藤本隆宏のレビュー一覧
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「現場主義の競争戦略」藤本隆宏
産業論。特になし。
現場に入りながらの生産技術をしている身としては、現場の論理と本社の論理、どちらも首肯する点があって折り合いをつけるのが難しい。
現場視点で生き残りを考えるにはどうしたらいいのか?という思いで読みました。
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以下メモ
p5.”そもそも一つの産業は同種の「現場」の集まりである。”
産業・現場は、経済学だけで数理的に語れるわけでなく、社会科学的な分析のアプローチが必要。
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産業の表裏の数字:
表…売上高、成長率、価格など
裏…生産性、原単位、不良率など
§1
危機に陥ったときにこそ現場力の向上を。
p25. -
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「日本の自動車産業は、なぜこれほどまでに強いのだろうか?」以前から、私の頭の片隅に漠然と存在していた疑問が、本書を読むことで氷解した。
本書は、わが国の自動車産業が、国際競争でもトップレベルを維持し続け、なぜ世界シェア30%を占めるまでに至ったのか、そして、なぜ21世紀に入った現在も最高益を更新し続けているのかについて、主にトヨタ自動車をケースとして取り上げ、「もの造り経営学」の視点から競争の本質について分析した、興味深い書である。
著者は、能力構築競争とは、「企業が経営の質を高めるために切磋琢磨し、組織能力を改善することによって深層の競争力レベルで競い合うこと」だと定義し、企業・産業の -
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日本のもの造り産業における企業の組織能力に関する1冊。自動車産業を例にしており、とても分かりやすかった。
日本のもの造り(特に自動車産業)では深層の競争力が高く、すり合せ製品と日本の組織能力はとても相性がよい。深層の競争力とは、顧客が目で見て評価しにくいものである。例えば、開発リードタイム、生産性など。藤本氏は競争を表層の競争力と深層の競争力とに分けられると考えている。表層の競争力は収益につながる。しかし、表層の競争力は深層の競争力によって実現し、高い企業組織能力があって、高い深層の競争力を実現できる。日本の高い組織能力の例として、フロントローディングなどがあげられていた。だが、過剰な能力構築 -
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ネタバレ[ 内容 ]
日本の自動車産業は、製品の品質、世界市場でのシェアなど現在も世界トップレベルにある。
またカンバン方式、TQCなど日本発の生産システムが「グローバルスタンダード」となっている。
これほど国際競争力があるのはなぜなのか。
その強さの秘密に、企業が生産・開発現場で総合的な実力を競いあう「能力構築競争」という観点から迫り、長期不況下にあって自信喪失に陥っている日本企業の再生に向け、明確な指針を提示する。
[ 目次 ]
序章 もの造り現場からの産業論
第1章 自動車産業における競争の本質
第2章 能力構築競争とは何か
第3章 なぜ自動車では強かったのか
第4章 もの造り組織能力の解剖学 -
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今日のトヨタをはじめとした日本の自動車メーカのものづくりが世界で
通用しているのかを過程に基づき説明し、将来も競争に負けない
自動車産業の目指す姿、他の製造業にも応用できる事柄を説明した本。
アメリカの自動車に依存してきた日本の自動車生産から日本独自の自動車
生産に進化したのは、QCD+F(プラットフォーム共通化等による生産柔軟性)を
粘り強く・しぶとく磨き上げていることが一番大きな要因と語る(p.15)。
能力構築競争とは、企業が経営の質を高めるために切磋琢磨することと定義している。
上記の結論はタイトルを反映した内容となっており、筋の通った本だと考えられる。
本書では以下7つの -
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現場に視点を置いた、企業経営論。ハーバードビジネススクール博士号取得者であり、ハーバード的な発想に基づく理論になっている。また、ジョン・コッターをはじめとするハーバードの著作を参照している。思ったほど新たな知識を得られたとは思えない。
「移民の国アメリカは、歴史的に見ても、外国人や移民も含め優秀な技術人材を即戦力で使う分業型システムを組織能力上の特徴としており、よって、得意とするのは知識集約的モジュラー型製品である。パソコン、インターネット、スマートフォン、新規金融商品などがその例であろう(日本は、労働集約的なインテグラル型で擦り合わせ型製品を得意とする(自動車、ロボット、高性能部品、炭素繊 -
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引き続き藤本氏の著書。
「…今回の大震災からの復旧局面では、被災した民間企業の本社と現場の間で、見事な連係プレーが見られ、目覚ましい復旧が多くの被災現場で実現した。工場も、鉄道や道路の幹線も、そして送電網も、である。要するに『復旧』という目標は、現場にとっても本社にとっても明瞭であるから、このところ本社と現場の間がギクシャクしていた会社であっても、久しぶりに両者の見事なチームプレーが見られたのである。
このように、日本の組織は、概して復旧・復興の局面には強い。再建の目標が定まれば、互いの配慮と幅広い分業が、高い調整能力をもたらすからだ。過去、戦災後・災害後の再建の速さで世界を驚かせてきた。今 -
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こう言う価値観や思想が全く一致している人たちの鼎談って意味があるのかな?別に一人が話しているのと全然変わらない。
著者らの主張は単純明快で、失われた20年はバブル崩壊が原因ではなくて、たまたま冷戦終結と同時に中国の市場デビューとエレクトロニクス革命によるモジュール化が同時に進行した特殊事情であって、中国とのコスト差は中国の必然的な賃金上昇と日本の生産性改善でキャッチアップしてきたので悲観することはない、というもの。その主張は一理あると思うが、でもこの人たちはごく一部の強い現場しか見ていない気がする。何の特徴もない工場にこう言う偉い先生方は行かないものね。
インダストリ4.0の本質について言えば -
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現場から 考える という視点は重要だ。
しかし、今の時代を『複雑化』という言葉というか
キイワードで 解こうとするところに 無理があるのでは。
組み合わせ、擦り合わせ。
ふーむ、日本的な コミュニケーションの密度と濃度が
いかされるにしても
日本が 『設計の複雑化』で生き残るという仮説が
いがいと 安易なんだよね。
モジュラー型は 中国にのっとられる
というのは、理解できるが、
モジュラー型にも ボトルネックがあるはずだ。
『摺り合わせる』という能力が
ホントに 日本の会社風土の中に きちんとあるのだろうか?
安全性、燃費性、環境規制、コスト競争が厳しくなり
『設計が複雑化する。』
こ