藤本隆宏のレビュー一覧

  • 現場主義の競争戦略―次代への日本産業論―

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    日本が生産性の向上に活路を見出したのは、高度成長期に移民を受け入れることがなかったから、という説が面白かった。
    新興国の賃金が上がっているいま、日本の現場の持つ高い生産性は武器になる、という指摘。「良い」現場は自律して生産性を向上してゆく。
    しかし、著者は戦える現場と戦えない現場があるとも指摘するので、戦略は必要。なるほど。ある意味で王道の論。でも視点(上空5mくらい、という立ち位置)が面白いと思った。
    あと、サッカーのたとえが判りやすくて良かった。

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    2014年02月06日
  • 現場主義の競争戦略―次代への日本産業論―

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    東大ものづくり経営研究センター長による日本産業活性化の処方箋。経営からの目線と現場からの目線双方の補完に力点を置く現実的な産業論には説得力がある。

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    2014年02月02日
  • 現場主義の競争戦略―次代への日本産業論―

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    「現場主義の競争戦略」藤本隆宏
    産業論。特になし。

    現場に入りながらの生産技術をしている身としては、現場の論理と本社の論理、どちらも首肯する点があって折り合いをつけるのが難しい。
    現場視点で生き残りを考えるにはどうしたらいいのか?という思いで読みました。
    (4)

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    以下メモ

    p5.”そもそも一つの産業は同種の「現場」の集まりである。”

    産業・現場は、経済学だけで数理的に語れるわけでなく、社会科学的な分析のアプローチが必要。

    産業の表裏の数字:
    表…売上高、成長率、価格など
    裏…生産性、原単位、不良率など

    §1
    危機に陥ったときにこそ現場力の向上を。

    p25.

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    2014年01月31日
  • 現場主義の競争戦略―次代への日本産業論―

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    日本は、多能工型のサッカーチームのような仕事が得意で、ポディションによって役割が決まっている野球型ではないと。現場を数多く見てきて研究している著者だから言えるのかも。本部の勝手な意思ではなく、現場がこの40年行ってきた改善を見ろと。中国などの新興国の賃金があがってくると、多能工型の日本の仕事の仕方は、競争力がでてくると説く。おもしろかった。

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    2014年01月23日
  • 現場主義の競争戦略―次代への日本産業論―

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    東大の経営学者の藤本隆宏さんの本。

    正直、突っ込みどころはたくさんあるが、日本の経営学者には珍しく企業に入り込んでいる感があっていいな。
    日本の経営学の本は哲学みたいな本が多く、企業をバカにするような本が多いが、この本は違う。企業、特に製造現場、特に設計プロセスが好きなんだなと伝わってくるな。
    突っ込みどころとしたら、帯には実証経営学者とあったが、結局どんなモデル仮説を実証したいのかがよくわからなかったことかな。
    でも、結局どんなモデル仮説を導いたのかわからない哲学みたいな経営学の100倍はましだな。

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    2014年01月03日
  • ものづくり成長戦略~「産・金・官・学」の地域連携が日本を変える~

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    カイゼンのお話。
    定年退職された団塊の世代といわれる方々のお話。

    それらを組織的に取り組んだ筆者の実録報告書のような一冊です。

    ただ、この活動は目の前のことに手一杯になりがちな中小企業では絶大な効果が上がると素人目でも感じれました。

    やはり、先人の知恵はうまく活用して、うまく進化していかなければならないと感じました。

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    2013年10月27日
  • 能力構築競争 日本の自動車産業はなぜ強いのか

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     「日本の自動車産業は、なぜこれほどまでに強いのだろうか?」以前から、私の頭の片隅に漠然と存在していた疑問が、本書を読むことで氷解した。

    本書は、わが国の自動車産業が、国際競争でもトップレベルを維持し続け、なぜ世界シェア30%を占めるまでに至ったのか、そして、なぜ21世紀に入った現在も最高益を更新し続けているのかについて、主にトヨタ自動車をケースとして取り上げ、「もの造り経営学」の視点から競争の本質について分析した、興味深い書である。

    著者は、能力構築競争とは、「企業が経営の質を高めるために切磋琢磨し、組織能力を改善することによって深層の競争力レベルで競い合うこと」だと定義し、企業・産業の

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    2013年04月25日
  • 能力構築競争 日本の自動車産業はなぜ強いのか

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    日本のもの造り産業における企業の組織能力に関する1冊。自動車産業を例にしており、とても分かりやすかった。
    日本のもの造り(特に自動車産業)では深層の競争力が高く、すり合せ製品と日本の組織能力はとても相性がよい。深層の競争力とは、顧客が目で見て評価しにくいものである。例えば、開発リードタイム、生産性など。藤本氏は競争を表層の競争力と深層の競争力とに分けられると考えている。表層の競争力は収益につながる。しかし、表層の競争力は深層の競争力によって実現し、高い企業組織能力があって、高い深層の競争力を実現できる。日本の高い組織能力の例として、フロントローディングなどがあげられていた。だが、過剰な能力構築

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    2012年11月30日
  • 能力構築競争 日本の自動車産業はなぜ強いのか

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    日本の競争力を考えるうえで外せない本。「自動車産業は他の産業と、どこが、なぜ違っていたのか」とう問題意識にこだわり索引まで含め406頁も新書であります。

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    2012年09月16日
  • 能力構築競争 日本の自動車産業はなぜ強いのか

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    日本の自動車産業は、製品の品質、世界市場でのシェアなど現在も世界トップレベルにある。
    またカンバン方式、TQCなど日本発の生産システムが「グローバルスタンダード」となっている。
    これほど国際競争力があるのはなぜなのか。
    その強さの秘密に、企業が生産・開発現場で総合的な実力を競いあう「能力構築競争」という観点から迫り、長期不況下にあって自信喪失に陥っている日本企業の再生に向け、明確な指針を提示する。

    [ 目次 ]
    序章 もの造り現場からの産業論
    第1章 自動車産業における競争の本質
    第2章 能力構築競争とは何か
    第3章 なぜ自動車では強かったのか
    第4章 もの造り組織能力の解剖学

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    2011年03月31日
  • 能力構築競争 日本の自動車産業はなぜ強いのか

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    会社で上司に渡された本
    日本の自動車産業における競争力の源泉を「表層」「深層」に区別し解説

    業務においても非常にためになった

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    2009年10月04日
  • 能力構築競争 日本の自動車産業はなぜ強いのか

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    今日のトヨタをはじめとした日本の自動車メーカのものづくりが世界で
    通用しているのかを過程に基づき説明し、将来も競争に負けない
    自動車産業の目指す姿、他の製造業にも応用できる事柄を説明した本。

    アメリカの自動車に依存してきた日本の自動車生産から日本独自の自動車
    生産に進化したのは、QCD+F(プラットフォーム共通化等による生産柔軟性)を
    粘り強く・しぶとく磨き上げていることが一番大きな要因と語る(p.15)。

    能力構築競争とは、企業が経営の質を高めるために切磋琢磨することと定義している。
    上記の結論はタイトルを反映した内容となっており、筋の通った本だと考えられる。

    本書では以下7つの

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    2009年10月04日
  • 現場から見上げる企業戦略論 デジタル時代にも日本に勝機はある

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    製造業のデジタル化を進める上で、上層と言われるICT分野(GAFAを代表とするような企業群のソフトウェア企業)と地上のFA層(中堅中小企業が織りなす現場の部分)の中間をいかに制圧できるかが大事。その制圧の鍵は、競争領域と非競争領域を区別することと、現場の流れをきちんと整理することであった。製造業デジタル化を行ううえで、現場の目線を補うときに再読したい本

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    2021年03月08日
  • ものづくりの反撃

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    大学教授3名による対談形式ですすむ。目立たないだけで、日本の中小企業は黒字の会社も多い。クローズアップされる赤字の会社のため、全体的に中小企業は苦労していると思われているらしい。大企業でも大変な会社はたくさんある。

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    2019年01月20日
  • 現場から見上げる企業戦略論 デジタル時代にも日本に勝機はある

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    現場に視点を置いた、企業経営論。ハーバードビジネススクール博士号取得者であり、ハーバード的な発想に基づく理論になっている。また、ジョン・コッターをはじめとするハーバードの著作を参照している。思ったほど新たな知識を得られたとは思えない。
    「移民の国アメリカは、歴史的に見ても、外国人や移民も含め優秀な技術人材を即戦力で使う分業型システムを組織能力上の特徴としており、よって、得意とするのは知識集約的モジュラー型製品である。パソコン、インターネット、スマートフォン、新規金融商品などがその例であろう(日本は、労働集約的なインテグラル型で擦り合わせ型製品を得意とする(自動車、ロボット、高性能部品、炭素繊

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    2018年10月21日
  • ものづくりからの復活―円高・震災に現場は負けない

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    引き続き藤本氏の著書。
    「…今回の大震災からの復旧局面では、被災した民間企業の本社と現場の間で、見事な連係プレーが見られ、目覚ましい復旧が多くの被災現場で実現した。工場も、鉄道や道路の幹線も、そして送電網も、である。要するに『復旧』という目標は、現場にとっても本社にとっても明瞭であるから、このところ本社と現場の間がギクシャクしていた会社であっても、久しぶりに両者の見事なチームプレーが見られたのである。
     このように、日本の組織は、概して復旧・復興の局面には強い。再建の目標が定まれば、互いの配慮と幅広い分業が、高い調整能力をもたらすからだ。過去、戦災後・災害後の再建の速さで世界を驚かせてきた。今

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    2021年08月08日
  • 現場から見上げる企業戦略論 デジタル時代にも日本に勝機はある

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    ネタバレ

    低空に活路を見出すことを示唆する藤本先生の主張に納得。中小企業の「地元の雇用を守るため、仕事を探す・創る」という考え方は、机上の経営戦略では考えにくいが、非常に納得できる。

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    2018年05月23日
  • ものづくりの反撃

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    こう言う価値観や思想が全く一致している人たちの鼎談って意味があるのかな?別に一人が話しているのと全然変わらない。
    著者らの主張は単純明快で、失われた20年はバブル崩壊が原因ではなくて、たまたま冷戦終結と同時に中国の市場デビューとエレクトロニクス革命によるモジュール化が同時に進行した特殊事情であって、中国とのコスト差は中国の必然的な賃金上昇と日本の生産性改善でキャッチアップしてきたので悲観することはない、というもの。その主張は一理あると思うが、でもこの人たちはごく一部の強い現場しか見ていない気がする。何の特徴もない工場にこう言う偉い先生方は行かないものね。
    インダストリ4.0の本質について言えば

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    2016年10月15日
  • 現場主義の競争戦略―次代への日本産業論―

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    現場から 考える という視点は重要だ。
    しかし、今の時代を『複雑化』という言葉というか
    キイワードで 解こうとするところに 無理があるのでは。

    組み合わせ、擦り合わせ。
    ふーむ、日本的な コミュニケーションの密度と濃度が
    いかされるにしても
    日本が 『設計の複雑化』で生き残るという仮説が
    いがいと 安易なんだよね。

    モジュラー型は 中国にのっとられる
    というのは、理解できるが、
    モジュラー型にも ボトルネックがあるはずだ。

    『摺り合わせる』という能力が
    ホントに 日本の会社風土の中に きちんとあるのだろうか?

    安全性、燃費性、環境規制、コスト競争が厳しくなり
    『設計が複雑化する。』

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    2016年04月20日
  • ものづくりの反撃

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    日本の製造業の現場の強さ、人件費以外は、独自技術・新製品提案・不良率・顧客満足度・生産性・納期など、全てが優位。マザー工場として海外拠点を指導。モジュラー系では負けるが、高性能なインテグラル系に強みを持つ。

    日本はダメ、製造業はダメ、中小はダメ、なんて、ひとからげで見てはダメなんだって思いました。

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    2016年10月09日