1~22巻まで読み終わったので、こちらに感想をまとめます。
とても面白かったです。全てのものが収まるべきところに収まった、素晴らしく後味の良いラスト! ARMSは、この首尾一貫した完成度の高さにかけては正に逸品だと思います。
どんな絶望的な運命に襲われようとも、意志の力さえあれば、人はどこにでも行け
...続きを読むる、何者にでもなることができる。未来を決めるものは、いつでもその人自身の選択に他ならない…、というテーマが、繰り返し繰り返し、恐ろしく苦しい状況下でとても力強く語られていて、それにまた説得力があり、胸にドンと響いてきて、とても良い。それぞれがそれぞれに苦しみながらその運命に立ち向かっていく姿の、眩しいことと言ったら! 個人的には、そんな主人公たちの強さとは裏腹の、敵方の悲惨さも結構好きです。力に溺れてしまったり、憎しみに潰されてしまったり、己の傲慢さに振り回されてしまったり…そしてそういったものは「弱さ」以外ではない、という断罪がまた、小気味良い。それが正しいからではなく、運命に勝てなかった弱い彼らが、とてもかわいそうなところが良い。物語前半の、ガウス・ゴールの散り際とか、なんだか好きだなあ。言い訳せず、自分のやってしまったことを全部引き受け、たった一人で死んでいった…。
ストーリーといい、台詞回しといい、老若男女問わずなにかと男前な登場人物たちといい、こんなに素直に「カッコイイ!」と言える漫画は久々に読んだ気がします。でも、あんまりハードすぎて、いやそこが良いと言えば良いんですが、読み終わるとすっかりくたびれてしまいました。面白かったので、皆川先生の他の作品もぜひ読みたいと思っているのですが…、ちょっと時間を置こうかな…。
ともかく、良い漫画でした。満足!!