大川修二のレビュー一覧
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貧困から抜け出すために努力に努力を重ねた男がコーヒーに魅了されて、コーヒーを武器に世界を征していくお話。
とくに創業立ち上げ~買収完了辺りまでが面白かった。コーヒー豆を売る店からカフェを併設し、カフェラテをヨーロッパから輸入し、フラペチーノを売る……投資家から資金を集め、買収し、店舗を拡大して海外にまで進出していく。企業が成長して拡大していくのはワクワクしながら読むことができた。
ただ、後半の大企業になって多くの人間を束ねるトップとしてどうあるべきかみたいな記述が増えてくるのだけれど、どうにもイメージが掴みにくいし、まあ、大変なんだろうな、と思うけど、でも、だから何?綺麗事だなあ、という感じがする。でも、これが頂点から見える視点なのだろう。
でも、どのように、何に、こだわりを持って、何に妥協したのか、という視点は面白い。
コーヒーが好きだったら読んで間違いは無い一冊だった。 -
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スタバの成功要因を創業者本人が語ったもの。1998年に書かれたものなので、現在のスタバの戦略とは異なる部分もあるが、稀代の起業家であるシュルツが何を考えていたのかを知るのは意義がある。
価値観
企業の文化を確立する。社員を採用するときも、あなたと同じ情熱、意欲、目標を持つ人物を選ぶ事が大切である。そういう人たちと一緒に、社内文化を確率しなければ成功はおぼつかない。
スタバが提供する価値
ロマンチックな味わい: スタバで過ごす時間は単調な日常からの開放である。
手の届く贅沢: 労働者も医者も、自分へのちょっとしたご褒美としてコーヒーの味を楽しむ
第3の場所: 職場や家庭と違う場所を求める人の欲求を満たした。在宅勤務をする人が増えた事も追い風だった。
パートタイマーにも健康保険を提供
米国の小売業の年間離職率は150〜400%に対し、スタバは60〜65%である。会社が社員を支えれば、社員は会社を支える。
ミッション・ステートメント
会社の目的を明確に伝える文章を作成した。それを土台として、あらゆる意思決定の適不適を判断する基準を定めた。また、ミッションレビューという制度を取り入れ、会社の決定がミッションにそぐわないと社員が感じた場合、カードにその旨を記入して提出する。経営陣は2週間以内にそれに対して回答をすることになっている。 ← この制度の危うさは、会社が成長するに伴い、ミッションに対するグレーな決定もせざるを得ない事が出て来た際に、満足な答えを回答できない可能性があるという事だろう。
実際、事例としてスーパーでのコーヒー豆の販売について、それはスタバが提供する価値ではないという事で見送ったとの話が引用されている。スーパーなどで売っているものと一線を画する事が重要だという事だという。しかし、現在ではコストコで豆を売り、スーパーではVITAというインスタントコーヒーを販売している。このあたりの経緯はおそらくシュルツがCEOに復帰してから出版された次作にかかれているのかもしれないが、こうした方針の転換は、場合によって価値観を護ってきたと自負しているであろう社員からの反発を招くであろう。シュルツのようなカリスマ創業者でなければ、ハンドルは困難ではないだろうか。
ブランドマーケティングについて、多くの企業はP&Gのやり方を参考にしているという。大量販売と大量広告によって競合相手からマーケットシェアを奪うことを目的としている。一方、スタバは、市場を拡張することによって、新たな市場を生み出し、ライバルの顧客を奪おうなどと考えた事もない、と言う。← 上場によってウォール街に四半期毎にレポートをしなけれあばならない企業であれば、いつかはそうした理念が正当化できないような場面が来ることもあるであろう。 -
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ネタバレ欲求階層説で有名なマズローが経営について語った手記をまとめた著作でもともと1965年の初版が再発掘され、編集されたもののようである。構成としても手記を中心にまとめられているため、まとまりがなかったり、難解な部分も見受けられ、個人的には全体としての理解がうまくできなかった。
印象的だったのはマズローがドラッカーらの経営管理原則が過度に一般化されており、適用すべき人間を限定していない、と批判していることだ。マズローは進歩的経営管理の方針として数々の仮定を設けている。いくつか重要なものをあげると、
・人間は信頼できるもの
・権威主義的な支配・被支配の関係は存在しない
・シナジーがある(ひとりの利益は全体の利益となる、全体の利益はひとりの利益でもある)
・諸個人が十分に(心理的に)健康で、組織もしかり
これらはマズローの理想とした、自己実現者で構成された文化ともいえる。私の勝手な解釈だが、企業の各個人が互いに尊重されており、共通の目標を持ち、柔軟にリーダシップをとったり協調できるような風土が確立されているような状況を指すのではないかと思う。今でこそ、業績主義の目標管理に偏らず行動や価値観を評価に含める人事が強調されているが、当時このような理屈が展開されていたことは驚きである。
マズローはどのようにしたらよいかについて最後に「健康心理学的なものを目指す活動、つまり管理者を含む全社員の成長を促進する活動を第九の副社長に管理させるのが望ましい」、「広範囲にわたる哲学的・心理学的・心理療法的・教育的訓練が中心」とだけ言及している。言ってみれば従業員のものの考え方を変えるための教育を様々なアプローチで行うということなのだろうか。 -
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ネタバレ80のコンセプトをアルファベット順に羅列した本。内容としてポイントを絞ってみると面白い。だが羅列なので、体系的ではない。マーケットってなんだろうと少し興味ある人が読むには短くまとまっているので雰囲気を感じるのによい。
だがきちんと体系だって知りたい人には全く向いていない
そこをきちんとおさえてから読まないと肩透かしを食らうかも
メモ)
・経営トップは説得力のあるビジョン、ミッションを策定しなければならない
・競争は消費者ニーズを満たすのではなく、消費者ニーズを明確にする争い
・ブランドではなく顧客をマネジメント。顧客が何を求めてるかを割り出して提供すること
・CRMがうまくいかないのはシステム要因が2%。ほとんどが組織変更、企業内のかけひき、理解不足、計画不足などなどである。
・顧客の分類「利益をもたらす客」「成長が見込める客」「脆弱な客」「厄介な客」
・コモディティは存在しない。全て差別可能。死んだ鶏の肉が差別化できるのだ、何でもできる
・成長戦略「隣接するセグメントへの進出」「セグメントの細分化」「新たなセグメントへの進出」「市場全体の細分化」
「既存顧客に今以上に売る」「既存顧客に新商品を売る」「新規顧客に既存商品を売る」「新規顧客に新規商品を売る」
・具体的な業務に落しこまれない限り計画は無意味
・イノベーションを成功させるには「アイディア市場」「資本市場」「才能市場」がいる
・マーケットリサーチは不要、大衆は何が必要か知らない。我々は知っている(ソニー元CEO)
・リーダーにカリスマ性は必須ではない。存在を忘れられるときこそ、最高のリーダーシップ(老子)
才能あるメンバーを揃え、一丸となれるチームをつくる
数字分析を長々とせずに現場へ行く
・多くの企業が既存顧客より新規顧客を優遇する
・委員会は無用なことをやるために不適格者から選ばれたやる気のない集団
・マーケティング能力は「予測」「計画立案」「分析」「創造」「意思決定」「動機づけ」「コミュニケーション」「実践」
・問題は巧みに姿を変えた機会
・成功は機会と準備が遭遇したところに生まれる
・過度なダウンジング、コスト削減は拒食症
・品質問題はマネジメントの責任
・品質基準は顧客が決定する
・低賃金の販売員より高賃金の販売員の方が安価
平均の5倍売り上げをあげる販売員の給料が5倍ということはない
・問題に焦点をあてすぎるのは機会損失
・ビジネスの最大の問題は成功例を継続すること
1年でも長すぎる -
Posted by ブクログ
久々に読んだ、超骨太の本。
欲求の5段階(生理的欲求、安全への欲求、社会的欲求、尊敬への欲求、自己実現の欲求)で著名なマズローの書。
意外だったのは、欲求の5段階を示すピラミッド図でマズローが説明している事実はないということ。
後年の学者諸氏が、わかりやすく整理し図式化したということだ。
・気に入ったフレーズなど。
幸福とは、何かにともなって生じる状態であり、副産物なのだ
何か重要なものの一員となる。これが自尊心を回復させる特効薬だ。
人間はおのれの宿命、運命を受け入れるべきなのだ
シナジーとは、個人にとっての利益が同時にすべての人間にとっても利益となるような文化であると定義している
多くの人間は耐えること、無理をして困難な仕事に取り組むことをホッしていると言って過言ではない
数値による測定が必要だという姿勢には、まったく同意できません。まず、うまく行くと信じることからスタートすべきなのです。
人的資産を貸借対照表上に反映させるという考え方に関して言えば、かつて奴隷を所有物と見なし、財産とみなしていた時代の考え方に近いと考える人もいるでしょうね
チームメンバーが本当にやりたがっていることは何かを十分確認しないまま始めてしまうのが、問題を生む原因の一つでは無いでしょうか。
ビジョンというのはそれほど重要なもので、全体像が把握できていれば社員も共に血を流してくれるのです。
ビジョンというのは、各人の心に思い描かれた最高の状態にある組織の姿、完全に自己実現的な組織の姿のことです。
自己実現者は他人の喜びによって自分の喜びを得る人間である
アップルには、最先端の技術に精通し「発想の転換」ができるリーダー、自分は「世界を変えられる」と信じるリーダーを育て上げる力があるということだ
他人のアイデアを盗むようなくだらない人間は、優れたアイデアを見落とし、どうでもよいアイデアだけを盗んでいくものだ
貧しい国に必要なのは外国資本ではなく、自信に満ちた起業家なのである
人間誰しも何らかの点で鋭敏な感受性を備えており、その点にふれられるとどうしても憤りを覚え、きちんとしなければすまなくなるものだ
人間の問題が一個の会社よりも重大であることに気づいたビジネス・リーダーたちが、世界を変えるのです
リーダーには、敵対にあっても持ちこたえる力、言い換えれば、人に嫌われても取り乱さない力が必要だ
軍隊を民主化しようという努力は、いまだかつて成功したことがない
疑念や怖れは自分の内にしまっておくべきなのだ
あなた自身の貯金を企業へ投資に回す場合、過去12ヶ月の利益がどうだったかは考えないことにして、人的資源の豊富な企業と人的資産の乏しい企業のどちらに投資しますか。消費者の信用を得ている企業と消費者の信用をすっかり失ってしまった企業ならどちらがいいですか
基本的欲求が容易に満たされる状況では、欲求が充足されるということ自体、人間に意識にのぼらず、満たされているのが当然だと見なされる -
Posted by ブクログ
広く薄く書かれており、内容が表面的なのでちょっと物足りない。
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マーケティングは、企業の顧客製造部門。
マーケティングの目的は販売を不要にすることだ
マーケティングとは、充足されてないニーズや欲求を突きとめ、その重要性と潜在的な収益性を明確化・評価し、組織が最も貢献できる標的市場を選択したうえで、当該市場に最適な製品、サービス、プログラムを決定し、組織の全成員に顧客志向、顧客奉仕の姿勢を求めるビジネス上の機能である。
変化に直面してとりうる最善の防御策は、変化を糧にする組織をつくること
競合他社を打ち負かしたければ、まず自社に攻撃を挑むことだ。他社が仕掛けてくる前に、まず自らの手で自社の製品ラインを陳腐化させる努力が必要である。
旧態依然たる企業がテクノロジーを導入しても、以前より金のかかる旧態依然たる企業になるだけだ。 p.57
購入する製品やブランドの違いに関心がない(「どれをとっても同じ」)場合や、売り手について何も知る必要がない場合、製品市場はコモディティ市場化するといわれている。
「コモディティなどというものは存在しない。あらゆる製品、サービスが差別化可能なのである」セオドア・レビット
ベネフィット・マーケティング 消費者は感情的な訴えよりも、合理的な主張のほうにより強く影響される
だが機能してないのが現在のビジネス界 -
Posted by ブクログ
「欲求階層説」、「自己実現」、「心理学第三勢力」などで有名なマズローさんですが、今まで読んだことなし。書評などで好意的に取り上げられているので読んでみました。"Maslaw On Management"をこう訳すのは無理があるが、主著『完全なる人間』にちなんだのでしょう。その原題も"The Psychology of Being"。無理があるのでは?
正直に言うと、かなり違和感があります。神経症や発展途上国に対するかなり差別的な認識や、生まれながらの優劣の積極的肯定。文中でも何度も、昔の話でありそのため現代の認識とは違う、という訳者注が言い訳のように挿入されていますが、かなり根本的な問題であるように思うのは私だけでしょうか。少なくともそこの部分での違和感が私の素直な理解を妨げている気もします。例えば、
「ごく近いうちに、心電計や脳波計などを用いた信憑性の高い一連の実験が可能となり、被験者が将来いい管理者や監督者、上司、リーダーになれるかどうかを、かなりの確率で予測することができるようになるだろう」
...
またどうも言葉の使われ方に無頓着さを感じてしまいます。これは翻訳のせいなのでしょうか、自分の不勉強のせいなのでしょうか。選択された語が時代および学界を背景とした中で何らかの特別な意味と位置があったのではないのかとも思いますが、それを感じることは自分はできませんでした。例えば"いい人間"や"いい社会"という言葉が留保なく使われていて、どうもなじめません。"いい経営"というものを議論するためには、全体論的な議論が必要だということで、そのためにはこういう記述しかなかったというものなのかもしれないです...いいこと言っていることは、言っているのですが。
あと、途中に頻繁に挿入されるインタビュー。リズムが崩れて邪魔なのです。私だけ?
きびしめですが、星2つ。いい本なのかとは思いますが、合わなかったということで。