高坂正堯のレビュー一覧
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★ 経済関係は、時に依存関係、支配関係が生じることはいうまでもない
★ 世界大戦後、国際政治における世論の力が増大した。そうして、徐々に支配関係が難しくなった。
アメリカは、キューバ革命が起きたことをきっかけに、中南米諸国に同様の革命が起こることを恐れ、「進歩のための同盟」などと銘打って、互いの利益を図るようになった。
★ 多くの国は旧植民地の引いた線で、部族の寄せ集め、伝統的に敵対していた部族との共存を求められたりすることも多い。そして多くの部族は統一された言語すら持っていない。
★ 第二次世界大戦後、今日までに起こった全ての武力衝突はすべて休戦という形で収拾された
しかし、それらはす -
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◯ 運命は変わり易く、また無情である。しかし、だからこそ人間は、いついかなる場合にも最善のことをすべきであるという態度がそこにうかがわれるからである。(91p)
◯ 冒険を避け、過去の蓄積によって生活を享受しようという消極的な生活態度は、ヴェネツィア人の貴族の男子で結婚しない人が増えたことに現れていると言えるであろう。(172p)
◯ アメリカでおこっている大衆民主主義化=福祉国家化という現象は、政治権力を持つものを制限するというよりは、疲れさせるもののように思われる。(244p)
◯ アメリカにしかないアメリカのよさとは、「他国のように"国家"ではない。" -
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はっきりとは覚えていないが、この人と森毅さんがカッコよくて、京都大学に憧れた時期がある。
職場で見かけるその大学の出身者は…
言いますまい。一括りにできるものではないことくらい流石に知ってはいるはず。大幅に脱線した。
粘り強い論考。
すぐ気持ちよく着地したい気持ちを、覚させる力のあるロジック。
現代においても古びることがない、というのはやはりこの論考の持つ力なんだと思う。
「戦争はおそらく不治の病であるかもしれない。しかし、われわれはそれを治療するために努力しつづけなくてはならないのである。つまり、われわれは懐疑的にならざるをえないが、絶望してはならない。それは医師と外交官と、そして人間の -
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■要約
国家は力(軍事力)の体系であり、利益(経済活動)の体系であり、価値(イデオロギー=正義)の体系である。国家間は、この3つのレベルの関係が複雑に絡み合った関係で成り立つ。この関係性を秩序立てるために権力闘争が行われるのが国際政治である。
この権力闘争に対して平和的な国家であるためには、独立を維持できるだけの軍備や経済力を持ちながら、同時に国家権力が十分に制約されていることが必要条件となる。
現代においては、国家が多様化するにつれ、国家の行動準則(=国際法)が弱まり、他国の行動を予測・信用することが難しくなってきている。このような状況下で平和を維持するためには、平和への希望を持ちながら、国 -
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国際政治の指南書というよりかは、国際政治学者が徒然と書いたエッセイという雰囲気。とは言え、高坂先生だけあって、決して簡単というわけではない。むしろ、著者の深い知見に支えられて思考が流れるように進んでいくので、気合を入れていないと迷子になるような本。
タスマニアに関する考察から本書がスタートするのは唐突にも思えるが、タスマニア原住民の滅亡を振り返ることを通じて、「巨大文明が新しい地域に突入していくときに何が起きるのか」という本書全体に共通する問題設定がなされる。そこから、筆者の思考は自由に流れ始め、イギリス、そしてアメリカという巨大文明の直面する課題、それに対する日本の反応など、世界全体を見渡 -
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高坂正堯 「国際政治」国際政治から 世界平和を考察した名著。
著者のスタンスは「今は出来る事をしながら、いつかは出来るようになる事を希望する」というもの。国家間の力、利害、正義の関係から平和の問題を捉えている。哲学者、文学者、科学者が語る世界平和との違いは 「国家は 力の体系であり、利益の体系でもある。各国家の利益を抜きに平和は語れない」ということ。
著者の言葉は信頼できる
国家は 力の体系であり、利益の体系であり、価値の体系である〜国家間の関係は これらが 絡み合った複雑な関係である
*国家は単なる力の単位ではない〜世界連邦は 国家が力の単位であり、国際政治が力の単位が並立する場 -
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高坂正堯 「 文明が衰亡するとき 」 ローマ、ヴェネツィア、アメリカの衰亡論。歴史の捉え方、成功者の保守性、衰亡の不可避性、衰亡する文明国家の生き方 などを論述。
良書
ローマ帝国=巨大帝国、美徳、大衆、増税
*モンテスキュー 共和制→専制政治=ローマ衰亡の始まり
*専制政治=皇帝の専制と民衆の愚民化
セネカ 「生きることは戦うことである」
権力と富を享受しうるようになったローマで、敢えて そこから逃避せず、その奴隷にならないように 誘惑と戦う
「税は 一定以上になると、その使われる目的が 良いものであろうと〜反抗を招き、税をのがれるため工夫を生み出そうとする」
ギボンの歴史観=文明 -
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P27〜28
勢力均衡は「自国に有利な均衡であってはじめて安心する」
→均衡が保たれるのはより有利な立場にあるものがその立場を濫用して有利さを優越に変えようとせず、不利な立場にあるものがあえて挑戦しないという場合にほぼ限られるのである。
イギリスの原子物理学者ブラケットの「道徳的不均衡」
P82
ドイツの優れた経済学者かつ民族主義者であるリスト(1789〜1846)は、国家は統一と独立をまず重んじなければならない。それなくしては、国民個人の安全も福祉も進歩も文化もありえないからである。そして、この目的を達成するためには、国家の生産力を多くの側面において発達させることが必要であると論じた。
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新潮社が復刊して、おもわずなつかしくて、職場の本屋で購入。
役所に入った30年くらい前にとってもはやって、自分も本だなに昔あった記憶がある。今読み直しても、新鮮。(ただ、記憶力が悪いだけか?)
高坂さんは海洋国家のなんとかという本もだしているが、やはりヴェネチアの衰亡の話がおもしろいし、日本に参考になる。
ヴェネチアの衰亡の原因のいくつか。
(1)ギルドが存在していて、イギリスなどが新しい品質の毛織物を輸出しだしたのに、既得権に固執して新しい技術を導入しなかった。(p161)
通商国家だから、どんどん海外に競争相手がでてくる。それに勝つためにはイノベーションが必要。それを阻