チェーホフのレビュー一覧

  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹
    「ワーニャ伯父さん」といい「三人姉妹」といい、登場人物すべての背中が重い・・・
    「ワーニャ伯父さん」ではソーニャ、ワーニャにスポットがあたり最後のコメントが強烈に記憶に残るが、ワーニャが憎んだセレブリャコフもソーニャが失恋したアーストロフも否、全ての登場人物が幸福になっていない。
    「三人姉妹」も同じ...続きを読む
  • かもめ
    『かもめ』/チェーホフ/複雑な恋愛関係の中で、夢と現実が交錯する展開。決して人間関係がドロドロなわけではないんですが、夢も恋愛も何一つ叶えた登場人物がいない(!)よね(?)。後半の「わたしはかもめ」という台詞がうまく解せない。
  • かわいい女・犬を連れた奥さん
    演出家の妻になると夫と共に芝居について語り、材木商と結婚すれば会う人ごとに材木の話ばかり。獣医を恋人に持てば、恋人との別れと共に自分の意見まで失くしてしまう。一人ぼっちになった彼女が見つけた最後の生きがいとは──。

    チェーホフ晩年の短中編集を収めたもので、人間が懸命に生きようとするがゆえに生じる悲...続きを読む
  • かわいい女・犬を連れた奥さん
    控えめに上品に適度な笑いをうまく絡ませ節度を忘れない人だったチェーホフ。そんな態度と「恋」というのは本来永遠に相容れない、はず。だから登場人物は途方に暮れる。その途方に暮れる感じがチェーホフ的。
  • かわいい女・犬を連れた奥さん
    恋人、旦那によって自分がコロコロとかわる“かわいい女”。自分の周りにもいます。そしてもてます。やっぱりこういう女の人の方が“かわいい”のでしょうか?
  • 狩場の悲劇
     チェーホフと言えば短篇と戯曲というイメージだが、そんなチェーホフが書いた唯一の長編小説。しかもそれは、殺人事件が発生し、調査があって、遂には犯人が示されるという推理小説的なもの。
     
     自分が書いた経験談を出版して欲しいと新聞社に持ち込んだ男と、新聞社の編集者とのやり取りがあって、編集者は一応その...続きを読む
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹
    ものすごい閉塞感が溢れる戯曲。かみ合わない会話、実らない恋、中年の危機。生きていく意味を見いだせない空虚さを抱えた登場人物がたくさん出てくるが、同時に「人生に意味なんてない」という答えと「でも生きていかなくてはいけない」というあきらめが語られている。救いも希望もないけど、あきらめはあるのだ。
    今ちょ...続きを読む
  • ヴェーロチカ/六号室~チェーホフ傑作選~
    「小説は問題を提起しても答えは与えない」というチェーホフのスタンスが相変わらず(他の作品と同じで)示されている。教訓となるわけでも無いし、決して登場人物に共感できるわけでもない。にも関わらず、チェーホフ作品に惹かれるのは、彼の生きた時代におけるチェーホフのスタンスが現代に通じる点にあると思う。革命前...続きを読む
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹
    2篇とも生きることの辛さ、閉塞感を感じながらもわずかな望みを繋いでいくような展開。時代背景も含めた土台となる状況がよくわからないので曖昧に読み進めてしまう。タイトルがワーニャ伯父さんとなっているがワーニャが主人公ではない。
    三人姉妹については更によく状況がつかめず。
    2作品とも演劇をみている気分には...続きを読む
  • 桜の園/プロポーズ/熊
    今まで読んだチェーホフの中では一番ハマらなかったかもしれない。

    「桜の園」は喜劇ということだけど、普通に読むとやっぱりどうも悲劇の色が濃いようにも思う。
    見方によってはたしかに滑稽かもしれない。

    「プロポーズ」は一番わかりやすくコメディで笑えた。
    プロポーズしにきたのにひょんなことから話が逸れて...続きを読む
  • 狩場の悲劇
    かなりの人が知ってるであろう某作家の超有名トリックが出版される何十年も前にこれを20代半ばで書いていたっていうのは本当にすごいなと思うんだけど、変に注釈などをいれたせいで最後の謎解きが全く驚きがなくなってしまっていて、ミステリ的にはとてももったいないなと…。
    もし注釈を入れずに、最後の謎解きで本当に...続きを読む
  • 桜の園/プロポーズ/熊
    『桜の園』
    日常の中のありふれた悲劇、って感じの書き方がかなり好き。
    何かの本で読んだ、「『桜の園』で桜の木を切り倒す斧の音を忘れられる人は居ないだろう」って言葉を思い出しながら読んだ。戯曲としても見てみたい。
    解説を読んで「その通りだな」って思ったけど、チェーホフは日常を切り取ってる。どれだけ重た...続きを読む
  • 狩場の悲劇
    如何にものロシア文学で、恐ろしくキャラの濃い登場人物たちが、日本だったとりあえず何かの施設に閉じ込められそうな大騒ぎを、当たり前の顔をして次々と引き起こす。肝心の殺人事件は物語の三分の二を過ぎるまで起こらない。この手のお話に慣れてない人には、少しキツいかも知れない。うんざりしながら、魅せられる感じで...続きを読む
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹
    戯曲。

    ワーニャ伯父さんがドライブマイカーにでてきたので読んでみました。
    ワーニャ伯父さんじたいはなにがおきるわけでもなく、伯父さんが主人公なのか?な。
    働かないといけない。
    200.300年後の人たちにむけて。
    強くあらねば。
    宣言するけど、それが果たされるとも思えない。

    首吊りの表現ってどう...続きを読む
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹
    ドライブマイカーを見て、初めて読もうと手にした。

    なんとも人間臭く、いかんともしがたい鬱々とした思いを募らせるワーニャとそれでも生きていかなければと話すソーニャの強さが印象的であった。
  • 桜の園/プロポーズ/熊
    ロシア文学というと長編というイメージしか無いですが、「プロポーズ」と「熊」は単純に短編喜劇として傑作!「桜の園」は正直物語としては退屈な感じですが、特別大きな特徴の無い登場人物をどう演じるかで演者や演出家のスキルが問われる感じで、舞台作品として観てみたいと思える作品でした☆
  • 小説で読む名作戯曲 桜の園
    ずっと読みたかったのだが、どうしても戯曲が苦手でずっと途中で投げ出してしまっていた。この本は小説になっているので最後まで読めるかも…と思い、手に取った。戯曲の名作と言われるこの作品、今更ながらだが、あらすじがわかって良かった。これをどんな風に演じるのか、お芝居で見てみたい。
  • ワーニャ伯父さん/三人姉妹
    2019年7月26日(金)にMARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店で購入。7月27日(土)に読み始め、8月2日(金)に読み終える。チェーホフを読むのは『桜の園』以来、20年ぶり。寂寥感ただようせつない話ばかり。解説も読み応えがあってよい。
  • かわいい女・犬を連れた奥さん
    「犬を連れた奥さん」
    最後までおじさまの魅力がピンと来ないままふわふわ読み進んで終了。

    しかしいる、いるよこういう男。「新しい、素晴らしい生活」どころか「いちばん複雑な困難な途」すら歩み切らずにサッと安全圏に帰ってまた退屈を持て余す。そういう人も始めはこういう勢いで盛り上がってるのね〜と垣間見た気...続きを読む
  • かもめ
    喜劇だと思っていたが悲劇だった。
    なんか自分のことで精一杯な感じ
    かもめ?ニーナになにか起こるかと思っていた。