藤本隆宏のレビュー一覧

  • 現場主義の競争戦略―次代への日本産業論―

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    東大ものづくり経営研究センター長による日本産業活性化の処方箋。経営からの目線と現場からの目線双方の補完に力点を置く現実的な産業論には説得力がある。

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    2014年02月02日
  • 現場主義の競争戦略―次代への日本産業論―

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    「現場主義の競争戦略」藤本隆宏
    産業論。特になし。

    現場に入りながらの生産技術をしている身としては、現場の論理と本社の論理、どちらも首肯する点があって折り合いをつけるのが難しい。
    現場視点で生き残りを考えるにはどうしたらいいのか?という思いで読みました。
    (4)

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    以下メモ

    p5.”そもそも一つの産業は同種の「現場」の集まりである。”

    産業・現場は、経済学だけで数理的に語れるわけでなく、社会科学的な分析のアプローチが必要。
    ↓
    産業の表裏の数字:
    表…売上高、成長率、価格など
    裏…生産性、原単位、不良率など

    §1
    危機に陥ったときにこそ現場力の向上を。

    p25.日本が得意な製品…細かい設計調整をやらないと良い性能が出ない「擦り合わせ型」設計の製品
    ↓
    ひとつの画期的なアイデアより、”作り込み”の側面

    p37.「ものづくり組織能力」と「アーキテクチャ」の相性が重要
    ↓
    設計⇆生産

    きりがない要求に対するソリューションが、擦り合わせ型、作り込み型のものづくり
    (「こんな制約条件の中で設計しろと言われても無理だよ」)

    設計の複雑性 なら勝てる

    p45.
    ”では、どんな現場が残すべき「良い現場」なのか”
    低コスト/高生産性/短いリードタイム/高品質・高技術/進化し続けている/etc…

    ”長期的に国内にどんな現場が残れるかは最後は市場や社会が決めることですが、市場による淘汰は結構、長い時間を要します。”

    p47.本社は現場の生きたデータを知る。現場は本社に生きたデータを伝える努力をする。

    p52.ケースバイケースで、「設計過剰」な高コストとなることもある=新興国市場
    ↓
    作り込み とは別にシンプルな設計も要望

    p55.付加価値は設計情報に宿る

    「ものづくりの時代からサービスの時代だ」という議論自体の発想そのものが古い。

    p57.良い設計の良い流れ とは
    いわゆる 生産工程の効率化
    ↓
    貿易財に見習う‼︎

    p63.現場改善は、「正しいけど、そこまで言われたくない」という人も少なからずいる。

    生産性⇔賃金⇔資本 の循環から需要が生まれる

    §2

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    2014年01月31日
  • 現場主義の競争戦略―次代への日本産業論―

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    日本は、多能工型のサッカーチームのような仕事が得意で、ポディションによって役割が決まっている野球型ではないと。現場を数多く見てきて研究している著者だから言えるのかも。本部の勝手な意思ではなく、現場がこの40年行ってきた改善を見ろと。中国などの新興国の賃金があがってくると、多能工型の日本の仕事の仕方は、競争力がでてくると説く。おもしろかった。

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    2014年01月23日
  • 現場主義の競争戦略―次代への日本産業論―

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    東大の経営学者の藤本隆宏さんの本。

    正直、突っ込みどころはたくさんあるが、日本の経営学者には珍しく企業に入り込んでいる感があっていいな。
    日本の経営学の本は哲学みたいな本が多く、企業をバカにするような本が多いが、この本は違う。企業、特に製造現場、特に設計プロセスが好きなんだなと伝わってくるな。
    突っ込みどころとしたら、帯には実証経営学者とあったが、結局どんなモデル仮説を実証したいのかがよくわからなかったことかな。
    でも、結局どんなモデル仮説を導いたのかわからない哲学みたいな経営学の100倍はましだな。

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    2014年01月03日
  • ものづくり成長戦略~「産・金・官・学」の地域連携が日本を変える~

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    カイゼンのお話。
    定年退職された団塊の世代といわれる方々のお話。

    それらを組織的に取り組んだ筆者の実録報告書のような一冊です。

    ただ、この活動は目の前のことに手一杯になりがちな中小企業では絶大な効果が上がると素人目でも感じれました。

    やはり、先人の知恵はうまく活用して、うまく進化していかなければならないと感じました。

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    2013年10月27日
  • 能力構築競争 日本の自動車産業はなぜ強いのか

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     「日本の自動車産業は、なぜこれほどまでに強いのだろうか?」以前から、私の頭の片隅に漠然と存在していた疑問が、本書を読むことで氷解した。

    本書は、わが国の自動車産業が、国際競争でもトップレベルを維持し続け、なぜ世界シェア30%を占めるまでに至ったのか、そして、なぜ21世紀に入った現在も最高益を更新し続けているのかについて、主にトヨタ自動車をケースとして取り上げ、「もの造り経営学」の視点から競争の本質について分析した、興味深い書である。

    著者は、能力構築競争とは、「企業が経営の質を高めるために切磋琢磨し、組織能力を改善することによって深層の競争力レベルで競い合うこと」だと定義し、企業・産業の長期的な発展パターンを、この「能力構築競争」という視点から分析している。

    著者はこの視点を軸に、自動車企業の長期的反映の重要な要件として、①顧客や株主を満足させることのみでなく労働者に人気があること、②地域社会への貢献が認められていること、③サプライヤーと長期的に共存共栄できることを要件とし、従ってこの用件を満たすことにより、わが国の自動車産業は強さを誇ってきたと述べている。
    そこで私は、今日の競争力の形成にあたって必要な条件として、企業の社会的責任(CSR)の徹底を、④として提案したい。なぜならば(①~③にも当然含まれていると思うが)、現代企業に求められる社会的な責任は、従来の経済的あるいは法的な企業の責任を大きく超えた概念にまで広がっているからである。特に欧米を中心として、CSRは広く浸透しており、社会的責任投資というスタイルまで確立されている。CSRは競争力強化のためには、もはや不可欠の要素となっている。

    つまり、「法令順守やコーポレートガバナンスなど、倫理面や経済性への配慮」を含めた①~④が競争力の重要なポイントになる。その結果として、「リスク・マネジメントの強化」、「ブランド価値の向上」、「優秀な人材の確保」、「市場からの評価」といった企業の長期的な安定性や成長性のための要件が確保されるのではないかと考える。

    また、本書では、自動車産業の光のあたる部分だけでなく、もの造り能力と戦略能力のアンバランスなど、能力構築競争によって生じた影の部分にも触れており、製造業の現状分析として、誠実に向き合っている。

    以前、トヨタ自動車のグループ企業に勤務していた私にとって、「QC」「かんばん方式」などは日常的に実践していたことであり、本書の内容は、非常に身近に感じることができた。実際、トヨタ企業では、製造ラインは勿論、情報システムや経理、営業に至るまで、品質向上や環境対策などの「カイゼン」意識が従業員に広く浸透している。その意味においては、現場において競争力は今現在も常に向上しているのである。

    「もの造り」は平成不況とともに評価は低くなり、悲観論がささやかれてきたが、実は自動車産業においては、いまだ競争力は強さを維持し続けていることが、本書を読むことによって理解できた。企業にとっては、業種・規模を問わず、「深層の競争力レベル」の維持・向上が、共通、しかも今日的な課題になっているのではないだろうか。その解決のためのヒントが、本書では述べられていると思う。

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    2013年04月25日
  • 能力構築競争 日本の自動車産業はなぜ強いのか

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    日本のもの造り産業における企業の組織能力に関する1冊。自動車産業を例にしており、とても分かりやすかった。
    日本のもの造り(特に自動車産業)では深層の競争力が高く、すり合せ製品と日本の組織能力はとても相性がよい。深層の競争力とは、顧客が目で見て評価しにくいものである。例えば、開発リードタイム、生産性など。藤本氏は競争を表層の競争力と深層の競争力とに分けられると考えている。表層の競争力は収益につながる。しかし、表層の競争力は深層の競争力によって実現し、高い企業組織能力があって、高い深層の競争力を実現できる。日本の高い組織能力の例として、フロントローディングなどがあげられていた。だが、過剰な能力構築だといわれるようなこともあり、確かにそうだとも言える。しかし、もの造りにおいて、組織能力を構築することが大切。それを活かす戦略に日本は弱さを持っており、欧米などを手本に見習う必要があると藤本氏は指摘。
    深層の競争力が強くなったことを過去の歴史と共に説明していて、とても分かりやすかった。創発によって企業の組織能力は高められるが、それは必ずしも意図した経路からは生み出されない。結果的によかったといった事後的に合理的なこともある。どのプロセスをたどろうが、進化しようとする意志がなければ、組織能力は高まらないと思った。これは日常生活でも同じように感じる。運がいいとか悪いとか関係なく、そのときのチャンスをものにするのは日々の努力。運を引き寄せる努力を日常からすべきだと感じた。

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    2012年11月30日
  • 能力構築競争 日本の自動車産業はなぜ強いのか

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    日本の競争力を考えるうえで外せない本。「自動車産業は他の産業と、どこが、なぜ違っていたのか」とう問題意識にこだわり索引まで含め406頁も新書であります。

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    2012年09月16日
  • 能力構築競争 日本の自動車産業はなぜ強いのか

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    日本の自動車産業は、製品の品質、世界市場でのシェアなど現在も世界トップレベルにある。
    またカンバン方式、TQCなど日本発の生産システムが「グローバルスタンダード」となっている。
    これほど国際競争力があるのはなぜなのか。
    その強さの秘密に、企業が生産・開発現場で総合的な実力を競いあう「能力構築競争」という観点から迫り、長期不況下にあって自信喪失に陥っている日本企業の再生に向け、明確な指針を提示する。

    [ 目次 ]
    序章 もの造り現場からの産業論
    第1章 自動車産業における競争の本質
    第2章 能力構築競争とは何か
    第3章 なぜ自動車では強かったのか
    第4章 もの造り組織能力の解剖学
    第5章 能力構築の軌跡―二十世紀後半の自動車産業
    第6章 創発的な能力構築の論理
    第7章 紛争―脇役としての貿易摩擦
    第8章 協調―競争を補完する提携ネットワーク
    第9章 欧米の追い上げと日本の軌道修正
    第10章 能力構築競争は続く

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

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    2011年03月31日
  • 能力構築競争 日本の自動車産業はなぜ強いのか

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    会社で上司に渡された本
    日本の自動車産業における競争力の源泉を「表層」「深層」に区別し解説

    業務においても非常にためになった

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    2009年10月04日
  • 能力構築競争 日本の自動車産業はなぜ強いのか

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    今日のトヨタをはじめとした日本の自動車メーカのものづくりが世界で
    通用しているのかを過程に基づき説明し、将来も競争に負けない
    自動車産業の目指す姿、他の製造業にも応用できる事柄を説明した本。

    アメリカの自動車に依存してきた日本の自動車生産から日本独自の自動車
    生産に進化したのは、QCD+F(プラットフォーム共通化等による生産柔軟性)を
    粘り強く・しぶとく磨き上げていることが一番大きな要因と語る(p.15)。

    能力構築競争とは、企業が経営の質を高めるために切磋琢磨することと定義している。
    上記の結論はタイトルを反映した内容となっており、筋の通った本だと考えられる。

    本書では以下7つの問題を設定し、筆者の考えを述べている。
    1.競争力の本質は? →統合的なバランス力
    2.なぜ自動車産業が注目されるのか? →様々な部門のすり合わせによるつくられる製品ゆえ
    3.競争力がつくまでの過程は? →当事者が予期せぬ問題を地道に解決するサイクルを回した
    4.外部要因が与えた影響は? →早期問題発見による早期解決(フロントローディイング)、為替差損による海外企業に対するビハインドを危機感として能力構築を地道に行った。
    5.競合が追いつけないのは? →日本のシステムを解読するのに時間がかかっている。
    6.弱点とその克服について →Q向上による過剰設計が課題であったが、簡素設計を意識し克服。
    7.利益を上げるには? →利益確保の長期戦略のイメージが課題

    <参考になった部分>
    ・製品の認知度が上がったときにユーザはトータルバランス、ユーザが使う環境下での
     導入のしやすさで製品の価値を考える。(p.56)
    ・ものづくりは設計情報の転写の繰り返し。転写がうまくできれば開発期間の短縮・生産
     リードタイムの短縮化がはかれる。(p.85)
    ・生産性の向上は各工程ごとにスピードアップを図ることを意識(海外メーカ)よりも
     ものができあがるまでのトータル時間を短くする(トヨタの視点)が大事。(p.116)
    ・開発は重量級PMが製品コンセプトを創造し、それに沿って各部門が動き
     ものを作り上げてきた。強いPMが製品の全ての責任を負うシステムが結果を挙げている。(p.120)
    ・新規市場開拓は早いうちに初期開発品を市場投入し、市場を把握しイメージを作る。
     次に開発品の質を高めつつ、ラインナップをそろえることを限られたコストで実行する。(p.122)
    ・改善活動は上に提案される前に、事前検証を行いデータもそろえた状態で提案されることがトヨタでは徹底されている(p.135)
     → 他者の説得はデータに基づいて行われる。
    ・新規産業創出のための開発:ティアダウン→試作→国内部品の作りこみ→国内産業の活性化(p.147)
    ・関連技術保有技術者の採用による強い開発体制づくり(p.192)
    ・コモディティー化:製品の差異化が図れず、価格勝負しかない状況(p.260)
    ・世界規模の産業創出は1企業だけでは難しい。関連企業や国も巻き込む(p.262)
    ・マツダのユーノスロードスターは1人のPMが開発を始めた所から大ヒットを生むに至る(p.321)


    <さらなる疑問>
    生産計画に修正があった時、ジャストインタイムは崩れないのか?

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    2009年10月04日
  • 日本のものづくり哲学(増補版)

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    製造業に関する20年前の自分の分析の「答え合わせ」を行う解題部分がめちゃくちゃ面白い。
    原著の時点では、中国との賃金格差は約20倍、日産のゴーン改革は成功事例、トヨタの売上高は20兆円程度であり、それからの20年で世の中は大きく変化しました。
    本書の発行時の著者の見解によれば、擦り合わせ型製品においては、比較優位な日本企業の競走力の発揮の点で、ポスト冷戦期のこれまでの停滞期とは異なり、今後、明るい展望が期待できます!

    【引用】
    戦後の最初の四十年は、東西分断による「中国の不参加」によって、日本製造業は東アジアで一人勝ちだったが、冷戦時代に蓄積していた巨大な賃金ハンデが、冷戦終結で突然顕在化し、その後三十年間の「ポスト冷戦期」、日本の国内工場は苦戦の連続だった。しかしそこで諦めず、能力構築(体力蓄積)を続けていた国内企業の多くは、現在、国内で戦える状況になってきたのである。それが、二〇二二年、二三年に、工業製品の輸出額が約九十兆円で史上最高となったことの背景である。

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    2026年02月06日
  • 現場から見上げる企業戦略論 デジタル時代にも日本に勝機はある

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    製造業のデジタル化を進める上で、上層と言われるICT分野(GAFAを代表とするような企業群のソフトウェア企業)と地上のFA層(中堅中小企業が織りなす現場の部分)の中間をいかに制圧できるかが大事。その制圧の鍵は、競争領域と非競争領域を区別することと、現場の流れをきちんと整理することであった。製造業デジタル化を行ううえで、現場の目線を補うときに再読したい本

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    2021年03月08日
  • ものづくりの反撃

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    大学教授3名による対談形式ですすむ。目立たないだけで、日本の中小企業は黒字の会社も多い。クローズアップされる赤字の会社のため、全体的に中小企業は苦労していると思われているらしい。大企業でも大変な会社はたくさんある。

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    2019年01月20日
  • 現場から見上げる企業戦略論 デジタル時代にも日本に勝機はある

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    現場に視点を置いた、企業経営論。ハーバードビジネススクール博士号取得者であり、ハーバード的な発想に基づく理論になっている。また、ジョン・コッターをはじめとするハーバードの著作を参照している。思ったほど新たな知識を得られたとは思えない。
    「移民の国アメリカは、歴史的に見ても、外国人や移民も含め優秀な技術人材を即戦力で使う分業型システムを組織能力上の特徴としており、よって、得意とするのは知識集約的モジュラー型製品である。パソコン、インターネット、スマートフォン、新規金融商品などがその例であろう(日本は、労働集約的なインテグラル型で擦り合わせ型製品を得意とする(自動車、ロボット、高性能部品、炭素繊維など)」p228
    「かつて、自動車産業は日本の製造業の約1割を占めていたが、ポスト冷戦期以降、自動車と並ぶ輸出の花形だった家電エレクトロニクス産業が国際競争力を失うに従い、自動車産業の比率は現在では2割近くにまで高まっている」p232
    「自動車産業は21世紀前半、新規参入はあるとしても、既存企業が存在感をもつ産業であり続けるだろう。この産業を動かすのは急速な進化であり、ICTの世界のような革命ではないのだ」p235
    「私が尊敬するある社長は、訪問すると作業服を着て来られ、一緒に工場を歩いて各工程の詳細を自分で説明され、従業員に声をかけ、そして部屋に戻ると世界市場の動向と次の大きな打ち手の話を始める。地球儀も現場もまるごと頭に入っているこうした社長あるいは工場長は、全国を回ればたくさんおられる」p280
    「プロデューサーとよく対比されるのは、まとまりのよいインテグラルな人工物を、細かいところからつくり込んでいく職人的なリーダー「ディレクター」である。オーケストラの指揮者はディレクター、音楽監督はプロデューサーである。グローバル企業にはどちらも必要であり、両者が連携して会社や現場で大きな仕事をする例も多い。日本企業の場合、自動車の開発リーダーなどディレクター人材は比較的豊富だが、プロデューサー人材が不足しているといわれてきた」p306

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    2018年10月21日
  • ものづくりからの復活―円高・震災に現場は負けない

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    引き続き藤本氏の著書。
    「…今回の大震災からの復旧局面では、被災した民間企業の本社と現場の間で、見事な連係プレーが見られ、目覚ましい復旧が多くの被災現場で実現した。工場も、鉄道や道路の幹線も、そして送電網も、である。要するに『復旧』という目標は、現場にとっても本社にとっても明瞭であるから、このところ本社と現場の間がギクシャクしていた会社であっても、久しぶりに両者の見事なチームプレーが見られたのである。
     このように、日本の組織は、概して復旧・復興の局面には強い。再建の目標が定まれば、互いの配慮と幅広い分業が、高い調整能力をもたらすからだ。過去、戦災後・災害後の再建の速さで世界を驚かせてきた。今回もそうした現場の統合型の組織能力が発揮され、本社・本部の力がそれに合流すれば、震災直後にあった日本への世界の同情や好意は、長期的には世界からの信頼に転化しうる。被災地のみならず、日本全体の組織体にとって、今が正念場であると同時に、チャンスでもあるのだ。」
    著者は徹底して「日本の良い現場を残そう」と主張している。その視点で、震災後の復旧で組織能力が発揮されたというのは、説得力がある。
    その他、以下に引用。
    「要するに、よく言われるところの円高も震災も税金も電力供給も、産業空洞化の直接の原因ではない。仮にマクロレベルの『産業空洞化』を『自然な産業構造転換を超えたペースで国内現場の消失が進み、国民の生活水準を必要以上に低下させること』と規定するなら、その直接の原因は、円高などの客観要因でなく、円高による空洞化を不可避と考える経営者の心理の中にこそある。」
    「企業の現場の組織能力は、その現場がたどった歴史的経路と、企業間・現場間の能力構築競争を通じた組織的な努力によって錬成される。一方、製品のアーキテクチャも、技術や市場ニーズの特性の影響を受ける形で進化する。そして、ある企業の現場の組織能力と、当該製品・工程のアーキテクチャとのフィット(相性)が良い場合に、その現場の競争力(生産性、原価、リードタイム、不良率など「裏の競争力」)が高まり、それが市場におけるその製品の競争力(価格や商品力など「表の競争力」)につながる。」
    「たしかに、これまでの日本のサプライチェーンは、今回のような広域の激甚災害はあまり想定しておらず、その意味では競争力に偏していたかもしれない。しかし、とくに円高や不況に直面する近年の日本の貿易財産業では、国内の現場や製品の競争力を低下させながら、ひたすら災害に対する頑健性を強化したのでは、日々のグローバル競争で劣勢となり、次の大災害を待たずに衰退・消滅する危険さえある。つまり、競争力強化の視野を欠いた頑健性の追求は、長期的には得策ではない。」
    「シンプルなモジュラー型製品の比重が急拡大したため、世界中の製品設計は平均すればシンプル化の方向へ向かったわけであるが、その反面、個々の顧客の機能要求や、製品に対する環境・エネルギー・安全制約などは、所得の上昇により高まる傾向がある。日本の時代がまた来るとまでは言わないが、少なくとも直近の悪材料に引きずられて、日本の『複雑なインテグラル型製品』に対する極端な逆風が、未来永劫続くと考えるべきではなかろう。」

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    2021年08月08日
  • 現場から見上げる企業戦略論 デジタル時代にも日本に勝機はある

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    ネタバレ

    低空に活路を見出すことを示唆する藤本先生の主張に納得。中小企業の「地元の雇用を守るため、仕事を探す・創る」という考え方は、机上の経営戦略では考えにくいが、非常に納得できる。

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    2018年05月23日
  • ものづくりの反撃

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    こう言う価値観や思想が全く一致している人たちの鼎談って意味があるのかな?別に一人が話しているのと全然変わらない。
    著者らの主張は単純明快で、失われた20年はバブル崩壊が原因ではなくて、たまたま冷戦終結と同時に中国の市場デビューとエレクトロニクス革命によるモジュール化が同時に進行した特殊事情であって、中国とのコスト差は中国の必然的な賃金上昇と日本の生産性改善でキャッチアップしてきたので悲観することはない、というもの。その主張は一理あると思うが、でもこの人たちはごく一部の強い現場しか見ていない気がする。何の特徴もない工場にこう言う偉い先生方は行かないものね。
    インダストリ4.0の本質について言えば、SiemensやSAPの言を借りれば、『汎用技術が専用技術を置き換えること』、『異次元の見える化』と定義していて、ちょっと著者らの感覚と違うな、と感じる。必要以上に脅威に感じる必要はないが、表面だけ見て解った気になって見くびるのは最悪だと思う。

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    2016年10月15日
  • 現場主義の競争戦略―次代への日本産業論―

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    現場から 考える という視点は重要だ。
    しかし、今の時代を『複雑化』という言葉というか
    キイワードで 解こうとするところに 無理があるのでは。

    組み合わせ、擦り合わせ。
    ふーむ、日本的な コミュニケーションの密度と濃度が
    いかされるにしても
    日本が 『設計の複雑化』で生き残るという仮説が
    いがいと 安易なんだよね。

    モジュラー型は 中国にのっとられる
    というのは、理解できるが、
    モジュラー型にも ボトルネックがあるはずだ。

    『摺り合わせる』という能力が
    ホントに 日本の会社風土の中に きちんとあるのだろうか?

    安全性、燃費性、環境規制、コスト競争が厳しくなり
    『設計が複雑化する。』
    ここでいう 『設計』と『ながれ』は、重要な言葉。

    サッカー型統合型の日本 調整集約的で、擦り合わせ型。
    多能工のチームワーク。移民なき高度成長。
    野球型分類型のアメリカ。

    現場主義で 『良い現場』であるべきだ
    というが、『悪い現場』をつくりたいわけでない。
    『良い現場』によって、日本は生き残る
    というのは、正しいが。
    その正しさが どうも 表面上で あまり面白くないのである。
    そして、モノづくり という視点が
    販売やマーケティングにたいして あまり考察されないのも
    一方的で 良いものをつくっているのに 売れないと言う
    現在の抱えている問題が、解決されないままにある。

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    2016年04月20日
  • ものづくりの反撃

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    日本の製造業の現場の強さ、人件費以外は、独自技術・新製品提案・不良率・顧客満足度・生産性・納期など、全てが優位。マザー工場として海外拠点を指導。モジュラー系では負けるが、高性能なインテグラル系に強みを持つ。

    日本はダメ、製造業はダメ、中小はダメ、なんて、ひとからげで見てはダメなんだって思いました。

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    2016年10月09日