小林章夫のレビュー一覧
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コーヒーハウスには身分職業上下貴戝の区別なく誰でも見せに出入りすることができた。いわば人間のるつぼ
政治、文学、経済の話、科学実験などが行われた
17世紀のイギリスでは限られた場所でしか、情報、ニュースを得ることができなかった
そんな中でそれをまとめるジャーナリズムが生まれた
なぜコーヒーハウスではいろんなジャンルの議論が活発に行われていたのだろうか?
とにかく様々なバックグラウンドを持った人が集まってる場所に、少しお金を払えばアクセルできて直接話ができるわけだから、単純に好奇心が掻き立てられて活発な議論が行われたのでは?
著名人と話ができる可能性もあるし。
現代でそう言った環境っ -
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ネタバレ昔『黒いいたずら』や『ポール・ペニフェザーの冒険』を読んだ。(『ブライヅヘッドふたたび』も読んだが、これはちょっと毛色が違う。)イギリス人らしいブラックユーモア(それもかなり冷血)が好きだったのだが、ずっと翻訳されない状態で、ほとんど忘れていた。しかし、気がついたら最近たくさん翻訳が出ていたので、読んでみた。
しかし、『ブライヅヘッドふたたび』が『回想のブライズヘッド』になったのはまあいいとして(吉田健一訳だったから、格調高いのはいいけど、「ヅ」はさすがにもう古い、と思ってたので)『ポール・ペニフェザー‥‥』は『大転落』、これは『愛された人』と、同じ本とは思えないタイトルで出版されていて、知 -
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怪物の肉体の創造主は、フランケンシュタインであるが、精神の創造主はなんであろうか。生まれた時は空っぽのこころのだった人造人間は、その醜さから創造主に捨てられて、すべての人間に忌み嫌われることによって憎悪を心中に溜め込んでいく。怪物を怪物たらしめたのは、我々人類ではないだろうか。
現代社会に置いて、虐待や育児放棄などにより愛情を受けず育った人間がいる。中には「怪物」のように殺人や脅迫を行うものもいる。しかしそんな彼らの核には愛への希求があるのではないか。
さらに創造主フランケンが自然科学の知識だけに偏り過ぎていたという点も興味深い。科学技術の発展が目覚ましく、一方文系的な知識が軽視されている -
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ロンドン旅行準備本。イギリス紳士とは『他人に興味がなく、我慢強く、余裕がある。』と本書にあるが、旅行でさらに感じたのは、コミュニケーションを大切にし、礼節を重んじるイメージ。 赦す部分と、守る部分のバランスが絶妙と言うか。。大して関わりもない事にまで反対したり、目くじら立てたりして、息苦しくなってしまった我が国の空気感との差を感じた。 ウィットとユーモアの違いとは、“突き放して冷笑するのではなく、ゆとりある態度で大らかに包み込む精神”があるか。“ つまり、チャーチルはウイットだと言う事。 惜しむらくは、私の英語力では、これらを旅先で実感・理解出来なかった事である。
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ネタバレイギリス社会の発展においてコーヒー・ハウスが果たした役割について概略的に紹介している本。もう少し掘り下げて紹介してほしいかな、と感じる部分も何か所かあったけど、総じて読みやすく、18世紀以降の流れを知るには有益だと思います。
コーヒー・ハウスが保険業や郵便業の拠点となったというのは他の本でも読んだことがあったけど、ジャーナリズムの一つとして雑誌もコーヒー・ハウスを軸に発展したというのが個人的には新しいポイントでした。考えてみたら、報道機関としての新聞がここを拠点とした以上、同じ紙媒体である雑誌も影響を受けていない訳がないんだけど、それが自分の中では繋がっていなかったので、この本できちんと整理 -
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アメリカ西海岸を舞台に、ペット葬儀会社で勤める詩人を主人公に配した風刺的なエンタメ小説。
作者の何ともいじわるな目線が溢れた、ユーモラスな小説。
やけに大仰な葬儀産業を通してアメリカの資本主義を皮肉り、プライドばかり高いが実力社会のアメリカで体面を保とうと汲々とするイギリス出身者、自分の理想の愛のために右往左往し挙句に完全に己が悩みだけで自分を追い詰め命を絶つ女性、アメリカ人が誇って止まない「アメリカ的な生活」に対する皮肉・・・
と挙げればキリがないが、著者はアメリカ滞在の経験でよほどアメリカのことが滑稽に見えたのだろう。
そしてそれをバカにしつつも、そうは言っても必死に生きていかねばならな -
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ネタバレハリウッドのペット葬儀社で働く元詩人の主人公と、人間専門(?)の葬儀社に勤めるヒロイン、彼女の上司の奇妙な三角関係を描いた辛口ブラック恋愛コメディ。
主人公の恋敵であるエンバーマーが、ヒロインの気を引こうとする方法が斬新すぎ&怖すぎ!個人的にはこういう ブラックな結末は好きだけど、あまりにも強烈な毒の効かせ方を受けつけない人もいそう。
登場人物の名前もジョイボーイ(能天気と訳せばいいのか)とかエイメ・タナトジェノス(死の一族)とか、ポーの命名センスに近いものを感じる。
イギリス人気質やアメリカの商業主義、社会のあらゆるものに対する強烈な違和感と皮肉が切れ味鋭く表現されている。 -