チェーホフのレビュー一覧

  • かもめ
    戯曲である。津村の読み直し世界文学の1冊。こうした脚本を読むよりも演劇を見た方がいいが、古いので上演されなくなったのかもしれない。野田秀樹の早口ですすんでいく現代劇よりもこうした古典劇を何回も上演した方がいいのではないか。
  • 狩場の悲劇
    帯に「前人未踏の大トリック」とあるので読んでみたのだけど、、正直に言うと「このあとどんな仕掛けがあるんだろう…残りページ少ないけど、、」のまま終わってしまいました。。まぁでも、歴史的なものですよね、”あの作品”より早く世に出ているらしいので。あと、主要登場人物の誰にも共感できなくて読み進めるのがしん...続きを読む
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹
    コミュニケーションが取れないメンバーが集まり語るのは、本当のコミュニケーションを欲しているに他ならない。
    今にも通じるテーマを色褪せない。
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹
    映画「ドライブマイカー」きっかけで読みました。
    若い頃はあまり分からなかったけど、歳を重ねてテェーホフの良さが少し分かるようになってきた気がする。
    ワーニャ伯父さんに出てくる登場人物たちは、基本的にみんな人生に絶望を抱いている。
    ロシアの厳寒な気候や土地、時代、ジェンダーなど、その原因には様々なもの...続きを読む
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹
    ドライブ・マイ・カーの予習として「ワーニャ伯父さん」だけ読んだ。
    一回目は登場人物の関係性やそれぞれのキャラクター造形などがなかなかつかめず、自分で関係図を書いたりしながら読んでいたので、ほとんど内容が頭に入らなかった。何も起こらない話だなという印象しかなかった。二回読んで何とか分かってきた。
    何と...続きを読む
  • かもめ
    私はかもめ
    トレープレフが撃ち落としたかもめ、トレープレフ自身は、「やがてぼくもこんなふうに自分を撃ち殺すんだ」と言い、ニーナは「このかもめだってそう、何か意味がありそうだけれど、ごめんなさい、私には分からない……。私、単純すぎて、あなたのことが理解できない」と言う。トリゴーリンが着想を得た、「ある...続きを読む
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹
    「ワーニャ叔父さん」
    まだ途中だけど、男の人たちが、やたらグチっぽいのね(笑)
    読んでいて、ギクリと自分のなかにも思いあたるような愚痴。
  • かもめ
    劇としての評価の変遷があったよう。
    舞台上での出来事ではなく物語を紡ぐという行為への賛否と理解。
    単純に読んで楽しい、面白いという価値ではない作品だった。
  • かもめ
    チェーホフ四大戯曲。
    女優の母を持つ戯曲家を目指す息子と、かもめのように自由になりたい女優志望の彼女。伯父、作家、管理人の一家、医師、教師などと過ごすひと夏の別荘地生活は
    劇的なことも起こらなく誰が主人公など分かりづらい日常劇。1896年(明治29年)初演では喜劇と勘違いされ大コケに失意のチェーホ...続きを読む
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹
    人間は如何にして自らを欺くか。時代は旧いのに描かれている人間模様は現代と変わらない。人々の気持ちは一方通行で、登場人物たちはやがててんでに散らばっていく。両作品とも「エンド」が存在しない、悲惨ながらも「to be continued 」なのである。
  • かわいい女・犬を連れた奥さん
    「中二階のある家」のリーダと画家の会話が面白い。貧しい労働者の支援に働いているリーダに対して、そんなことではなんの解決もできないと画家。人間の価値は精神活動をすることなのだから、労働に縛られる時間を大きく減らさなければだめで、要求事項や経費を増やすのは逆効果だと。
    今の時代でも同じことと感じた。生活...続きを読む
  • かわいい女・犬を連れた奥さん
    「かわいい女」、「犬を連れた奥さん」の題名は知っていたが、チェーホフだから、てっきり戯曲かと思ってた。

    短編なので、基本主人公中心の物語なのが演劇と違う処。
    「かわいい女」、「犬を連れた奥さん」は現代の日本でも成り立つような話。
    その他の短編から立ち上がってくるのは、不労所得を得ている地主や工場主...続きを読む
  • かもめ
    四幕の戯曲で、さほど厚くない本だが、少しずつ読み進める。一人一人の台詞は短いし、次々登場するので、最初は「えっと、コイツ誰だっけ?」登場人物のページを何度も見直す。

    様々の恋が織りなす人生模様とカバーの裏にあるが、誰もが自分勝手だと思う。
    一番違和感を感じたのは、アルカージナかな。息子を愛している...続きを読む
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹
    中年の文学、そして、中心のない展開、登場人物のコミュニケーション、独り言。チェーホフの戯曲にいつも漂う空気感。
  • 桜の園/プロポーズ/熊
    ここから出て、ここではないどこかへ…。思い切って飛び込んでしまえば、案外やっていけるのかもしれない。でも、そうじゃなかったら…。

    『プロポーズ』と『熊』は、楽しいコメディだった。
  • 桜の園/プロポーズ/熊
    戯曲のたのしみかたが相変わらずわからない。
    農奴解放の光と影、みたいな話なのかな。貴族の斜陽、そして彼女のもとで農奴として働いていた男の息子ロパーヒンが彼女の屋敷を買い取ってしまう。上の世代であるラネフスカヤとガーネフの兄妹は桜の木が伐り倒されることに心を痛め、なぜそうなってしまうのかも理解できない...続きを読む
  • かわいい女・犬を連れた奥さん
    アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフの短編7編を収録。
    どの作品もロシア革命少し前に執筆されたものだけあって、貧しく虐げられた農民・使用人の描写と働かなくてよい階級への批判、将来は誰もが少しだけ働き、皆で豊かな生活を送れる社会がやってくるという理想願望の主張といった思想がところどころ散りばめられ、当...続きを読む
  • 桜の園/プロポーズ/熊
    読んだつもりになっていたけど、読んでいなかった、というタイプの本です。

    この手のブンガクについて、ある年齢以降、

    「どれだけ、翻訳が難解にしていて、モトモトの魅力を削いでいるか」

    ということに気づいてしまって。
    気づいたら恐らく意識過敏になってしまって。

    で、その反動で、光文社の古典新訳はイ...続きを読む
  • 桜の園/プロポーズ/熊
    チェーホフを読むのは久々なような、初めてなような。

    「家」を中心にした戯曲、そこに描かれた人々のドタバタ劇…何だかロシア文学なのに日本文学と似ている印象を受けるのは気のせいか。喜劇なのに、どうにもこうにも喜劇に思えないのはロシア文学だからか、そういうわけではないのか。不思議な気持ちになる名作。でも...続きを読む
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹
    閉塞感がすごい。当時の体制とか天候とかに由来するのかなぁ。希望がゆっくりと絶望にかわる。それでも人は生きていくんだ。と。その理由が次の世代のため、死後のためってのが文化のちがいなのかなんなのか。
    ロシアに関する知識が浅いのが悔やまれる。