チェーホフのレビュー一覧

  • 桜の園/プロポーズ/熊

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    読書会の課題本。「桜の園」は神西訳に親しんできたが、他の2本は初めて読んだ。ところどころ出てくる、古臭い駄洒落が少し気になったが、まあまあ楽しく読めた。

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    2016年05月21日
  • かわいい女・犬を連れた奥さん

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    ロシアの文学には、どこか惹かれるものがあります。でも、いつも半分も理解できた気がしません。多分、時代背景や文化や、価値観が、現代の日本人とはかなり違っているので、その辺りをよく分かった上でないと理解できないのかと思います。
    チェーホフの短編は、人間のあらゆる面、美しさも、醜さも、滑稽さも掬い取って、ごちゃ混ぜに織り上げたようです。貧しい、辛い人生には心からの同情を、醜悪な、滑稽な人々にもひとさじの憐れみをもって描いているところに、単なる風刺小説でない、ヒューマニズムを感じます。

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    2016年04月21日
  • 桜の園/プロポーズ/熊

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    人間ってかなしいのに、おかしい。

    「プロポーズ」は、普遍的にある話。はいはい、って言いたい。
    「桜の園」は、ところどころなんか変な人がいて、でも、まあ人間ってこんな感じかな、と思わせる。ちょっと変な人って、わりとどこにでもいるよね。
    「熊」も、どちらもめんどくさい人だった。こういうの、いろんなキャストで見てみたいなと思わされた。

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    2013年08月06日
  • かわいい女・犬を連れた奥さん

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    かわいい女:オーレンカの夫に対する従順な姿勢と、付き従う対象(夫)を失った時の虚無のような態度が印象的だった。そして、立場の違いが人格をも変えてしまうという事実が面白かった。

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    2012年11月04日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    「女三人のシベリア鉄道」にチェーホフの話が出てきたので急に読みたくなったのだけど、やっぱりわたしは戯曲って苦手みたいだ。戯曲はセリフを言うように読み、行間を読まなくては、と思うんだけど、どうしても普段の癖でストーリーを追うようにざざーっと雑に読んでしまって。
    だから、単に、背景がよくわからず、登場人物の対話はかみ合わず、なんかわけわかんないなー、という。
    解説を読んで少しわかった。
    人生に意味はないけど生きなくてはー(大雑把すぎ)、みたいなチェーホフの非情さには共感したりするのだけれど。
    この年になると、もう人生やり直せないし、未来はむなしくても生きるしかない、っていうワーニャ伯父さんの気持ち

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    2012年07月18日
  • かもめ

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     偏食気味で良くないのですが、そもそも文学系の本を読むことは少ないですね。特に戯曲は、シェークスピアを除いてほとんど読んだことがありません。
     ということで、恥ずかしながらチェーホフははじめてです。この「かもめ」、後の「ワーニャ伯父さん」「三人姉妹」「桜の園」とともに四大戯曲と呼ばれたチェーホフの代表作のひとつです。
     終幕近くトレープレフとニーナの台詞の交換、ニーナは「私は、かもめ・・・」と何度もつぶやくのです。ニーナは忍耐に目覚め、トレープレフは絶望の淵へ。再び多くの人物が登場して一気に結末のシーンへと向かいます。

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    2012年03月31日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    『三人姉妹』のイリーナが、イタリア語で窓とか天井をなんていうのか思い出せない、人生は過ぎ去っていって二度と戻ってこないと嘆くところがやたら印象的で、あまりに気に入ってつい原文まで調べてしまった。『ワーニャ伯父さん』も、ワーニャが過去しなかったことについて悔やむシーンを、かなり強烈に思い出せる。どうにもならない現状と過去への後悔がひたすら目に付いて、今ですら気持ちは分かるんだけど、20年後こんなふうに閉塞感と悔恨を抱えて生きてたくはないなって思った。

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    2011年10月30日
  • かわいい女・犬を連れた奥さん

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    課題で読みました。同じく課題で読んだゴーゴリよりさらりと綺麗な感じで読みやすい。人物描写はわりと嫌いじゃなかったな。人間は誰でも変わってゆくけれど、良いだけの変化も悪いだけの変化も存在しないし、誰のせいにもできない。

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    2011年07月15日
  • かわいい女・犬を連れた奥さん

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     『犬を連れた奥さん』は、まるで一つの映像作品を見ているかのよう。情景描写は勿論、心の機微までも細やかな文章で表現されていて、とにかく「凄い」のひとこと。

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    2011年10月21日
  • かもめ

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    噛みあわない言葉をかわす人びとの、滑稽でかなしい群像劇。
    劇中に散りばめられた恋する者と恋い慕われる者同士でさえ、なにひとつ分かりあえない。求めるものを追えば追うほど、それは遠のいていく。たとえば「夢」。たとえば「愛」。
    そんな子供っぽいたあいのない幻に裏切られたら、あとはただやり過ごすだけの日常を生きるか、あるいは
    死ぬか。

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    2009年10月04日