宮家邦彦のレビュー一覧
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世界史の大転換
常識が通じない時代の読み方
著:佐藤 優
著:宮家 邦彦
PHP新書 1050
おもしろかった。外交官の対話です。
■包括
・現代は、ポスト冷戦が終わり、世界が再びナショナリズムへ回帰している時代ととらえる
・近代国民国家たる西側諸国に対して、ロシアや中国を前近代的な帝国とみる
・米ソ超大国が対峙する冷戦時代は、各国のナショナリズムを抑えていただけではなく、資本主義の暴走をも抑えていたと説く。それは、資本家階級の利潤を減らしてでも福祉政策や失業対策などに目を向けて、労働者階級に資本を再分配していた時代であったからだ
・冷戦を戦うためには、どうしても、大きな政府、大きな軍 -
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夫れ兵の形は水に象る。水の行は高きを避けて下きに趨く。もし世界に普遍的な真理があるとするなら、今混乱する世界はいずれ成るべくして幾つかの想像可能な結末の一つに落ち着くであろう。それは水が高いところから低いところへ流れていくのと同じく、重力という普遍的な真理に逆らうことが出来ないからだと思う。その結末の一つには当然の事ながら人類の破滅も含まれている。何故なら地球も広大な宇宙空間に存在する寿命のある一つの星に過ぎないからだ。ただそう簡単に人類は破滅せず、破滅の方向に向かいながらも(良い意味で)しぶとく生き残る。そう考えなければ世の中に蔓延る週末思想の下で自暴自棄に陥ってしまうが、人類はそんなに愚か
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TV「そこまで言って委員会NP」に出演されている著者が書かれた本ということで購入。
歴史学、地政学を踏まえた視点で、国際情勢の現状を、”世界の今”を知ることができる。各国が抱える問題について、悪魔と天使がささやくというユニークな構成だが、何をもって悪魔というのか、天使とするのかは、読み進めるまでやや混乱し、判断も微妙な感じもするが・・・筆者の解説と採点が、実に明確に書かれている点は潔い。正直、すべてを理解できたわけではないが、近隣諸国とりわけインドについての見解は斬新で興味深い。知らないことが多すぎた。これを機に大局観を持って世界情勢を考えていきたいと思う。今日は日曜日。「そこまで言って委員会 -
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ネタバレ中国がこれからどうなるか、いくつかのシナリオを提示。但し、著者は中国が西太平洋の覇権を握る可能性は極めて低いと考えてる。中国人の心の裡を解き明かしているところは、なるほどなぁと思った。西欧にやられたトラウマが現在の中国人の行動に深い陰を落としてるらしい。一番最後の辺りの『「保守の進化」が日本の命運を分ける』という部分については、個人的に、納得出来ない。著者は、日本のこれまでの西欧受容が中国のこれからにとって参考になる、と言いたいらしい。しかし、日本が西欧を比較的スムーズに受容出来たのは、文明の生態史観的に言うと、日本と西欧が平行進化を遂げていたため、西欧と同等なものの萌芽が既にあったからだと思
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当然ながらたまに論理展開で「そうだろうか?」と思う点はパラパラあります。例えば宮家さんは中央アジアの土着のイスラムのアイデンティティを薄く見ている節があって、ISやアルカイダが入ってくれば思想的に侵食されると捉えている感がある。しかし個人的に思想の「原理主義性」と、思想の浸透度は直接はリンクしないと思います。
また佐藤さんは、日本においては左翼よりも右翼の方が危険なレベルにまで過激化する可能性があると捉えている。しかし引き合いに出しているSEELDsとネット右翼の対比に全く説得性はないし、日本赤軍など過去に凄惨な殺人沙汰を起こしたのはむしろ左翼ではなかったか。
ただ、そこそこの地位まで上り詰 -
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ネタバレ元外務省のノンキャリアとキャリア、また外務省のロシアンスクールとアラビストの対談が面白い。前に(文藝春秋?)二人の対談を読んだが、その対談では、佐藤氏が細部に議論を持ち込んで、対談をリードした感じがしたが、今回は宮家氏が、「外務省のラスプーチン」に対してさすがキャリアと思わせる知識と理論を組み立てて、堂々と論陣を張って、読み応えがあり非常に面白かった。
宮家氏は、「私は中東分析を六次元連立方程式に譬えています。変数には①欧州vs北アフリカの地中海変数、②イスラエルvsパレスチナ・アラブのレバノン変数、③イランvs湾岸アラブの湾岸変数、④世俗主義・アラブ民族主義vsイスラム主義の世俗変 -
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元外務省の二人が語る、俯瞰した現代の世界情勢。そのエリアごとに連鎖する変数を読み解く事で、確かな未来を想像させる。国家の欲望はどこに向かっているのか。第四次グレートゲームにおける各国の論理を紐解く。
対話形式で進む本著は、目で追うだけでも知的刺激に溢れ、飽きさせる事がない。しかし、その対話に自分が参加しているような臨場感をもった楽しさは得られない。なぜなら、内容が専門的過ぎ、聞き役に回らざるを得ないからだ。この手の対話本によくある、聞き手が素人、という図式ではなく、専門家同士の対話だ。だからこそ、読む価値があるし、得るものも大きい。そうであるし、専門家同士といっても語るテーマは、よく聞くホッ