棚橋志行のレビュー一覧
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海愛、深海愛に満ちた一冊。
海大好きジャーナリストが、とうとう実際に潜航艇で深海に行ってしまう。
その行程と、深海愛が素晴らしく溢れ出ている。
欧米系のこの手の本の煩わしい冗長な描写は確かに鼻をつくのだが、まし。
何より、この、深海自体が素晴らしい。
本の構成としては、ただの日記と言って仕舞えばそんな気がする。
リスク描写は最小限だし。舞い上がってる感は一杯。閉所、暗いところが苦手な人には向いてない。
また、口絵というか、その深海の写真が素晴らしい。
その一方で。
ここが掘り出すべき宝箱にしか見えない人達がいて、やばいのも事実
目の前にある自然は、征服すべきので、そこから得られる富は -
Posted by ブクログ
ネタバレ10代の大学生時代から忘れることのできない彼女と、39歳で再び巡り会う主人公ジョージ。騙され続け、利用され捨てられる、情けない男の話である。
発端 彼女の名前はリアナ・デクターではなくオードリー・ベックだった、、、はぁ?どういう意味?訳わからん??
中盤 リアナを探す旅で、オードリーの写真を見せられ「頭がこんがらがっていて。これは誰の写真なんですか?」とジョージが言うが、読んでる私もこんがらがってます、、、
結末 はぁ?嵌められたのに、まだ、追いかけるの?まだ、リアナを探すの?呆れる。
ピーター・スワンソンのデビュー作。デビュー作だから許せてしまうところも多々あったが、デビュー作にし -
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コカインとマリファナとアルコールとセックスの依存者としてのメチャクチャな半生が語られる。
タイソンが超新星として現れてチャンピオンになった頃を見ていただけに、その時期の話があっさり終わるのは拍子抜けだった。
そこが簡単に済まされると、あとは破天荒な服役生活や、痛々しい依存者の人生や、ドン・キングをはじめとする取り巻きたち(ドナルド・トランプの名前も出てくる)の話が延々と続く600ページ超の本である。ビルディングスロマンの爽快感はない(最終段では再生に向かっているので本人的には爽快みたいだけど)。
それはある意味では当然のことだ。ボクシングからの引退を決めてヨーロッパでセレブとして遇されていた -
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ネタバレ帯に「北欧ノワール」とあったが、北欧ミステリーと西欧・東欧ノワール好きな私には、ノワールの陰惨さは少しも感じられなかった。
ブランド物で洒落た装いに身を包み、酒と女と音楽を愛し、それなりに家族、友人に恵まれたプレストが、タイトルに「デンマークに死す」とあるように、殺されるのではないかと、そのドキドキ感に引っ張られ、最後まで楽しめました!
それにしても、出番がわずかしかない人物までもが、しっかりフルネームで出てくるから、ざっと80人程の名前が入り乱れて、それでなくとも北欧物は名前が難しいのに、、、誰だった?と確認しながら読み進めました。作者がシリーズを予定しているらしく、やはり、次が出たら読んで -
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人々は遥か昔から、地下世界に畏怖を感じながらも抗えない魅力も感じている。そんなことが各エピソードの端々から感じられる。いいよね〜私も穴を掘り続ける人生とか過ごしたかった。
本書の中身としては、人々の文化や儀式、人工物としての観点がほとんどで、自然物観察観点としてのアンダーグラウンドの描写はほとんどない。自然物としての地下世界が好きな私としてはちょっと違うかな、、という感も否めないが、こういう観点の人たちもいるんだなとか新鮮だったし、わかる!!と共感するところも節々にあった。
写真のキャプションや解説が本文中になくて戸惑ったが、巻末にちょっとあった。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレヒクソン・グレイシーの本。
あの頃は何でも神格化された時代だった。ただヒクソン柔術は黒船だったし、あれ以来リアルファイトを希求する動きが出て今日の格闘ブームに繋がっている。
ヒクソンは自伝を幾つか出しているがこの本が1番濃くて網羅的だ。
彼の兄ホーウスに打ち勝ってしまう&死別についても書かれている。ヒクソンは長男を亡くしている。彼の栄光には少し闇もある。それがキム夫人との離婚である。
彼は若い頃に不貞を働いていた事を公言し、又不仲であった事も赤裸々に書いている。
ただ驚くべくはその後自分の娘に近い年齢の女性と再婚している事だ。
彼のヨガの師匠であるオーランド・カニ(動物の動きと呼吸法、バイオジ -
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筆者は地下世界に取り憑かれた地下探検家。
ニューヨークの地下鉄や下水、パリの地下納骨堂(カタコンブ)、NASAの地下生命体探査チームが管理する地下1.5キロメートルの廃坑、カッパドキアの地下迷宮、そして旧石器時代の人々が残した絵や塑像が残る洞窟等々、探検の方向は近代都市から古代都市、そして一切の光から隔離された暗闇の洞窟へと広がっていく。
五感の中で視覚に多くを依存している人間にとって、視覚が役に立たない地下世界は脅威であるとともに、シャーマニズムなどに見られるように神と接する神聖な場所として捉えられてきた。
そんな様々な地下世界を実際に訪れ、そこに魅せられた人、その神聖な空間を守護する人々を