小林章夫のレビュー一覧

  • フランケンシュタイン

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    1818年の作品

    200年前ですよ!

    圧巻!
    そりゃあ残るわ、200年残るわ
    そして間違いなくこの後の200年も残るわ
    名作過ぎて震える
    圧倒的に面白いのねこれに尽きます

    そしてとんでもなく読みやすかった
    訳者の小林章夫さんの力量に脱帽です
    ご本人も触れていましたが、古典ものにありがちな注釈を極力廃して、本文の中で片付けようとしてるところがこの読みやすさに繋がってるんだと思う
    ほんともうありがとうね
    ありがとう『光文社古典新訳文庫』!

    はい、本編!
    やはりいろんな捉え方ができると思うんだけど、闘いよね
    もう「苦悩」VS「苦悩」の闘い
    怪物を生み出してしまった「苦悩」と怪物として生み出さ

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    2024年01月15日
  • フランケンシュタイン

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    フランケンシュタインはモンスターの名前だと多くの人が勘違いしているが、フランケンシュタインは怪物を作った人間の名前である。

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    2022年08月12日
  • フランケンシュタイン

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    それまで頑張ってつくってきたものが、作ってる最中には醜くとも耐えられたものが、生命を宿した瞬間に耐えられない醜さになって逃げ出した
    この瞬間に全てがある

    この一点が素晴らしい

    他は、確かに悲劇的だし、名も貰えぬ怪物の悲劇たるや同情を禁じ得ない

    でも、そこはもしかしたら想像力のなかでつくれるものかもしれない

    でも、この、命を宿した瞬間に、目の前にあったものの意味が変わる、見え方が変わる、受け入れられなくなる、というのは、命とはなんだ、ということを凄く捉えている

    例えがよくないかもしれないが、例えば、最近だと人間そっくりのラブドールがあるが、それはラブドールである限り人間そっくりだけども

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    2021年01月07日
  • フランケンシュタイン

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    積ん読の中からフランケンシュタインを読む。原作がホラーではないことは知られてるが、では何なのか。驚くべきことに全編船乗りが姉宛に書いた手紙なのだ。話は見た目で仲間外れにされる泣いた赤鬼のアンハッピーエンディングであり、怪物を作ってしまったヴィクターの後悔と家族が悲劇に巻き込まれていく葛藤の話でもある。仲間に入れて欲しいという怪物側の社会的欲求と彼の存在自体がリスクと考える人間の保守思想の衝突はヨーロッパの難民問題のようではないか!メルケル首相的視点で見ればヴィクターがおかしいがそう考えるのはきれいごとかというジレンマ。これは人造人間ものの古典的SFなのだ。

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    2020年11月23日
  • ご遺体

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    鬱蒼と茂った木々から燦々と零れる日の光。キラキラ輝く湖面には水鳥が遊び、湖畔には百合の花が咲き乱れ蜜蜂が飛び回る。湖の小島は幸せなカップルたちのデートスポット。でもじつは墓地。首吊りでも事故死でもまるで生きているかのように活力あふれた姿に再現する遺体処理師と化粧師。〈心安らぐ死を半ば愛して〉焼かれ、退色する束の間の芸術作品。文学に死はありふれたテーマのひとつだが、遺体や葬儀をテーマにした作品は珍しい。イギリス人らしいブラックユーモアだ。英詩人たちやポーの詩の引用もよかった。

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    2014年07月20日
  • コーヒー・ハウス 18世紀ロンドン、都市の生活史

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    色んな立場の人間が入り混じってた頃の辺りの描写好きだな。説明解説を書きながら要所に、当時の状況が頭に浮かぶような会話だったり情景描写を混ぜ込んでて読みやすかった。

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    2025年03月04日
  • フランケンシュタイン

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    その名を知ってる人はかなり多いと思うが、実際この小説を読んだ人は少ない。私ももちろんその中の一人だった。

    この小説を読んで一番驚いたのは、実はFrankensteinは化け物の名前ではなくてそれを作った創造主の名前だってことだ。生まれつきから親とも言える創造主から恐ろしく思われ、一生をかけ愛情の欠片すら貰えなかったこの有名な化け物には名前すらいない。

    この名前のない化け物はもちろん小説の物だが、実は彼のように社会に敬遠され自分や周りを苦しめる物は山ほどある。もちろんその原因が化け物にだけあるとは限らない。彼らを融和できない社会の方に問題があるかも知らない。ただ重要なのはそういう葛藤が世の

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    2025年01月30日
  • フランケンシュタイン

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    フランケンシュタイン
    あまりに有名な固有名詞でありながら
    それが怪物の固有名詞ではないと
    全然しらなかった!

    この年まで、何から
    フランケンシュタインの自分のイメージを
    作り上げてだのだろう?

    手紙を通して
    話は展開していく
    切なく、悲しい
    最後、つまらない終わり方だったら嫌だなー
    と思ってたけど
    最後の最後まで、切なく、きれいな文章だった

    強いて言えば、旅の途中の情景のへんや
    繰り返される、感情表現のいくつかは
    読んでいて、すこしだるくなる

    それを、味わって読むものと思えば
    5点。

    最後の解説で、作者メアリー・シェリー
    についての系譜も載せられていたけど
    お子さんやご主人を亡くした

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    2024年05月28日
  • コーヒー・ハウス 18世紀ロンドン、都市の生活史

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    コーヒーハウス。店には美しい女店員がいて、店を明るい感じにしている。それら美人が愛嬌のある眼差しで、タバコの煙に満ちた店内に誘い込む。空いてる席があればどこでも座ってもいい。大きなテーブルが一つあり、そこでいろいろな話題について議論している。あちこちのテーブルには官報や新聞、雑誌などが置かれて客の用に供されている。字の読めない人のために、読んで聞かせている人もいる(当時、新聞や雑誌で情報を得る場所はコーヒーハウスなどに限られていた)。壁には、盗品を見つけた人への報酬を描いた広告、実母を探す男の広告、逃亡奴隷の捜索依頼などが貼られている。p.40

    初期のコーヒーハウスでは、身分・職業・上下貴賎

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    2024年05月15日
  • フランケンシュタイン

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    ネタバレ

    探検家の手紙から始まる物語。
    探検家がフランケンシュタインに出会い、その話を書き記すというのが序盤だった。

    正直、出だしは全く惹かれない。失敗したかなと思った。
    探検して、氷に阻まれて進まない……なんだそれ。と。フランケンシュタインの語りも、最初は人が次々に出てきてよく分からない。でも、怪物が出てくるあたりから面白いと思い始めた。



    最終的に怪物が、いろんな人を殺し続ける……という狂気に陥るのだけど、ちゃんと堕ちていく過程が描かれているので、共感しやすい。で、思う。



    これ、毒親と毒親に育てられた子供の話じゃないか。……そーいえば、名著でも、そんな話があったような…なかったかな。

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    2023年12月15日
  • フランケンシュタイン

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    ネタバレ

    ⚫︎受け取ったメッセージ
    人間らしさとは

    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)

    天才科学者フランケンシュタインは生命の秘密を探り当て、ついに人造人間を生み出すことに成功する。しかし誕生した生物は、その醜悪な姿のためフランケンシュタインに見捨てられる。やがて知性と感情を獲得した「怪物」は、人間の理解と愛を求めるが、拒絶され疎外されて…。若き女性作家が書いた最も哀切な“怪奇小説”。

    ⚫︎感想
    いろいろなテーマが含まれている
    ・科学至上主義の暴走
    ・外見の美醜が持つ圧倒的な力
    ・内面と外面
    ・創造主と被創造主のパワーバランス
    ・愛とは何か
    非常に悲しい物語である。
    本能として、似て非なるものが最も恐

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    2023年12月01日
  • フランケンシュタイン

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    ネタバレ

    怪奇小説、恐怖小説ではなく、科学者の悲劇の物語でした。怪物を作った科学者は責任を感じ、自らの手での処分を追求し迷宮に入り逡巡する。一方で 怪物は社会性を獲得すべく努力するも容姿で世間から拒絶され、絶望と怨念を抱く。結果、数々の悲しい出来事が発生。科学者と生み出された怪物は分かり合えず、救われない。親子関係、科学者と科学技術の隠喩ともとれますが、お互い幸せを求めていたはずが、同じ社会には存在できなかったんですかね。

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    2023年05月07日
  • フランケンシュタイン

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    小説として折々の表現方法が織り込まれており、綺麗な作品であった。怪物を産み出してしまったフランケンシュタインの苦悩も一人称で色濃く表現され、怪物自身が述懐する場面では誰にも理解してもらえない悲しみとぶつけざるを得ないどす黒い感情も表現される。怪物にも主人公にも同情心が生まれ、正義がどこにもない物悲しい物語であった。
    科学技術の発展が人間の力を越えてしまうことへの危惧ともとれる。作家論に当てはめれば主人公は夫のシェリーのような部分があり、イギリス文学史の中でも一種のランドマークのような要素があるように感じている。

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    2022年12月07日
  • フランケンシュタイン

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    ネタバレ

    原作はこんな話だったのか、と初めて読んでみておどろいた。フランケンシュタインって怪物じゃなくて、怪物を創り出した科学者の名前だったんですね。
    船長ウォルトン→フランケンシュタイン→怪物 の入れ子構造で物語が進みます。

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    2022年11月26日
  • フランケンシュタイン

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    すごいストーリー展開!
    ラストに向かってぐいぐいと突き動かされる。
    こんなに切ない哀しい物語だったとは。

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    2022年06月09日
  • フランケンシュタイン

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    フランケンシュタインの原作。怪物を作り出したフランケンシュタイン博士の苦しみと、知能と優しさを持ちながらも醜悪な姿のため恐れられ人間を恨むようになった怪物の悲しい話。

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    2022年05月19日
  • ご遺体

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    ネタバレ

    1948年発表。原題は「The Loved One」で、岩波文庫からも『愛されたもの』というタイトルで出版されている。ハリウッドにあるペットの葬儀屋で働くイギリス人のデニス、大手の葬儀社「囁きの園」を訪れたデニスは、そこで働くエイメに恋をする。しかし、エイメの上司で遺体処理師のジョイボーイも彼女に気がある様子。

    遺体処理の工程や、霊園の区画分けや価格設定など、「囁きの園」は非常にシステマティックに運営されている。現在の日本ではあまり抵抗を感じないけれど、カトリックを信仰していたウォーにとっては不謹慎に思えたに違いない。(カトリックでは死後の復活を信じているので、埋葬方法も伝統的に土葬が中心だ

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    2022年04月14日
  • イギリス紳士のユーモア

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    ネタバレ

    紳士の定義、ライフ・スタイル、時代による紳士像の変遷などを、筆者の実体験をまじえながら軽妙な語り口で紹介している。現代の貴族は着古した服を普段着にしていることや、紳士の集まる会員制のクラブなど、どれも興味深いものばかりだ。

    筆者は、イギリス人の特徴として「我慢強さ」と「余裕」を挙げている。バス亭やスーパーのレジ、チケット売り場など、時間がかかる場合でも文句ひとつ言わずに並んでいるという。そして、感情を爆発させたくなるような場合でも、自分自身を外側から見つめる冷静さと余裕ある態度を失わず、そこから独特のユーモアが生まれてくるとしている。

    第二次大戦中に首相を務めたウィンストン・チャーチルは、

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    2022年04月14日
  • フランケンシュタイン

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    「みんな惨めなやつを嫌うのだ。」
    最初のイメージの、科学が生み出した醜悪で残酷な化け物のホラーではなく、愛を求め、でもその醜さから誰からも愛されない哀れな生き物の悲劇。あの化け物は名前すらないのね。なぜか感情移入してしまう…
    有名なでもストーリーを全然知らない本を読めてよかった。

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    2022年02月26日
  • フランケンシュタイン

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    なかなか読むのに時間がかかりました(笑)
    しかし大学でこの話について学んだ後に思い返すとやはり面白い作品であるということがわかります。知識がないまま読むと少し退屈してしまいそうです。

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    2021年12月24日