あらすじ
■ 本書は、ものづくり経営のロングセラー『日本のものづくり哲学』の増補改訂版です。 「ものづくり現場」から発想する戦略論とは何か、なぜ今の日本に必要なのか、どうしたら展開できるか、をまとめました。
■ 著者は、約40年にわたって日本の自動車産業を分析してきた現場主義の経営学者です。
■ 中国企業との競争の考え方、ゴーン改革の評価、提言の検証など、刊行後の動向を踏まえた解題を各章に掲載。
■ ものづくり企業のビジネスパーソンのみならず、政策立案に携わる官僚、成長戦略をアドバイスするコンサルタントにとっても必読の書です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
モノ作りは転写という表現はしっくりくる。
インテグラルとモジュールの概念からみる製品という視点も普遍的なものの見え方だと思う。
重量級PMのようなまるでゲーム開発のような開発を自動車でも行っているのは初耳で興味深い。
それと彼は動詞を大切にしていると思う。彼?或いはトヨタ?
工場は機械、工程表、人などの名詞ではなくすべて動詞で記述したほうがいいのではないかと思いました。プログラムのオブジェクト指向も実は名詞で説明されることが多いが匣と動詞の組み合わせではないかと思うことがある。
Posted by ブクログ
本書はタイトルの「ものづくり哲学」のとおり、製造業の生産管理に関する書籍である。製造業とIT開発は似通っている部分が多く、得られることも多いと思い手に取ったが、思った以上に勉強になる視点が多く書かれており、得られることが多かった。
本書の一貫した主張は「産業を『アーキテクチャ』の観点で分析すると、より効果的な戦略が立てられるのではないか」ということであり、2004年に初版が執筆されている。それを増補版として再出版されており、各章で2004~2024年の間の主張内容の評価や、言及できなかった観点を振り返りとして記載しており、その内容についても満足のいく記載となっている。
一番知ることが出来て良かったと感じたのが、各企業の評価項目を、「ものづくりの組織能力」「裏の競争力」「表の競争力」「収益力」の4段階で定義して評価しており、単純に目に見える収益力や表の競争力だけでは、企業を評価出来ないことを知れたことである。また、日本の製造業を考えるうえで、各国の製造業や産業についても言及しており、産業地政学として、各国の特長が歴史や地政学的影響を受けている説を展開しており、個人的な感覚もあるが、非常に納得のいく解説だった。
企業の戦略論を考える際には、再度読み直しをしたい書籍である。
Posted by ブクログ
製造業に関する20年前の自分の分析の「答え合わせ」を行う解題部分がめちゃくちゃ面白い。
原著の時点では、中国との賃金格差は約20倍、日産のゴーン改革は成功事例、トヨタの売上高は20兆円程度であり、それからの20年で世の中は大きく変化しました。
本書の発行時の著者の見解によれば、擦り合わせ型製品においては、比較優位な日本企業の競走力の発揮の点で、ポスト冷戦期のこれまでの停滞期とは異なり、今後、明るい展望が期待できます!
【引用】
戦後の最初の四十年は、東西分断による「中国の不参加」によって、日本製造業は東アジアで一人勝ちだったが、冷戦時代に蓄積していた巨大な賃金ハンデが、冷戦終結で突然顕在化し、その後三十年間の「ポスト冷戦期」、日本の国内工場は苦戦の連続だった。しかしそこで諦めず、能力構築(体力蓄積)を続けていた国内企業の多くは、現在、国内で戦える状況になってきたのである。それが、二〇二二年、二三年に、工業製品の輸出額が約九十兆円で史上最高となったことの背景である。