チェーホフのレビュー一覧

  • かわいい女・犬を連れた奥さん

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    『かわいい女』
    出会う男性すべてを愛し、依存する女性。その時に付き合った人の思想や生活に疑うことなく染まっていく。自分の意思を持たないことを冷笑しつつも、都度、本気で人を愛する姿はなぜか放っておけないイジらしさがある。

    『犬を連れた奥さん』
    運命の人に出会うタイミングは残酷である。一緒にいても幸福になることは難しいとお互い理解しながらも、それを口に出さずに、いつか来る終わりまで共に過ごしていくのだろう。

    短編だが、とてもよく纏っている恋愛小説。
    この物語を読むと、他の恋愛小説が非常に冗長に感じるほど、満足度が高い。細やかな心理描写も美しく、適度な余白も心地よい。チェーホフが短編小説の巨匠とまで言われるのも頷ける。

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    2026年10月04日
  • かわいい女・犬を連れた奥さん

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    ネタバレ

    『犬を連れた奥さん』のタイトルの意味について考える。この場合の犬って、旦那さんのことの暗喩だったり……する?
    不倫男には奥さんの旦那さんが、人間というより飼い犬って感じに思えるんだぞ……みたいな??
    どうだろう、違うかもしれない。

    『イオーヌイチ』面白かった。2人の関係性がすっかり逆転してしまうのが楽しい。
    「夜に墓場で待っててね」って言われて、「何で墓場やねん(しかも遠くね?)」と疑問に持ちつつも、もしかしたらと思って待っているくだりが好き。「辛かったです……」って感想も含めていい。

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    2026年08月30日
  • 小説で読む名作戯曲 桜の園

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    先日読んだ太宰治の『斜陽』は、チェーホフの『桜の園』を下敷きに書かれたものであることを知りました。しかし、戯曲に慣れず、数ページ読んで“難し〜い”となってしまい......ということで、あらすじを知るだけでもと思い、小説化してある本書を読むことに。登場人物同士のやりとり面白く、すがすがしい読後感でした。

    舞台は農奴解放後の帝政ロシア。主人公は地主のラネーフスカヤ夫人。この夫人が5年ぶりに“桜の園”(自分の土地)に帰ってきたところから、物語が始まります。登場人物が多くごちゃごちゃするのですが、初めに人物の詳しい説明があり、分かりやすかったです。

    ラネーフスカヤ夫人(没落貴族)は頭の中が、お花畑状態!金銭感覚は全く無し、若い男性にうつつを抜かす女性です。変わり種の兄も登場します。子供の方がまだ常識ありました。“桜の園”が競売にかけられるといことで、百姓出の実業家ロパーヒンが助言をします。しかし、聞く耳を全くもたず.......。“桜の園”が競売にかけられる場面、ドキドキでした。貴族と労働者の意識の差、お金に対する価値観の違いが分かります。あらすじが分かったので、戯曲『桜の園』を読んでみます。

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    2026年04月30日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    映画『ドライブ・マイ・カー』を見て気になったので読んだ。長い劇の一部分を抜き出して映画に使用したと思っていたが、映画で使われた部分がほぼすべてで、本当に短い劇なんだなと感じた。

    ロシアに住まうことの絶望を語るシーンはロシア文学に通底する感情なのかなと感じた。

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    2025年06月28日
  • かわいい女・犬を連れた奥さん

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    まじで最高!!!!!!これを晩年に書き上げたのがすごいですし、でも晩年にしか描けなかったのかなとも思います。
    短編ならではの一つ一つの重みのある言葉が、しかしどれも美しい描写とともにスッと心に入ってきました。完全に個人的な意見ですが、"儚い青春の日々"のお話たちだったなと感じます。
    どれも好きですが、「谷間」と「いいなずけ」が特にお気に入りです。
    再読後:「イオーヌイチ」もわりによきです。

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    2024年12月26日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    三人姉妹
    労働する生活のつまらなさ、そうするしかない諦め。愛や理想だけでは生きていけない、見て見ぬふりをして生きていかなければどうしようもないことがたくさんある。人生とは辛く虚しいものだ。

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    2024年08月30日
  • ヴェーロチカ/六号室~チェーホフ傑作選~

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    ロシア文学の巨匠チェーホフの短編集。表題作「ヴェーロチカ」は世話になった場所を去る時に少女から「好きなんです、あなたが!」と告白される話。ところがこの主人公の青年は煩悶し告白を袖にします。この展開が読めば読むほど奇妙で、しかし分かるようで、読み返すたびに色々な読み方ができそうです。

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    2023年07月07日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    4幕の劇である。ワーニャが仕えてきた教授をピストルで撃つ場面がクライマックスである。しかしけがはしない、ということであとはそのまま進行する。

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    2022年10月22日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    ワーニャ伯父さ/20221021

    老いの苦しみ
    時代の変遷、諸行無常による空虚感
    それでも、なお。

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    2022年10月21日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    私もワーニャとほぼ同じ四十六歳になった。この戯曲は、死ぬことが出来ず、それでも生きていかなくてはならない、中年の嘆きを取り上げた戯曲であり、中心人物のいない複数視点の同時立脚的なポリフォニー的な物語である。

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    2022年06月03日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    チェーホフは36歳で「ワーニャ伯父さん」を書き、40歳で「三人姉妹」を書き、そして44歳で亡くなった。何という老成だろう。「ワーニャ伯父さん」では自分の人生が絶望だったと知る。「三人姉妹」では夢が次々と押しつぶされていく。人生とはそもそも絶望なのだ、その冷徹な現実を淡々と描きだす。それでも人生を生きていくしかない。酸いも甘いも経験した、大人のドラマ。

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    2022年03月10日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    解説と訳者あとがきが素晴らしい。チェーホフ初心者に、その味わい方を丁寧に教えてくれる。再読したときの味わいが全く変わった。
    チェーホフ、良い。

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    2022年03月06日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    チェーホフの登場人物は、私が口にするのを躊躇い胸に閉じ込めている本音を、どうしてこうすんなりと口にしてしまうのか。現実に翻弄されて、自分がしがみついてきた美しい幻想を壊されても、生きていかねばならない人々の姿。終わりが来ることを救いにすれば、目の前の幸せを味わえるようになるのだろうか。

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    2021年12月31日
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹

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    ペシミスティックな美学?

    何かありそうで、結局何もなく、
    誰も幸せにならない。
    庶民の暮らしと悩み。
    中年ワーニャの文学には、死も許されず、
    未来は暗くそのまま続く。

    チェーホフなりのユーモアは、
    その『間』において、俳優により表現されそう。

    エレーナにはなかなか惹かれない。

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    2021年09月30日
  • 桜の園/プロポーズ/熊

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    はじめてのアントン.チェーホフ
    キンドル アンリミテッドで
    戯曲はじめて読みましたが140年以上も前の
    ボードビル一幕物「プロポーズ/熊」には抱腹絶倒。
    チェーホフ最期の作品4幕物「桜の園」は喜劇の中に哀愁漂う深いお話でした。桜はサクランボのことのようです。いろんな戯曲読んでみたいかも

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    2021年02月20日
  • かもめ

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    久しぶりの再読。チェーホフの四大戯曲の中では最も完成度が低く、あちこちデコボコしたような印象を覚える作品だが、四作品の中で唯一「青春もの」と呼べる内容であり、チェーホフらしからぬ若々しさに溢れている。後の作品、とりわけ『三人姉妹』の萌芽が随所に見える点も興味深い。この作品でうまく表現しきれなかったモチーフを熟成させて、『三人姉妹』で用いたのだろうか。
    繰り返し読むことで、物語の構造やモチーフの反復など、作劇の技術がよく分かってくる。だが、そこには多くの謎も秘められている。たとえば全ての幕で冒頭にマーシャが出てくるのは面白い趣向だが、何故マーシャでなくてはならないのか?と考えても、答えはよく分からない。それらの謎の中には、作品を解釈するための重要な鍵もあるはずだが、全てが計算され尽くしているわけではなく、単に勢いで書いてしまったのではないかと思える部分も含まれている。やはり『かもめ』は、良くも悪くも、若々しく荒っぽい作品なのだ。昔はその荒っぽさが欠点にしか見えなかったのだが、最近は次第に魅力として感じられるようになってきた。
    浦雅春の訳は、現代的な口語をうまく駆使し、こなれていて読みやすい。全体的なバランスでは、数ある翻訳の中でもベストだろう。ただし文学的な香気に若干欠ける嫌いもあり、その点に関しては堀江新二の訳の方がいい。

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    2015年05月16日
  • かわいい女・犬を連れた奥さん

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    谷間。もう少し救われないかと思う。少しずつ、少しずつ、さみしくて辛い。どんより、どんより初冬の小道をテコテコ行く感じ。なんにも変らない、ありそうな範囲でしか事は起こらない。なのにちょっとの温もりが、しんみり迫ってくるようで。

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    2011年08月31日
  • かわいい女・犬を連れた奥さん

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    リアリズム文学で知られるチェーホフの短編編集。
    どうしようもない現実や残酷な運命に翻弄される人間は、しかし、そんな厳しい世の中で、不幸と比べてあまりにも小さな希望を見つけ、それを糧に生きていく。

    チェーホフの物語は、どうしようもなく救いがなく、だからこそ私たちが共感できる部分を含んでいる話が多い。

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    2010年08月19日
  • かわいい女・犬を連れた奥さん

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    おもしろいと評判のチェーホフの短篇。やっぱり、おもしろかったです。
    切なくて苦くて、(優しくないのかもしれないけど)優しく感じる所がいいです。

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    2009年10月04日
  • 小説で読む名作戯曲 桜の園

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    ネタバレ

    幸せとは何なんだろう。皆から祝福され、羨ましがられる道を歩むことが、必ずしも幸せとは限らない。

    ガエーフは変化した現実を受け入れて前へ進む道を選び、ラネーフスカヤは、たとえその先に苦しみが待っていたとしても、自分の心が求める道を選んだ。
    どちらが幸せなのかは、きっと誰にも分からない。どちらを選んでも、いつか後悔することはあるのかもしれない。

    それでも、何か大きな選択をするとき、一度自分を俯瞰して、起こりうるさまざまな可能性を考える。
    そのうえで、それでも自分の心に正直に生きると決めたのなら、とことん突き進む。それもまた、自分の選択に責任を持つということなのではないかと思った。

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    2026年09月30日