が、日本の気質や行動の研究・考察をまとめた本。いまだにベストセラーってすごい
日本の外からだからこその着眼点とか、逆にちょっとずれた解釈とか、どちらにしてもいちいち詳細で深掘りしてあってびっくりする。戦時中だから日本に調査に行くこともできない中、どうしたらこんなに鮮やかに描き出せるんだろう…!
同じ日本人でも時代がかなり変わっているし、恩とか忠とかの話は途中から難しくてついていけないところも多々あったけど、外国から見た日本