角田安正のレビュー一覧

  • 帝国主義論

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    帝国主義とは、資本主義の独占段階のことである。
    さらに、1.生産と資本の集中、2.金融寡占が成立、3.資本輸出、4.資本家の国際独占団体が形成、5.列強による領土分割が完了、という五つの特徴を持つ。
    これは自由競争から始まる資本主義の向かう姿であり、結果として、列強による戦争は避けられるものではない。

    今となってみれば外れた指摘もあるが、資本主義の本質をつく鋭い考察が多い。

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    2012年08月13日
  • 帝国主義論

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    ネタバレ

    【まとめ】
     1860~1870年代、自由競争の支配する資本主義が驚異的な発達を遂げた。20世紀初頭、恐慌によって自由競争的な旧来の資本主義に代わって、生産と資本の集中化が徹底的に進む帝国主義が現れる。銀行は資本集中と取引高の増加を果たし、産業資本との融合を始め、実質的に産業に対する支配を強めた。帝国主義は資本主義が高度に発展した段階であり、金融資本が支配的となった体制である。従来の資本主義では商品の輸出が行なわれたのに対し、資本主義の最高の段階としての帝国主義では資本輸出が特徴となる。そこで大衆の生活は依然苦しい。しかし独占から生まれる莫大な過剰資本は、資本家の利益のため、後進国への資本輸出

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    2012年05月06日
  • 帝国主義論

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    勝手に政治関連の話だと思って読み始めてみたら、実際は経済の話だった。当時の帝国主義や資本主義に関してよく分析してあるので中々におもしろい。

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    2011年02月03日
  • 菊と刀

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    著者の主張は日本人は恩と恥を最大の行動規範としている。
    恥を知る。恥知らず。恩を忘れない。恩に報いる。恩を仇で返す。恩知らず。
    確かに西洋人には理解できない日本人の特性なのかもしれない。
    恥を重視するのは、日本人が自己主張が苦手であったり、同調圧力が強かったりする負の側面や、逆に協調性が高く秩序を保つと言う正の側面をうまく説明できる。

    ただアメリカ人から見た日本人の持つ二面性や矛盾、例えば従順であり攻撃的である、礼儀正しい反面尊大な態度を取るなどを、子どもの頃のしつけに起因すると断定しているのは全く理解できなかった。

    結論、この本の内容には同意する事ができないところが多いが、アメリカ人が日

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    2025年02月11日
  • リヴァイアサン2

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    『リヴァイアサン』の第2部の訳本。
    何とか読み終えました。

    第1部は人間に対する考察本で、読んでいてかなり辛かったのですが(400年前の本ということもあり、科学のレベルが低く、読んでいて辛かった…)、第2部は、政治や国家に関する内容ということもあり、第1部と比べると読みやすかったです(科学と比べ、政治や国家の進歩は遅い、ということか…)。

    とはいえ、「主権者のあり方」や「宗教と政治の関係」については、やはり400年前の本ということもあり、考察が不十分だと思われる点や、論理がおかしい点が多々あり、第1部ほどではないものの、読んでいて辛かったのは事実。

    この本で最もよかったのは翻訳者による解

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    2024年06月30日
  • リヴァイアサン1

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    社会科学を勉強していると、ちょいちょい『リヴァイアサン』の話が出てくるので、「読まないといけないかも」と思い、読んでみました。
    が、正直言って、要約本があれば、それを読めば十分かも、と思いました。

    原著は400年前の本ということもあり、仕方ないとは思うのですが、とくに理系的な素養がある程度ある人は、自然科学やそれに類する部分に関わる記述ではツッコミどころが多すぎて、読むのがつらいかもしれません。
    ロジックも甘く、場合分けも粗いですし、エビデンスも希薄で、客観性に乏しく主観的。

    「この本をたたき台にして、社会についていろいろ考えていきましょう」という位置づけであれば、読む価値はあると思います

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    2024年06月19日
  • 菊と刀

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    「アメリカ合衆国が全面的な戦争においてこれまで戦った的の中で、日本人ほど不可解な国民はなかった」の出だしは嬉しく思う。

    1944年、日本研究を委託された文化人類学者による日本考察記。若い頃読んだことあったが、殆ど覚えていなかったので再読。

    ・精神は物質的環境を制す
    ・恩返し(家長、姑問題)

    等古き良き日本の特徴が書かれているが、現代とはだいぶ乖離もあるなと少し寂しくも思う。

    義務と義理のところでは考えさせられる。私は個人的な意思を貫くことを美としているのか、個人の幸福にこだわることなく、おのれの義務を果たす事に重きをおいているのか。

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    2024年05月10日
  • 菊と刀

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    長い。流し読みで気になったところだけ記録。

    多くの東洋人と異なって日本人は、文を綴ることによって自分自身をさらけ出そうとする強い衝動をそなえている。

    人間は日常生活の中で行動を学習する──。ある人の行動や意見がどれほど異様に見えようと、当人の感じ方や考え方は、経験してきたことと一定の関係を持っているのである。

    「世界はひとつ」を唱道する善意の人々は、世界中の人々を自分たちの見方で染めることに期待をかけてきた。(八紘一宇)

    日本は戦争の大義をほかの観点から見ていた。つまり、各国が絶対的な主権を持っている限り、世界の無秩序は一掃されない。日本は国際的な上下関係を確立するために戦う必要がある

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    2024年04月25日
  • 菊と刀

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    冒頭、異なる文化の人間を理解することは難しい、分析も難しい、真に理解し合うことは困難だ、という言い訳が長々と続く。

    次からは日本人に対する分析が始まる。
    内容については賛否あると思う。
    よく言われる恥の文化というのはピンと来ない。

    著者は日本で取材せずにこの本を書いたと聞く。
    今で言うコタツ記事。

    何かと言うと引き合いに出される本だが、日本人が気にするべき内容ではないのでは?外国人が日本を知ろうとして読むのは自由だが…

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    2023年10月23日
  • 菊と刀

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    途中話がバラバラしている感じがしたが、最後まで読んだら話の道筋を理解することができた。日本社会のこともアメリカ社会のことも賛美することなく、倫理感覚の違いによるそれぞれの社会構造を説明している。読んでよかった。

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    2023年05月20日
  • リヴァイアサン2

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    君主が絶対的な主権を持つべきという主張をベースに、国家がどうあるべきかを演繹的に導いていきます。徹底してロジカルなので、まあそうなるよね、という当然の論理展開であまり面白みがない。そのうえ法律や宗教などの固い話が多かった。

    君主が自然法を守って国民の平和を守ることが大前提なのに、その根拠が薄いです。そのせいでその先の演繹が不安定になっているのは、一巻でホッブズ自身が注意していることのブーメランではないか。

    君主への要求が高すぎて、プラトンの哲人皇帝のような非現実的な主張になっているかもしれない。最後にホッブズがそう自戒しているのが面白い。

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    2022年09月26日
  • 菊と刀

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    とても興味深かった。
    タイトルの『菊と刀』のことを、何となく皇室と武家?みたいな感じにとらえていたので、本文読み始めてびっくりした。私が単に常識知らずなのかもしれないけど思い込みってこういうことあるよな〜としみじみ。
    ベネディクトが日本人論を著す必要に迫られた時代と現代とではずいぶん日本人も変わっていると思うし、色々と指摘されているとおり誤解や誤りも多々ある。また、ベネディクトの視点には、偏見をなるべく取り除こうという意識も感じられるけれど(レンズの下りなど……)、やはりアメリカについて語るとき「そのレンズは少し曇っていないか?」と思ってしまうところ(建国以来平等が人権の基盤とは?南北戦争のあ

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    2022年08月13日
  • リヴァイアサン2

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    2021.9.3

    時折非常に読み難く感じるのは理解力に乏しいからか?
    ひとまず「万人の万人に対する闘争」の不安から避難するために主権者に本来持っている権利を()に入れて明け渡し、政府を作って日々の安寧を手に入れるべき。と理解した。

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    2021年09月04日
  • コモン・センス

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     世界を変えた一冊として、歴史教科書でも取り上げられることのある、言わば檄文の書。

     第一章、第二章では、国家の役割の一般論から始まりイギリスの統治形態について、そして旧約聖書を引き合いに、君主制、世襲制の理不尽さを糾弾する。


     「以下、私が示すのは単純な事実と平明な主張、そして常識である」として、著者は論を進めていく。 
     第三章では、イギリスとアメリカの関係に考察を進め、アメリカに対するイギリスの強圧的姿勢を批判するとともに、一時的な妥協ができたとしても、アメリカはイギリスの政治体制においては従属的な客体にすぎないと、その関係性を喝破する。
     また、本章では、独立に当たっての見取り

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    2021年07月18日
  • コモン・センス

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    ネイティブな人々から暴力で土地を奪取しておいて、イギリスからの独立は無理やり正当化しようとする宣伝書。アメリカ人の傲慢さの発芽がここにある。結局は白人クリスチャン中心思想による狂った”正義感”でしかないことがよくわかる。

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    2021年06月30日
  • 菊と刀

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    全編通して、日本に対する外からの視点で語られているのは非常に面白かった。そのような特性から、これまで意識することのなかった日本の特性に気づけた。
    一方で、刊行された時代と現在に隔たりがあることやフィールドワークなくして行われた研究であることなどから、誤りや現代にそぐわない内容も多く、歴史の勉強にはなっても現在の分析にはなり得ない箇所も当然散見された。
    それでも、戦時中の慣行から、当時ほど過激ではないとはいえ、現代の日本にも通底する要素が見られた。それは例えば、精神論であったり、階級制度の絶対視であったり、恥の文化であったり、応分の場を弁えることであったりする。
    「精神はどんな物理的なものにも勝

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    2021年04月14日
  • 菊と刀

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    山口周さんの本の中に出てきた「欧米人の罪の文化に対して、日本人は恥の文化」というのが気になって読んでみました!

    第二次世界大戦中に米国戦時情報局の依頼を受けた文化人類学者が、日本の気質や行動の研究・考察をまとめた本。いまだにベストセラーってすごい

    日本の外からだからこその着眼点とか、逆にちょっとずれた解釈とか、どちらにしてもいちいち詳細で深掘りしてあってびっくりする。戦時中だから日本に調査に行くこともできない中、どうしたらこんなに鮮やかに描き出せるんだろう…!
    同じ日本人でも時代がかなり変わっているし、恩とか忠とかの話は途中から難しくてついていけないところも多々あったけど、外国から見た日本

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    2021年04月04日
  • 菊と刀

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    よくぞここまで研究したもんだと感心した。
    が、研究結果と論文の出来は別物で前述で完結したものとばかり思っていた言葉が二度も三度も繰り返して別の例でくどくど蒸し返すのでテンポの悪さが目立つ。
    日本人特有の特徴をうまく表現しているだけに例えば忠臣蔵のくだりなど、どこまで論文から離れて忠臣蔵の詳細を延々と書くのだろうと胸焼け気味。
    最後の菊と刀はタイトルにするがためのこじつけたかのような印象を受けるが日本好きな外国人らしいかなと目を瞑ることにして星3つ

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    2019年06月14日
  • 市民政府論

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    日本の憲法がロックの思想を基礎として作られ、論じられていることがよくわかった。
    君主の力を制限して民主主義を実現する考え方が、今から300年も前に存在していた事に驚く。
    現在、ロックの考え方を踏襲していると考えられる日本。果たして300年前のイギリスと同程度に民主主義が成熟していると言えるか。不安すら覚えた。

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    2012年06月04日
  • 帝国主義論

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    レーニンによる資本主義の特殊段階としての帝国主義の分析、20世紀初頭に起こった金融資本による独占と、それにともなって起こる世界分割戦争が示されている。この書物はレーニンの時代における資本主義の分析であって、その国家像は示されていない。この点に関しては『国家と革命』を読む必要がある。

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    2009年10月07日