宮家邦彦のレビュー一覧
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ネタバレ元外務省のノンキャリアとキャリア、また外務省のロシアンスクールとアラビストの対談が面白い。前に(文藝春秋?)二人の対談を読んだが、その対談では、佐藤氏が細部に議論を持ち込んで、対談をリードした感じがしたが、今回は宮家氏が、「外務省のラスプーチン」に対してさすがキャリアと思わせる知識と理論を組み立てて、堂々と論陣を張って、読み応えがあり非常に面白かった。
宮家氏は、「私は中東分析を六次元連立方程式に譬えています。変数には①欧州vs北アフリカの地中海変数、②イスラエルvsパレスチナ・アラブのレバノン変数、③イランvs湾岸アラブの湾岸変数、④世俗主義・アラブ民族主義vsイスラム主義の世俗変数、⑤穏健イスラム主義vsイスラム過激主義のイスラム変数、⑥少数派政権vs多数派政治エリートの少数派変数。すべて中東地域の地政学とも関連する伝統的な政治的対立軸ですが、諸変数の相関関係をみることによって中東情勢の流れをある程度予測することは可能です」と言って、「アラブの春の失敗」した理由などを具体的にコメントしていく。そして「部族的権威主義が色濃く残る中東で政治の自由化だけを進めれば、専制以外の統治手段に慣れていない政治エリートたちの統治能力を逆に減じて、イスラム勢力の台頭を許す。結果として、それまで機能していた国家統治システム自体を破壊することになる」といった分析力はなかなかのものであり、中央アジアの分析も面白かった。
一方、佐藤氏も「フランスやイギリスはアサド政権を潰すために急ごしらえで反体制派を作り、それにスンニ派国家のサウジやカタールが支援し、シリア内戦を生み出し、そこにISが付け込んで入り込み今日のシリアの泥沼化を招いた」と読み解く。
彼らの見方は、現在の中東の混乱は「民主化が正義」とする欧米が招いた結果であり、さらにアメリカの中東政策のパートナーが従来のサウジアラビアからイランに変わりつつある現状に対して、サウジのロシア接近や、更にトルコのエルドアン大統領のオスマントルコ帝国復活の思惑等が絡み合い、IS問題が片付いた後も、核の拡散などのリスクが高まり、中東の安定化は難しいと予見する。
また中国についても、宮家氏は「中華のアイデンティは、多民族の統合によってネーションを生み出す近代思想とは異質なものでした。数千年来の伝統である周囲の蛮族を漢人に同化させる発想から抜け出ていない」
佐藤氏も「アメリカや日本といった世界標準の近代国家のなかにめざすべきモデルを見出さず、『過去の中華帝国の再発見』というかたちで自国の未来を構築しようとしている」
宮家氏は、その中国の国家目標はアヘン戦争以来の屈辱を晴らすため、アメリカを東アジアから追い出そうとしており、そのために中国はアメリカとだけ手を握ろうとしていて、日本、韓国、台湾、東南アジア諸国は最初から相手にしていない。それは「アメリカよ同盟国を見捨てろ」と言うに相応しい。まさに中国こそが「戦後レジームへの挑戦者」だと断言する。
等々と、二人の対話の面白さに引き込まれ、読み応えたっぷりでした。 -
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ネタバレ2016年15冊目です。
同じタイトルの櫻井よしこの本を読んだことがあるが、全くレベルの違う内容だった。著者の宮家氏は、外務省官僚で諸外国相手に交際的交渉の実務に当たっていた人間だ。視点の高さと幅広い知識と専門性をうかがわせる内容です。専門性ついては、こちらの理解が十分追いつけないところもあります。少なくとも櫻井よしこ氏の本よりも客観性が高いと感じました。関係国の考え方や行動原理を正確に理解した上で、日本が求めるべき普遍的価値はなんであるかを見誤らずに対処していくことが柱となる考え方です。そしてもう一つリスクを取れる気にになる事だ。危険リスクあるが英断を下すとか、あるいは一か八かでチャレンジすることはこれは違う。 -
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著者の宮家氏が、自身の外交官としての経験において獲得した仕事の極意をまとめたのが本書。「人脈術」「語学術」「交渉術」「メモ術」「プレゼンテーション術」「発想術」「情報術」「危機管理術」という8つの「術」はどれも経験に裏打ちされたものでその内容も理解しやすい。それに比較的実践的。著者が外交官だからできることというよりも、もっと世間一般に落とし込んでくれているような内容だ。
でもだからこそというべきか、これは目新しい!というような記述は少ないかもしれない。ただ、奇抜な方法、目新しい方法というものは往々にして役に立たないというか、応用範囲が狭い気がする。宮家氏が指摘するのはある意味だ当たり前のことかもしれないが、だからこそ良心的と言えるのかもしれない。以下、気になった箇所を引用する。
◯人脈術
まず第一に、基本的なことなのですが、出会いは「あくまで自然」でなければなりません。〜人脈作りの成否は、相当程度、偶然が左右する可能性が高いと思います。
→確かに、「人脈!人脈!」という人に人は寄りつかないし、その関係も長続きしないものかもしれない。
◯語学術
結局、語学とは8割の暗記と2割の応用だと思います。単語と文例を暗記することなしに、応用などできるはずがないのです。〜わずか数百種類しかない基本フレーズを完全暗記すれば、あの外国人と同じようにかなり流暢に英語が喋れるはずなのです。
→激しく同意。結局語学とは暗記である。
◯語学術
ICレコーダーなどを使って、まず「耳」で聞いた外国語を、そのまま実際に自分の「口」で発音しながら、同時に書き下して「目」で読んでみることを試してみてください。ただ聞く、ただ読む、ただ喋るのではなく、聞き、読み、喋る行為を同時に行うのです。こうすれば、耳、目、口は同時に機能するようになります。外国語の会話とはこの三つの器官が同時に動くことでようやく可能となる人間の活動なのです。目、耳、口をそれぞれ別々に訓練するだけでは駄目。相手との知的コミュニケーションである外国語会話能力は、同時に訓練して初めて伸びると思ってください。
→これはぜひ試してみたい。
◯交渉術
孫子の「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず」とは交渉術の基本です。交渉とは、まずその最終目標を定め、そのための周到な準備を行い、相手と自分の力の差を正確に理解することから始まります。
◯プレゼンテーション術
どうしたら人前でうまく話せるようになるのでしょうか。考えに考えた挙げ句、到達した結論の第一は、まず「自分を曝け出す」ことでした。〜プレゼンを行う上で第二に重要なことは、聞き手、つまり聴衆の関心を事前によく考えておくことだと思います。
◯情報術
一方、パワーは条件が揃えば活発に動き出します。特に、国際社会の一定の場所でパワーが消滅し、一種の真空状態が生まれる時、パワーは最も活発に動き出します。
→これは例えば社内の人間関係なんかでシュミレーションするのも面白そう。
◯情報術
ある国を取り巻く国際情勢を分析する際は、二国間関係、地域情勢、グローバル情勢という「三つの同心円」を考えて分析せよということです。〜私は最近、この分析法に「内政」という四つ目の同心円を加え、国際情勢分析の基本アプローチとして今も活用しています。
◯情報術
「座標軸」分析とは、簡単に言えば、自分と同世代の人々を念頭に置きながら現代史を学ぶことです。〜より具体的に言えば、第一に、とりあえず近代以前の歴史のことは忘れて、その国の現代史の勉強から始め、近代から現在に至る政治経済状況を徹底的に勉強すると心に決めることです。〜第二に重要なことは、現地社会の同時代人の感覚を想像することです。私の場合は、自分が生まれた1953年に、自分が日本ではなく、中国の北京で生まれたとしたら、一体自分はどんな人生を送っただろうかを可能な限り具体的に想像することにしました。
→特に2目は面白い。空想上でその国を生きてみることで、もしかしたらその国の肌感覚がつかめるかも。変化が激しい世の中だからこそ定点観測は大事。
こうしてまとめてみるとやっぱりこの本から得るものは大きいかも。
170318再読
中身は簡単に読めるし、タイトルもよくある自己啓発本の類。ありきたりな仕事術の本のようではあるが、平易な書きぶりに対してその中身はそこそこ濃い。ましてそれが外交官という経験からくるものであれば自ずと説得力も増すであろう。中身は大きく人脈術、語学術、交渉術、メモ術、プレゼン術、発想術、情報術、危機管理術に大別されるが、いくつか参考になるものを。
◾️人脈術 人脈は作れないものと思え。出会いはあくまで自然に。自分の話の中身を面白く、濃く。
◾️語学術 語学とは8割の暗記と2割の応用。言葉に気持ちを強く込めたいという思いを持つこと。一冊を徹底的に暗記。短時間に集中する。
◾️交渉術 的確な目標設定と交渉ポジションを一貫して維持すること。交渉は言論による格闘技であり、だとすれば論理的腕力がさえあれば勝つチャンスは大いに高まる。一番強いのは大義名分を確保すること。
◾️メモ術、プレゼン術 様々な情報を頭脳にインプットした時、ふと自然に浮かび出てくる「面白い発想」を、そのまま文字として「瞬間冷凍」できるか。主語と述語とキーワードのある文を作る。10分をひとまとまり、その間に2分の休憩を入れる。言葉に「力」を込めること。
◾️発想術 ノウハウは同業者から、アイディアは他業種から学べ。「愚者は経験から、賢者は歴史から学ぶ」。旅先で歴史博物館と軍事博物館を見よ。
◾️情報術 大局的ストーリー作り、それを基準として重要な情報とガセ情報を区別すること。自分と同世代の人々を念頭に置きながら現代史を学ぶこと。まずは近代以前の歴史はとりあえず忘れて、現代史を徹底的に学ぶこと。近代から現代に至る政治経済状況を徹底的に勉強。必要な情報の9割は公開されている。
◾️危機管理術 危機管理=ダメージコントロール。危機管理の成否の9割は「初動」で決まる。プラス優秀な部下。なぜ初動が遅れるか?=躊躇。あなたが最も準備のできていない時と場所で起こるのが危機である。マニュアルより常識を(自分をどれだけ客観視できるか)。優れた決定も受け手に正確・適切なタイミングで伝わらなければ決定の価値は半減する。「思考だけ失敗した部下」ではなく、「行動して失敗した部下」を慰労・処遇すべし。有事の人材は思考も行動も速い人々。「普通の人の普通の感覚」こそ多くの人が納得する鍵である。 -
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安倍首相とも近い元外交官が、来るべき米中の衝突「第二次東アジア戦争」の後に予想される中国の政治体制の変化をシナリオ別に分析し、その後の東アジアの国際秩序の中で日本がどのように対応するべきかを語っている。
本書で著者は、
◆今後10~20年の間に米中の軍事的緊張は一層高まる。東アジアと西太平洋における現状維持を望む米国に対し、同地域における勢力の回復・拡大を目指す中国が挑戦することになるからである。その背景には1840年代のアヘン戦争に始まる「西洋文明からの衝撃」という漢族の民族的トラウマがあり、「人治」がすべてに優先するという「中国の伝統的な統治システム」を実質的に否定する欧米の民主的発想への反動でもある。
◆サイバー空間や宇宙空間などでは既に戦闘が始まっており、今後、場合によっては、部分的かつ短期的な軍事衝突さえ起こりうるが、中国が勝利を宣言できるような形で終結することはなく、中国共産党の権力を弱めることになる。
◆戦争終了後の中国の政治体制については、1.中国統一・独裁温存、2.中国統一・民主化定着、3.中国統一・民主化失敗と再独裁化、4.中国分裂・民主化定着、5.中国分裂・民主化失敗と再独裁化、6.中国分裂・一部民主化と一部独裁の並立、7.中国漢族・少数民族完全分裂、という大きく7つのシナリオが考えられ、現時点において最も可能性が高いのは1.であるが、米中衝突という事態の与える影響は計り知れず、いずれ国内情勢は不安定さを増していく。
◆このように東アジアの情勢が変化する中で、日本のとるべき戦略は、島国という地政学的特性を最大限に活かし、大陸の諸問題には一定の距離を保ちつつ、大陸諸国間のパワー・バランスを維持し、海上交通路を確保して貿易を奨励すること、そして、アジアで初めて、近代化を成し遂げ、国家統治において(欧米型の)普遍的・合理的システムと伝統的価値とを共存させた国としての役割を果たすことであり、それにより、第二次大戦を「歴史」にすることができる。
と述べている。
現代世界において唯一帝国的性格を残す中国が、今後も帝国であり続けるのか、それとも民族国家に変わるのか。大帝国は必ず分裂するというのが歴史的教訓であり、ソ連の崩壊をリアルに経験している世代としては、「諸行無常」、現時点では予想もできないような事態が起こるのではないかとも思う。そのとき日本は如何に対処するのか、遠くない将来のシナリオとして考えておく必要性を感じる。
(2014年2月了) -
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マーシャルの「ネットアセスメント」に力点を置いているような書き出しだが、この「ネットアセスメント」なるものはイマイチよく分からない。
むしろ欧州・ロシア、中東、更には中央アジアと中国の分析の方が面白い。
クリミア問題については、「ウクライナのフィンランド化」や「ドイツのメルケル首相やフランスのオランド大統領には、強大な武力を背景に断固として自己主張を強めるプーチン大統領に対し宥和政策を続ける他に有効な手段がない」と冷徹な目を向けている。
またEUについて、「欧州のEUはロシアに対抗するだけでなく、ドイツを封じ込めるための組織である」と述べるとともに、ギリシャ問題に関連して「ドイツは大きな犠牲を払ってでも、ユーロを守らなくてはならない。それはユーロが本質的に政治的通貨であるからだ。同様にEUもその本質は経済的合理性に基づく共同体ではなく、政治的連帯である。米露間での埋没を恐れる欧州のエリートたちにとって、ユーロやEUを潰す選択肢など始めからありえないのだ」とズバリ本質をついている。
また中東については、IS運動とは民族を超えたイスラムという国際的イデオロギーの衣を纏いながら、その本質は民族主義的要素を含んでいる」として、アラブがその統治能力を大幅に低下させているのに対して、トルコとイランの台頭が著しい。
特にトルコはこれまで民主化を進め、冷戦時にはNATOの一員として「ソ連封じ込め」の一翼を担い、欧州の一員となりことを切望してきたが、欧州はEU加盟を拒否し続けてきた。その傷心のトルコがイスラム化を進め、中東地域での影響力拡大を優先しているのは偶然ではないと、鋭い指摘をしている。
中東でのブッシュ政権の最大の失敗は、近代市民社会のような政治的成熟のない国に欧米型の「自由化」による「民主化プロセス」を求めたこと、またオバマは中東でのリーダーシップを発揮する気がないと指摘している。
まだ他にも中国と中央アジアとの関係など、面白い見立てがいくつもあり、現代の世界情勢を知る格好の羅針盤と言える。 -
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元外務省高官による今後の中国の未来予測。左右バランスのよい冷静な分析で非常に分かり易い。今後考えられるのは米中の偶発的な衝突。現在の戦力では圧倒的米国が有利ではあるが、その背後に日本の存在が必要。衝突は短期決戦。問題なのはその後どのように中国共産党が国を維持できるのか、著者が提示するいくつかのシナリオが面白い。
中国の民主化の副作用として、韓国と同様に従来以上に反日ナショナリズムに依存する国家が出来るという可能性。中国の民主化は歓迎される事ではあるが日本にとってマイナス要素が多いのだと。
中国の好き嫌いで自己満足的な予測をせず、現実の対応を考えることが大事だと筆者。
それにしても中国の大気汚染はなんなんでしょう。ビジネスで行かざるを得ない方々、ご自愛下さいませ。 -
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今年(令和2年)のGWは昨年まではテニスを楽しんでいましたが、今年は緊急事態宣言が出ていてスクールはお休み、なので今回の連休は読み終わった本をできる限りレビューを書く予定にしています。
恒例のGWの部屋の大掃除で発掘された本です、地政学という言葉に数年前から反応するようになりました。2年程前に書かれて昨年の今頃読み終わった本ですが、おさらいも兼ねて当時読んだ時に興味を持った部分を振り返ってみたいと思います。
以下は気になったポイントです。
・冷戦時代までの伝統的地政学理論の大前提(活動領域は陸と海のみ)は変化しつつあるのが現行のIT革命である、今後は従来の陸海空に続く、第4、5の戦域として、サイバー領域と宇宙空間がますますクローズアップされてくるだろう(p6)
・人類史とは人間と機械の戦いの歴史でもある、モビリティ(蒸気機関)、エネルギー(燃焼型エンジン)、コミュニケーション(情報処理)という3つの革命を通じて、勝者と敗者は常に入れ替わってきた。(p23)
・アルファ碁は全ての手を読むのではなく、ある手が「適切か否か」「どの程度有効か」のみを判断学習させることで、短時間で最善の一手を直感的に見いだすことが可能になった。これが機械にできるのなら人間にできないはずはない(p50)
・中国人と中東人の相違点を方程式にすると、中国ー酒ー豚肉ー小姐+石油=中東、となる(p61)
・昔の国際政治は、スペインを筆頭に英仏独伊露などの欧州勢に加え、20世紀になると日米も新規加盟した、現在は米中露のみ。日本はEU、インド等と共にマイナーリーグである(p89)
・ウェールズがイングランドに併合されたのは16世紀中頃、イングランドとスコットランドが統合されたのは18世紀はじめ、19世紀はじめにアイルランド王国と合併してUKとなるが、1922年にアイルランドの大半が同国から脱退して今に至る。スコットランドやアイルランドは独立王国だったので、彼らが独立を考えても不思議ではない(p125)
・ハンガリーの地政学的天敵は、東のスラブ、南のイスラム、西のゲルマン、16世紀にオスマン帝国に敗れ、国土の東南部と中部を、北西部をハプスブルク家オーストリアに分割支配された。(p127)
・ハンガリーに限らず欧州大陸で生き残るには以下の条件が必要、1)強い軍隊、領土を拡大、2)領土が取れない場合は隣接地域を中立化、3)それができなければ敵の敵と結ぶ、4)敵が多ければ、敵の同盟を分断する(p128)
・17世紀、スウェーデンは、フィンランド、エストニア、ラトビアの一部を支配しており、バルト海はスウエーデンの海だった。1809年、フィンランドをロシアに奪われ、ナポレオン戦争後はノルウェーと連合王国、1905年まで維持した(p134)
・バラバラの北欧3国が長期間平和を維持した最大の理由は戦略的分業に成功したから、ロシアと国境を接するフィンランドには勇猛果敢な陸軍、スウェーデンには抑撃能力を誇る空軍、ノルウェーはNATO援軍を受け入れる(p135)
・米国200周年(1976)は東部13州の行事に過ぎない、アメリカは50の独立した州からなる(p141)
・トランプが席巻した地域はいわゆるラストベルト、リーマンショックの最大の犠牲者(白人・男性・ブルーカラー・低学歴)の集団である。クリントン陣営や大手メディアはこれら「物言わぬ没落白人中産階級」の破壊衝動を過小評価した(p144)
・米国は昔から南北の葛藤がある、独立以降(1976)も絶えることなくその矛盾は1861年の南北戦争で顕在化、北部理想主義が勝利し1862年の奴隷解放宣言となった、それでも実質的差別は続き1950年代の公民権運動として続き、オバマ大統領誕生で集結した。今回のトランプ現象は、2回とも勝利した北部理想主義に対する、南部現実主義の挑戦ではないか(p146)
・国歌の戦略を4つに要約すると、1)敵を1つにしぼる、2)正しい同盟国を選ぶ、3)負ける戦争を戦わない、4)勝てる戦争を、できれば戦わずに勝つ(p206)
2020年5月4日作成 -
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【由来】
・ダイヤモンド、佐藤優
【期待したもの】
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【要約】
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【ノート】
・外務省に27年間勤務した筆者が、その生活で得たり、創出したノウハウや方法論について述べられている。結構、実践的な印象が強く、それも、外務省の後輩諸君に向けて、みたいな印象が強かったりする。人脈術から語学術。交渉術と、具体例が、著者の外交官体験からのものになっている、当たり前なんだけど。
・最後に「あとがき」で、一番大事なのは「逃げないこと」と結ぶ辺り、「ラクをしないと成果は出ない」に似ている。
・BBCとロシア、アメリカ、カナダ、アルジャジーラで日本と中国についての報道を定点観測してみようかと、刺激された。あとはシリア問題、環境問題と防災についても。
・構成
第1章 人とは一味ちがう仕事をするための「人脈術」
第2章 人と違う言語を喋るための「語学術」
第3章 人と違う結果を出すための「交渉術」
第4章 発想力と発信力を高める「メモ術」と「プレゼンテーション術」
第5章 人とは違う大局観を持つための「発想術」
第6章 人より早く先を読むための「情報術」
第7章 緊急事態発生でもパニックしない「危機管理術」