ハーバードでMBAを取得し、ゴールドマンサックス、マッキンゼーでの勤務経験のある著者が、優秀なビジネスマンの仕事のやり方を紹介した本。ビジネスの世界では、ハーバードでMBAを取得し、ゴールドマンサックスやマッキンゼーで働くビジネスマン達は、その優秀さで頂点に立つ人たちであろう。実際にそのような道を歩み、そのような人たちを身近に見てきた著者の意見には説得力があった。内容も簡潔でわかりやすい。
「(人の名前を覚える)これから当てようとする学生の名札をチラ見し、自分のおぼろげな記憶とマッチさせた後、何気なく逆側の学生に目をやり、ワンテンポ置いてから、元の学生の顔を見て、名札を見ずに名前を呼ぶのです」p23
「自己紹介時に相手の名前を口に出して確認する。自己紹介が終わったら、相手の名前を呼んで質問する(○○さんは、どちらのご出身ですか?)。別れの際にも名前を言う(それでは、○○さん、本日はありがとうございました)。」p25
「できるだけ前回と異なる環境下で時間を共有する」p32
「立食パーティーで少々立ち疲れし、お酒もまわっていた我々がエレベーターに乗り込んだときのことです。私と同期の部屋は別々の階でした。無意識に二人は、相手の降りる階のボタンを同時に押し合いました。私は同期の降りる7階を、同期は私の降りる13階を押しました。お互いが相手を優先しようとする無意識の行動が何とも嬉しく感じました」p49
「(読んだら3倍考える)日頃からビジネスパーソンとして、現実の様々な事象に対して自分なりに課題設定し、解を見出す努力をすることが重要です」p54
「仕事ができる人は朝型が多いという話をよく耳にします。実際、周りのできるビジネスパーソンは、朝型の人が圧倒的に多いです。脳の働き的にも朝が仕事を効率的にこなす最適な時間帯であるというのは様々な研究でも言われていることです。生理的な理由以外にも、朝の効率が高い点はいくつか挙げられます。電話が鳴らず、訪問客がなく、社内の上司・同僚・部下から相談を受けることが少ないことです。つまり、朝一のオフィスは、静かで、誰にも邪魔されず、自分の仕事にほぼ100%集中できる唯一の時間です」P100
「月曜午前中の仕事ぶりを見れば、その人の能力がわかります」p106
「ホウレンソウの基本は、上司に聞かれる前にすることです」p129
「(割り込み力が仕事の鍵を握る)多忙な上司やチームメンバーの時間にタイミング良く割り込み、効率の良いホウレンソウを実現することは重要です」p135
「プレゼン資料は3色以内におさめる」p146
「まず、骨太のメッセージを用意し、最後に強調ポイントに配色を施します。これが理想となる資料作りのステップです」p147
「マッキンゼーのコンサルタントは、必ず手書きで資料作成を始めます」p153
「会議に出たら必ず発言しましょう。会議への出席者には、発言の権利が与えられているのではなく、発言の義務が課されていると考えるべきでしょう。会議での貢献は発言にあります。その意味では、発言のない出席者の存在意義はないと言っても言いすぎではないでしょう」p164
「議論調整役として効果を発揮するのが、[What if?]です。例えば、次のように使います。
(What would the conclusion be if A happen?)もしAが起こったら、我々の結論はどのように変わるのだろうか。
(What would you respond to the issues if you assumption changes?)もしあなたの前提条件が変わったら、課題に対してどのように対応しますか。」p175