【感想・ネタバレ】語られざる中国の結末のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年10月30日

中国がこれからどうなるか、いくつかのシナリオを提示。但し、著者は中国が西太平洋の覇権を握る可能性は極めて低いと考えてる。中国人の心の裡を解き明かしているところは、なるほどなぁと思った。西欧にやられたトラウマが現在の中国人の行動に深い陰を落としてるらしい。一番最後の辺りの『「保守の進化」が日本の命運を...続きを読む分ける』という部分については、個人的に、納得出来ない。著者は、日本のこれまでの西欧受容が中国のこれからにとって参考になる、と言いたいらしい。しかし、日本が西欧を比較的スムーズに受容出来たのは、文明の生態史観的に言うと、日本と西欧が平行進化を遂げていたため、西欧と同等なものの萌芽が既にあったからだと思う。

個人的には同意出来ない部分があるけれど、是非読むべき本だと思う。

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Posted by ブクログ 2018年10月14日

中国の今後を予測するたぐいの本は、通常中国が米国と衝突するや否やについてをテーマにすることが多いのですが、中国が米国と衝突したあと、日本は中国とどのように付き合うべきかについて考察している本というのは珍しい。(もっとあって良いと思うけど)ただ、新書では無くハードカバーでたっぷり書いて欲しかった気もす...続きを読むる。中国が未だに西洋文明との接触を飲み込めていないとの分析は良かった。

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Posted by ブクログ 2016年07月16日

近い将来米国と中国との衝突後、中国統一・分裂/ 独裁・民主化それぞれの場合のシナリオを想定し、中国敗北後の日本の針路を考える。
著者は、現在の共産中国には日本の安全保障を託せるような実力も魅力もない、日本は大陸と一定の距離をおきつつ貿易に価値を見出す島国同盟を基本とすべき。
日本は近々起こるであろう...続きを読む東アジアのパワーシフトの結果生ずるかもしれない新たな国際秩序づくりに参画すべきだ。

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Posted by ブクログ 2016年01月11日

安倍首相とも近い元外交官が、来るべき米中の衝突「第二次東アジア戦争」の後に予想される中国の政治体制の変化をシナリオ別に分析し、その後の東アジアの国際秩序の中で日本がどのように対応するべきかを語っている。
本書で著者は、
◆今後10~20年の間に米中の軍事的緊張は一層高まる。東アジアと西太平洋における...続きを読む現状維持を望む米国に対し、同地域における勢力の回復・拡大を目指す中国が挑戦することになるからである。その背景には1840年代のアヘン戦争に始まる「西洋文明からの衝撃」という漢族の民族的トラウマがあり、「人治」がすべてに優先するという「中国の伝統的な統治システム」を実質的に否定する欧米の民主的発想への反動でもある。
◆サイバー空間や宇宙空間などでは既に戦闘が始まっており、今後、場合によっては、部分的かつ短期的な軍事衝突さえ起こりうるが、中国が勝利を宣言できるような形で終結することはなく、中国共産党の権力を弱めることになる。
◆戦争終了後の中国の政治体制については、1.中国統一・独裁温存、2.中国統一・民主化定着、3.中国統一・民主化失敗と再独裁化、4.中国分裂・民主化定着、5.中国分裂・民主化失敗と再独裁化、6.中国分裂・一部民主化と一部独裁の並立、7.中国漢族・少数民族完全分裂、という大きく7つのシナリオが考えられ、現時点において最も可能性が高いのは1.であるが、米中衝突という事態の与える影響は計り知れず、いずれ国内情勢は不安定さを増していく。
◆このように東アジアの情勢が変化する中で、日本のとるべき戦略は、島国という地政学的特性を最大限に活かし、大陸の諸問題には一定の距離を保ちつつ、大陸諸国間のパワー・バランスを維持し、海上交通路を確保して貿易を奨励すること、そして、アジアで初めて、近代化を成し遂げ、国家統治において(欧米型の)普遍的・合理的システムと伝統的価値とを共存させた国としての役割を果たすことであり、それにより、第二次大戦を「歴史」にすることができる。
と述べている。
現代世界において唯一帝国的性格を残す中国が、今後も帝国であり続けるのか、それとも民族国家に変わるのか。大帝国は必ず分裂するというのが歴史的教訓であり、ソ連の崩壊をリアルに経験している世代としては、「諸行無常」、現時点では予想もできないような事態が起こるのではないかとも思う。そのとき日本は如何に対処するのか、遠くない将来のシナリオとして考えておく必要性を感じる。
(2014年2月了)

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Posted by ブクログ 2015年12月14日

元外務省高官による今後の中国の未来予測。左右バランスのよい冷静な分析で非常に分かり易い。今後考えられるのは米中の偶発的な衝突。現在の戦力では圧倒的米国が有利ではあるが、その背後に日本の存在が必要。衝突は短期決戦。問題なのはその後どのように中国共産党が国を維持できるのか、著者が提示するいくつかのシナリ...続きを読むオが面白い。
中国の民主化の副作用として、韓国と同様に従来以上に反日ナショナリズムに依存する国家が出来るという可能性。中国の民主化は歓迎される事ではあるが日本にとってマイナス要素が多いのだと。
中国の好き嫌いで自己満足的な予測をせず、現実の対応を考えることが大事だと筆者。
それにしても中国の大気汚染はなんなんでしょう。ビジネスで行かざるを得ない方々、ご自愛下さいませ。

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Posted by ブクログ 2014年11月06日

東アジア情勢に影響を与える中国について、様々な未来を想定し考察を加えることは、重要であり面白い。日本は島国であることが特徴であり、他国と違う道が選べる。

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Posted by ブクログ 2017年02月12日

元外交官の著者が、中国の動向を分析した一冊。

色んなパターンを分けて具体的に論じているのが面白かった。

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Posted by ブクログ 2015年12月27日

世界と日本のかかわり方を3つのフェーズに分けて論じたくだりがためになった。日本が最も繁栄するのは島国同士の同盟を組んだ時期だと著者は主張する。日英同盟と日米同盟。アメリカが島国だという指摘は意外であった。

そういえば、日本は海洋国なのか?という疑問を呈したのは、故・高坂 正堯だったと思う。どういう...続きを読む内容なのか失念した。もう一度読んでみよう。

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Posted by ブクログ 2014年05月30日

自分や相手が、今、どういう状況なのかを正確に把握し、しかし、避けられないトラブルがあるとすれば、それは、非常に複雑な要素で雁字搦めになった、必然的な事象であると言えるだろうか。日中関係も、当にそれだ。お互いがお互いをよく分かっていながら、解決策がない。従い、書物は多い。しかし、政治は進まない。論理必...続きを読む然的、膠着状態だからだ。利害という圧力が、上がったり、下がったり。その気圧に関する役者の、あらゆる要素が微妙に絡み合っている。先に動く国と、その影響により、次のステップに移行し、ようやく、前進し始める。先に動く国。現ケースでは、ロシアだろうか。

本著は、中国の結末を色々なシナリオでシミュレートする。とんでも的奇抜なアイデアも無い代わりに、とりわけ洞察が深いわけでもない。読めば、大抵の事は、既知の情報。しかし、多少の補間にはなる。そんな本である。

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Posted by ブクログ 2014年01月02日

過去から未来に向かう中国に関してを周辺国家・アメリカとの関係を踏まえ推論。
中国国内・周辺国との国境問題・歴史等の事実から現在の共産党政権の問題点・国内統治の課題を的確に指摘している。
対アメリカを意識した海洋覇権。アジアの中心としての影響力を強める国家戦略を見据え結末がどうなるか筆者が複数のシナリ...続きを読むオを検討。日本の対応も合わせて提示している。

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